【速レポ】<京都大作戦2024>10-FEET、今年も新たな伝説の1ページを加え閉幕「ほんまかっこよかったから、ライブもみんなも!」

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<京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々歳゛〜>2日間を締めくくる10-FEETのステージは、SEがかかる前から待ちきれない観客がタオルを掲げそのときを待っている。会場に大音量でSEが響きわたると、地鳴りのような歓声と共に、年代もデザインもそれぞれの10-FEETタオルが掲げられる。3人の登場で、そのタオルは手拍子や突き上げるコブシに変わった。

◆ライブ写真

会場にみなぎる緊張感のなか、まず演奏されたのは7月3日にリリースされたばかりの新曲「helm’N bass」だ。すでにライブでのなじみもよく、深みあるレゲエのノリから分厚いロックなアンサンブルへという展開に観客が自由に体を揺らし、歌う。3人は、タフかつ繊細な演奏で曲の個性を全方位で魅せる。ここからまたライブを重ねることで、より力強く、エモーショナルなライブ曲になっていくだろうと思う。

続く「Re方程式」も万華鏡的にダイナミックに響かせた。TAKUMA(Vo, G)がゆったりとしたギターを奏でスキャットをすると、観客が歓声を上げ、「ハローフィクサー」は白熱したバンドアンサンブルに太陽が丘を埋め尽くす観客のシンガロングが重なった。




「昨日から続いて、みんなめちゃくちゃかっこええライブばっかりやったし、今年は客席のみんなもなんかピッとしてる感じがするし。なんか、いいなぁ今年」としみじみするTAKUMA。



むやみやたらに乗るわけではない、本当にライブがよくないと乗らないスタイルに感嘆していた様子だ。2日間で感じたリアルな思いなのだろう。「俺らダサかったら帰っていいしな。出て行ってもいいし──すいません、再入場禁止にしといてくださいね!」と笑わせつつ、「ほんまかっこよかったから、ライブもみんなも。ほんまそんな気持ち。(10-FEETも)かっこいいとこ見せるわ、見とけ!!」と宣言し「シエラのように」を真摯に歌い上げる。声を枯らすような高音のボーカルに、観客が振るうコブシにも力が入る。


後半は、<京都大作戦>だからこその展開となる。ドクター長谷川を交えての「RIVER」では曲中、「友だち呼んでもいい?」(TAKUMA)とKj(Dragon Ash)を呼び寄せる。Kjは「こんな友だち思いのロックバンドいません。まだ「RIVER」を出してない頃、東京で3人とマネージャーのmasaと4人で住んでいたとき、10-FEETの家からひと月に一冊ずつ『TOKYO TRIBE 2』がなくなっていました」と思い出話を始めた。


漫画『TOKYO TRIBE 2』の単行本がなくなるのは、ROTTENGRAFFTYが家に来るときに限ってのことだったという。「あれ、ROTTENGRAFFTYですよ」というmasaに、TAKUMAは「お前、誰のこと疑ってるんだ。10-FEETとROTTENGRAFFTYだぞ、俺たちの中でそんなことがあるわけないやろ」と言いきったそうだ。──が、久々に10-FEETが京都に帰ってNOBUYAの家に行ったところ、『TOKYO TRIBE 2』全巻があった……。そんなエピソードのあとの「その向こうへ」で、「うちのmasaの漫画はよ返してくれよ、ROTTENGRAFFTY!」とN∀OKIとNOBUYAが呼び込まれ、青春時代の思いを再燃させるようなエネルギッシュでアグレッシヴなステージを披露した。



「第ゼロ感」では、おなじみ大阪籠球会と共演。硬質なロックサウンドに合わせ、テクニカルな技を決める大阪籠球会のメンバーに紛れ『SLAM DANK』に登場する安西先生に扮した人物が、あの名台詞を「諦めなさい」に変えて会場を笑わせるなど、どこまでも楽しませてくれる。


賑やかなステージを締めくくるようにラストは「ヒトリセカイ」をプレイしたのだが、途中KOUICHIのビーターが外れるという機材トラブルが。「ごめんなさいの1曲、いっとく?」というTAKUMAが“そんなミスも一瞬で忘れろ”とうまく繋ぎ、急遽「Freedom」を演奏することに。「これ歌える人いる?」とTAKUMAが振ると、10年以上前の曲にも関わらず、会場から大合唱が返ってくる。観客にとっては棚ぼた的な1曲が聴けたところで、改めて「ヒトリセカイ」へ。歌詞に“終わりたくない”と、京都大作戦の2日間がもう終わってしまう寂しさも交えた今日だけの「ヒトリセカイ」には、儚い切なさも宿った。


アンコールに立った3人は、再びドクター長谷川を迎え「CHERRY BLOSSOM」を披露した。ファンの色とりどりのタオルが舞う光景が美しい。アンコールは1曲だけの予定だったが、舞台袖の仲間たちがビールを持って登場。「もう1曲やらないと終われないやん」(TAKUMA)と、「back to the sunset」で全力で駆け抜けた。




アンコールを終え、再びステージへと登場した3人は主催として観客に改めて挨拶をした。TAKUMAは「昨日も言いましたけど、仲間みんなのライブを見てほんま音楽すごいなと改めて思いました」と語った。NAOKIは珍しくド快晴に恵まれた2日間に、出演者も伝説感を感じてくれていた、これからも<京都大作戦>を応援してくださいと語る。KOUICHIは昨日に引き続き「いいライブに触れオリジナルソングができた」と、堂々とanoの「ちゅ、多様性。」のフレーズを歌う。マキシマム ザ ホルモンのステージでのanoを意識したであろうKOUICHIのキュートな一面に、会場が湧く。そして最後の最後、終幕の一本締めの掛け声を担って観客と共に大成功の2日間を祝し、<京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々歳゛〜>の幕が無事下りたのだった。


文◎吉羽さおり
写真◎HayachiN、Yukihide"JON..."Takimoto、青木カズロー、かわどう

セットリスト

1. helm'N bass
2. Re方程式
3. ハローフィクサー
4. シエラのように
5. RIVER feat.Dragon Ash (Kj)
6. その向こうへ feat.N∀OKI & NOBUYA(ROTTENGRAFFTY)
7. 第ゼロ感 with 大阪籠球会
8. Freedom
9. ヒトリセカイ
encore
en1. CHERRY BLOSSOM
en2. back to the sunset

■<京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々祭゛〜>


7⽉6⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉7⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1

▼7⽉6⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】Ken Yokoyama / Saucy Dog / サンボマスター / 湘南乃⾵ / dustbox / 10-FEET / FOMARE / HEY-SMITH
【⽜若ノ舞台】炙りなタウン / GUMX / サバシスター / SIX LOUNGE / SHANK / Maki / RED SPIDER
▼7⽉7⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】ENTH / SUPER BEAVER / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / Dragon Ash / マキシマム ザ ホルモン / RIZE / ROTTENGRAFFTY
【⽜若ノ舞台】アルステイク / Age Factory / THE SKIPPERS / Fire EX. / プッシュプルポット / Paledusk / MAYSON's PARTY
※10-FEETは2⽇間とも出演

【鞍馬ノ間】EGOLA / ⼤阪籠球会 / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM NICK / TEAM HAPPY LUCKY FROM SOMECITY OSAKA / TEAM FUKUOKA / ちきゅう
京都ハンナリーズ (エキシビションマッチ)

▼チケット
・通常札:2⽇通し券 18,820 円(税込) / 1⽇券 9,410 円(税込)
・童札(わらべふだ):2⽇通し券 9,400 円(税込) / 1⽇券 4,700 円(税込)
※童札は、2024年7⽉時点で⼩学⽣(⽣年⽉⽇が2012年4⽉2⽇〜2018年4⽉1⽇)の⽅が申し込み可能。必ず⼤⼈の⽅(通常札・家族札購⼊者)と⼀緒にご来場ください。童札のみでの⼊場はできません。
(問)公演:サウンドクリエーター 06-6357-4400
(問)チケット:https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact

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