【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>TETORA「私らは挑戦しないと、進み続けないと」
胸いっぱいの気持ちを抱えているからといって、慌てて駆け出すことはない。<山人音楽祭2024>2日目、赤城ステージの幕開けにふさわしく、確実に着実にそのサウンドを響かせてくれたのがTETORAだった。
憧れのG-FREAK FACTORYが主催する<山人音楽祭>。他にも自分たちにとってキッカケや原点になったバンドが顔を揃える中、今のTETORA、最新こそが最高なんだと挑むスタンスも胸を打つ。自分たち自身により活を入れて叩きつけた「7月」、サウンドとライティングの鮮烈さがクロスオーバーして突き刺さった「6月」といった曲を放ちながら会場を引っ張っていき、ラストナンバーとなった「Loser for the future」の前、「余韻で一番手のTETORAがずっと残っちゃいますように!」といたずらっ子のような笑みを浮かべて叫んだ上野羽有音(Vo, G)。そうなるに違いない、といった感触を手にしたのだろうし、それはきっと正しいはずだ。
◆ ◆ ◆
──<山人音楽祭>には2年連続の出演。昨年は初出演ながら榛名ステージのトリを務め、茂木さんから「信じてる」と言われたそうですね。
上野羽有音(Vo, G):プレッシャーがありましたけど(笑)、嬉しかったです。
──今年は赤城ステージのトップバッターとなりました。「この日の為にバンドを始めたんじゃないか、というぐらいの達成感がある」とライブの冒頭でお話されてましたけど、表情からも胸いっぱいな気持ちが伝わってきましたよ。
上野:もう、胸いっぱいでした(笑)。むちゃくちゃ嬉しかったですし、G-FREAKは大好きなバンドなんで、<山人音楽祭>に出させてもらったこと自体も光栄というか胸いっぱいやのに、赤城ステージを任せてもらったことが凄く嬉しくて。やるしかない、と思いました。
──その言葉の後に「ここからちゃんと進化していく」とも付け加えられていて。そこがロックバンドの意地ですし、欠かせない部分ですよね。
上野:ありがとうございます。
──意外にもフェスのメインステージの経験は少ないそうですね。
上野:まだそんなに、ですね。
──実際、赤城ステージのトップバッターと聞かされたとき、どう思いました?
上野:茂木さんから電話でそのことを伝えてもらったんですけど、「えっ!?」ってビックリしたけど……さっき、ライブ前にちょっとお話させてもらったとき、(まっすぐな目で「よろしく!」って言ってきてくれて。私らもまっすぐな目で返させてもらいました。嬉しいことですね。
──TETORAとG-FREAKは関係性として深くなってきてますよね。
上野:コロナ前に、私らのホーム、心斎橋BRONZEに(G-FREAKが)ツアーで来たときに地元バンドとして出させてもらって。「カッコよかったよ」って言ってくれて、そこからライブに出させてもらうようにもなって。この間は私らのBRONZEにゲストとして誘わせてもらったり、今度はG-FREAK FACOTRYのツアーにも出させてもらったりしますね。
──ライブ中、「<山人>、いい天気やな」って口にされたじゃないですか。これは雨バンドとも言われるG-FREAKをイジってるんだろうなと感じて(笑)。
上野:そうっすね(笑)。
──それぐらいの関係性なんだなということも伝わってきましたし、ちょっとニヤニヤしちゃうポイントでもありました。
上野:私の中の勝手な統計なんですけど、天気悪い方が伝説みたいな日になると思ってるから。今日、ホテルから出て空を見た瞬間に「よっしゃ!」って思いました(笑)。
──実際にライブを終えられてみての感想はいかがですか?
上野:たぶん、<山人音楽祭>来てくれてはるお客さんからしたら、私ら、全然知らんようなバンドだと思うんですけど、ジャンルもちゃうし。思ったより来てくれてたのも嬉しかったし。
──どんどんフロアに集まる人数も増えていってましたよね。
上野:ちゃんとライブを観てくれてたのも嬉しかった。もう、後は楽しむだけ、っていう感じですね。やれることはやりきりました。
──G-FREAKの魅力って、自分たちが目指すモノがそこにあると感じているのか。それとも自分たちにはないからこそ惹かれるのか。どちらになります?
上野:う〜ん……全然ジャンルはちゃいますけど、自分たちにないモノを持っているっていうよりかは、ジャンルとかそういう表面的な部分じゃなくて、中身の部分。もっと深い部分として憧れの存在なんです。こうなりたい、ってめっちゃ思うし。奥の部分、人間性というか。G-FREAK FACTORYは中学のときから好きやったんですけど、初めて対バンさせてもらったときに「私はこうなりたいんや」って思いました。
──だからこそ、G-FREAKからインスパイアされて曲が生まれたりもする、という。「告白」もそうですし、1曲目にやられた「4月」に関して、そういったお話をされてましたよね。サウンド感やメッセージというより、もっともっと奥の部分から感じたという。
上野:そうですね。優しいがカッコいい、ってあるじゃないですか。私、それの意味が最初はわからなくて。「どういう意味?」って思ってたけど、「優しいってこういうことなんかな?」って、G-FREAK FACTORYとか、10-FEET、ロットン、四星球もそうなんですけど、そういったバンドを観て「あぁ、こういうことか」って思って作った曲ですね、「4月」は。
──現在、TETORAとしてはツアー中ですね。
上野:始まったところです。
──日本武道館からスタートするというパンチの効いた流れですけど、年内はツアーが中心?
上野:ずっとツアーなんですけど、BRONZEが10周年なんで、10ヶ月連続で企画をやってて。
──この無茶な感じ、バンドっぽいですよね(笑)。
上野:アホなことをやらせてもらってます(笑)。四星球やG-FREAK FACTORYにも出てもらって、最高でした。
──バンドとして、仕上がってる手応えはあります?
上野:仕上がってるというよりは、ずっと挑戦、挑戦、挑戦でやらせてもらってますね。私らにとって今日も挑戦ですし。突き進んでるだけ、みたいな感じです。
──ずっと更新していくような。ライブの最後に「今日がいちばんカッコよくないと話にならない」と言われてましたけど、最新が最高じゃないと意味がない、っていう。
上野:そうですね。コロナ禍でみんなずっと踏ん張ってた中、<山人音楽祭>は私の中でずっと進んでたフェスなんです。挑み続けてるのがカッコいいなと。そういうのも感化されて、私らは挑戦しないと、進み続けないと、ってずっと思ってます。
取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎野村雄治
ライブ写真◎HayachiN
<山人音楽祭2024>
開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00 (終演 20:00予定)
会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)
出演者
【9月21日(土)】
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV (※五十音順)
【9月22日(日祝)】
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY (※五十音順)
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