【ライブレポート】後藤真希、「これからも私の走りについて来てください！」

デビュー25周年を迎えた後藤真希が、9月21日に東京・山野ホールで＜後藤真希 25th anniversary live tour 2024 ～prAyer～＞のファイナル公演を行った。

◆ライブ写真

ゴシックなムードで仕上げられたオープニング映像から、1曲目「QUEENDOM」へ。紗幕の向こうに凛として立つ後藤のシルエットが浮かび上がると、会場からは大きな歓声が上がった。暗闇にペンライトの青い蝶が舞い、クイーン然とした後藤がその姿を表す。4人のダンサーを従えたパフォーマンスは気高くセクシーで、跪いた男性ダンサーに美しくヒールの足を乗せるなど魅惑的なシーンも盛り込まれていた。インダストリアルなサウンドで会場のテンションを上げた「Get Your Way」では花道まで進み、激しいダンスで客席を圧倒。「CLAP CLAP」ではタイトルどおりみんなでクラップを楽しんだ。


MCではまず、13年ぶりにリリースされたミニアルバム『prAyer』について「新しいものを作っていくのはめちゃくちゃ楽しい。新しい曲を作って、歌って踊る私が見たいという声をたくさんいただいたので、そういう皆さんの“祈り”も叶えたかったし、こんな私をやってみたい、こんな私を見てほしいという自分の思いなど、いろんな“祈り”を込めたアルバムになった」と振り返る。また、たくさんの方が聴いてくれて嬉しいという感謝を伝えた上で「でも、作って、出して、ライブやって、それで終わりにしたくない。またこういう機会を作って、みんなで曲を育てていきたいと思ってる」と、音楽に対する現在の心境も語っていた。



そんな彼女の思いを反映した今作のタイトル曲「prayer」や「I am」、自身が作詞を手がけた「華詩 -hanauta-」などが披露された次のゾーンでは、言葉のひとつひとつを丁寧に歌い上げていく。ラメのロングドレスの輝きが、満天の星のように客席を包み込んでいた。

ライブ後半は、バイクのエンジン音からロックなサウンドへ突入する「BAD BOY」からスタート。その盛り上がりと勢いをさらに加速させるメドレーのコーナーでは「EYES」「lalala」「スクランブル」「アゲ♂曲」と続き、モーニング娘。の「恋愛レボリューション21」が披露されると会場の興奮はマックスに。会場にいる全員が一緒に歌い踊る光景は圧巻で、あまりの盛り上がりを前に、歌い終えた後藤はしばらく喜びの余韻を噛み締めている様子だった。


「久々の「恋愛レボリューション21」、やっぱりアガりますね！」と笑顔を見せたMCのコーナー。「つんく♂さんからプレゼントされる曲は、毎回イメージがガラッと変わるからみんなその度に驚いてた。せっかく覚えた振り付けも、夏(まゆみ)先生とお話をされて、翌日には変わってたりする（笑）」と当時のエピソードを披露しながら、そうやって常にブラッシュアップした楽曲を届けてきたことや、いろんな人に支えられて今も歌えていることへの感謝などが語られていた。


本編ラストをダンサブルな「Flirty Sun」で締めくくり、アンコールへ。ファンからのサプライズとなった真っ赤なペンライトに迎えられ、まずはソロデビュー作となった「愛のバカやろう」を披露。続いて後藤のキャリアの原点ともいうべきモーニング娘。の大ヒット曲「LOVEマシーン」のイントロが流れ始めると、言うまでもなくこの日一番の盛り上がりとなった。


支え合う気持ちやこれからも一緒にと願う想いを込めた「Ivy」を歌い終え、あたたかいファンの歓声に聞き入る後藤。感極まったような表情を見せつつダンサーを紹介し、記念撮影をしてライブも終了…かと思っていたが、名残惜しい気持ちは本人もファンも一緒。「アンコール！　アンコール！」の大合唱に「本当に!?　OK、じゃあやろう！　みんな、ぶっ壊れようぜ（笑）！」と急きょ予定にはなかった「恋愛レボリューション21」を披露した。


「25年ともなると、ひとつひとつのお仕事でどれだけの人が動いてくれてるのかがわかるんです。大人になりました（笑）。いろんな方に支えられながらここまで走ってきたなと思います。これからも私の走りについて来てください！　今日は本当にありがとうございました！」

鳴り止まない声援を背中で受け止めながら階段を登り、ありったけの思いを込めて手を振る後藤。「また会いに来てください！　後藤真希でした！」と笑顔で叫び、ステージを後にした。