【インタビュー vol.1】S0PHIA、30周年への想いとレアな記念公演を語る「復活できた奇跡と同じくらい」
■30年間、変わらないためには
■それぞれが変わり続けなければならなかった
──今、改めて原点に立ち返ることに意欲的なメンバーたち。頼もしいです。
松岡:その上で、長くバンド活動を続けられているということは、ある意味音楽ビジネス的にも成り立っているということで。そんななかでも、“俺らはバンドやぞ”っていう、その大事な部分をちゃんと忘れずにいた。他の言葉に言い換えると、それぞれを信頼しているんです。だからここまでバンドが続いたんだと思うし、“デビューツアー再現”みたいな無茶をやるのも怖くない。だってね、3,090円というチケット代にしても、「ビジネス度外視してアホちゃうか!? なにやってんねん」って言う人もいると思うんです。だけど、それを「おもろいやん!」と言ってくれるメンバーと、再びタッグを組んだトイズファクトリーがいてくれたから可能になった。ずっと、はみ出した活動をしてきてるんですよね、SOPHIAは。
──はみ出すことがSOPHIAなりの処世術というか。
松岡:普通とか王道とか言われるような流れがあるんだけど、でもSOPHIAは、そのぬるま湯に浸らないようにしてきましたよね、この30年間。常に全体を冷静に見て、“ここにいたらあかんやん”と思ったら、5人固まってドロップアウトしてきた。そうしたら、その先に活動休止があったんですけど…。でも、そこから復活できた。であれば、ライブも原点に戻ろうと。今回のライブハウスツアーはステージにメンバーとメンバーが出す音しかない訳だから、誰かが手を抜いたらすぐ分かるんです。「ちゃんとしろよ、ジル!」って(一同笑)。そういう5人の凸凹したSOPHIA観をオーディエンスにリアルに観てもらったライブハウスツアーでした。
──チケット代まで当時と同じにする必要が?
松岡:ありました。“変わっていない”ことを伝えるために。「もしも君が迷ったなら」の歌詞じゃないけど、“僕らは変わらないから”と言い続けてきたんです、この30年間。ただ、変わらないためには、それぞれが変わり続けなければならなかった。今も変わり続けてるから、バンドも進化してる。それはすべて変わらないためで。そのことが3,090円という価格や、これからリリースする『BOYS and』に表れているんです。
▲松岡充(Vo)
──“デビューツアー再現”と並行して、全会場でファンクラブ会員限定イベント<Eternal presents Dear SOPHIAns>を開催していったところは進化した部分ですね。
松岡:そうですね。復活したとき、ファンクラブ“Eternal”にたくさんの方々が戻ってきてくれた。ファンクラブってライブチケットを取れるっていうのが一番の魅力だったりすると思います。だけど復活後の僕らは、日本武道館や大阪城ホール、Kアリーナ横浜など大規模な会場でずっとライブをやってきたから、ファンクラブに入ってなくてもチケットを取れるチャンスはあったと思うんですよ。そんな状況だったのにもかかわらず、Eternalに戻ってきて、さらにEternalシートという高額なチケットを買ってくれた人たちって、本当に僕らの復活を待っててくれた人だから。そういう人たちのためにイベントを提供したかったんですよね。
──ファンクラブ会員限定イベントは、やってみていかがでしたか?
赤松:これがめっちゃ面白かったんですよ!
都:ジルのアンパンマンが一番面白かった。トーク&ライブという構成だったんですけど、そのなかでファンから「アンパンマンを描いてください」というリクエストがあって。
赤松:みんなそれぞれが描いたアンパンマンを見せたんですけど。全然アンパンマンじゃない人がいて…ジルです。
豊田:エグいやつを描いたんですよ、俺(笑)。でもあれ、ウケてたよな?
都:笑ってくれた。こういう企画はホールツアーではできないことなので、楽しかったですよ。
▲豊田和貴(G)
▲黒柳能生(B)
──そして、デビューツアー再現のライブハウスツアーに続く、30周年アニバーサリー企画第二弾として、今年3月に大阪城ホールで開催したSOPHIAとオーケストラとのコラボライブ<SOPHIA Premium Symphonic Night>を、10月30日に神奈川・横浜BUNTAIで再演することが決定しています。
松岡:大阪城ホールの<Symphonic Night>を観られなかった人や、もう一度観たいと思っている人、さらに、もう一度演りたいと思ってる僕らもいる。そのために今回、再演を決めました。フルオーケストラとの共演って、簡単には演れないことなんですよ。前回、“これが最後だ”と思っていたものをもう一度演らせてもらえるのは、S0PHIAがもう一度復活できたのと同じぐらいの奇跡なんです。だから、もう二度とないだろうな。大阪で初めて演ったとき、僕らが予想していた以上の感動や、得たものがあって。自分たちが創ってきた曲が“こんな響き方をするのか!?”って実感できて。SOPHIAの新しいライブが生まれた気がしたんですね。
──あの日<Symphonic Night>のステージで松岡さんは、「SOPHIAの新しい宝物ができました」とおっしゃってましたもんね。
松岡:はい。だから、あの日と同じことを演りたいんですけど、そうならないのがSOPHIAなので、中身はちょっとだけ変わると思います。大阪と東京では楽団も異なるので。
──<Symphonic Night>はオーケストラとバンドががっつりコラボするパートに加えて、松岡さんと都さんだけがコラボするパート、バンドだけでパフォーマンスするパートがありましたが。今回、新たに変わるパートがあるとしたら?
松岡:今はまだ構想段階ですが、SOPHIAだけのパートや、オーケストラとバンドがセッションするところが少し変わるかもしれないですね。
▲都啓一(Key)
▲赤松芳朋(Dr)
──<Symphonic Night>を演ってみて、やはりいつものライブとは違いました?
豊田:全然違います。日常生活では絶対に味わえないような優雅なひとときなので。豪華なメンツと極上のサウンドでプレイできる訳だから、そりゃあもう天国に一番近い気持ちです(一同笑)。
松岡:天国に一番近いって、死にかけてるってこと?
豊田:ハッピー過ぎて死んでもいい。それぐらい楽しかったってことです。俺らの必殺技のオンパレードがオーケストラが加わることによって、さらに必殺技のオンパレードになるので。とにかく最高でしたよ。
──普段と異なるステージは、緊張するものですか?
赤松:はい。めっちゃ緊張しました。通常は僕のカウントから「さあ行こうぜ!」って始まる訳ですけど、この日は後ろのオーケストラのタイミングに合わせて入るので、めっちゃ緊張感がありました。
豊田:曲のシメもマエストロに合わせるからね。
赤松:僕のタイミングとは違うんですよ。その緊張感が面白かった。前回の<Symphonic Night>を踏まえて、今回は僕、リベンジしたいことがあるので。必殺技を用意して挑もうと思ってます。
──<Symphonic Night>はおめかしをした来場者もたくさんいらっしゃいましたが、今回ドレスコードはありますか?
松岡:バンバン汗をかくときはTシャツとタオルが必須ですけど、今回はそうじゃないので。優雅な気持ちで聴いてもらいたいから、ご自身がリラックスして楽しめる服装でいいんじゃないかな。ちょっとドレッシーに着飾ったほうがいい人もいれば、肌に馴染んだゆったりめの服装のほうが落ちつくという人もいるでしょうから。まあ、僕らは全員タキシードで行きますけどね(笑)。
都:会場に入るときから。
松岡:ポマードでビシッと髪の毛をかためて。
赤松:レッドカーペットを用意してもらって、そこを歩いて会場入りします!
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