【速レポ】<京都大作戦2024>湘南乃風、思わぬ展開「とんでもないじゃん。歴史の教科書に書かせてください」
ステージ転換と機材セッティングにあてられた数十分間のこと。ステージからレゲエを爆音で流し、「祭りの準備できてるか! 行こうぜ、京都!!」と煽りまくるのは、湘南乃風の第五のメンバーと呼ばれるDJ&バックセレクターのThe BK Soundだ。
◆ライブ写真
早々にターンテーブルの準備を終え、彼がそのまま始めたのがレゲエパーティだった。その音に吸い寄せられ、オーディエンスの数もたちまち膨れ上がり、集まったみんなの気持ちをひとつにする凄腕の煽り番長=The BK Sound。疾走するレゲエに合わせ、高速タオル回しも決めるなど、オーディエンスもすっかり準備万端だ。
そして14時15分、「コブシをあげろー!」と煽りながら湘南乃風がステージに登場。4人が真横に並んで勢ぞろいしたところで、「黄金魂」へ畳みかけていった。「上がれ」というライムに合わせて手をあげるように仕向けた湘南乃風。ところが歌いながらHAN-KUNは曲を中断させてしまう。
「全然あがってない。俺たちの知っている京都大作戦ではない。10-FEETと兄弟みたいな関係なのに。京都大作戦のお客さんはパーッと盛り上がって、それでパーッとなって、パーッじゃないのか。…次に出てくるのは湘南乃風!」と、ライブは仕切り直しで、自らオープニングMCまでするHAN-KUN。この一件がオーディエンスに完全に火を点けた。改めて始まった「黄金魂」からゴリゴリのダンスホールが、太陽が丘に生まれることに。タオルを振り回し、客席エリアの後方では湘南乃風の巨大フラッグを振るオーディエンスも。
そんな光景を前に湘南乃風はメーターをぶっちぎる勢いでライブを展開し続ける。自らのことを「めちゃくちゃしつこい」と言うだけあって、爆音レゲエと共にガンガンに煽りまくる湘南乃風。
「京都大作戦が大好きで、10-FEETが好きだってヤツ!」とか「俺はターバンして前が見えないって言われてるけど、けっこう見えてます。京都大作戦、嵐を起こせ!」など次から次へとノンストップで言葉を畳みかけ、目の前のオーディエンスを一人残らず頼もしく引っ張っていく。太陽が丘を埋めつくすオーディエンスは激しく揺れ、振り回す色とりどりのタオルがカラフルな大海原を作り出した。
「この最高の景色! 京都大作戦に呼んでいただき、この最高なステージ、目の前にいるたくさんの仲間たちと会えたこと、心から感謝を込めて、大きな拍手を贈りたいと思います。ありがとう!」──HAN-KUN
こうして感謝と愛情も詰め込んだ「純恋歌」へと入っていった。すると太陽が丘から湧き上がるオーディエンスの大合唱。さらにメロディアスなこのナンバーに合わせて揺れる手。HAN-KUNも若旦那もRED RICEもSHOCK EYEも、オーディエンスの作り出す大合唱と絶景に笑顔をこぼした。さらに「絆! 仲間! 音楽! 10-FEET! 京都! 全てに!!」と京都大作戦に絡めたワードも若旦那が即興で曲に入れ込むと、想いをひとつに大歓声をあげるオーディエンス。この連帯感と仲間意識と心地いい空気は、京都大作戦ならでは。
「10-FEETまで誰一人欠けることなく、今日を楽しんでいこうぜ。舞台袖では次に備えているヘイスミが、俺たちのバイブスを受け継ぐって、ずっと観ているよ! そしてKen Yokoyamaへ、サンボマスターへ、そして10-FEETへ! 全員で次へバトンを渡せるってヤツ、PUT YOUR HANDS UP!!」──若旦那
これまた大合唱の「睡蓮花」だ。もちろん全員で手をあげて。しかし京都大作戦はこれだけでは終わらない。曲が軽快に転調した瞬間だった。客席エリアの真ん中でサークルモッシュまで起こり始めた。これには湘南乃風も驚き、思わず曲を止め、そしてHAN-KUNは嬉しそうにこう言った。
「真ん中、とんでもないじゃん。通常、俺たちのライブではそんなこと起きないからさ。初めてのことが、初めて起きちゃうけど、大丈夫? 湘南乃風、レゲエ代表でめちゃくちゃサークルモッシュ起きたって、歴史の教科書に書かせてください」──HAN-KUN
そして再開した「睡蓮花」。激しくも、しかし平和で楽しいサークルモッシュがあちこちで渦を作り、さらにウェーブのように押し寄せるオーディエンス。ハジけまくる笑顔と湘南乃風が容赦なく浴びせかけるハッピーシャワー。これこそ夏だぜ、夏晴れ。太陽が丘を真夏のビーチに代えていくような湘南乃風のステージだった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎青木カズロー
セットリスト
2. Joker
3. 爆⾳Breakers
4. Born to be WILD
5. 純恋歌
6. 睡蓮花
7. TIME
■<京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々祭゛〜>
7⽉6⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉7⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼7⽉6⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】Ken Yokoyama / Saucy Dog / サンボマスター / 湘南乃⾵ / dustbox / 10-FEET / FOMARE / HEY-SMITH
【⽜若ノ舞台】炙りなタウン / GUMX / サバシスター / SIX LOUNGE / SHANK / Maki / RED SPIDER
▼7⽉7⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】ENTH / SUPER BEAVER / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / Dragon Ash / マキシマム ザ ホルモン / RIZE / ROTTENGRAFFTY
【⽜若ノ舞台】アルステイク / Age Factory / THE SKIPPERS / Fire EX. / プッシュプルポット / Paledusk / MAYSON's PARTY
※10-FEETは2⽇間とも出演
【鞍馬ノ間】EGOLA / ⼤阪籠球会 / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM NICK / TEAM HAPPY LUCKY FROM SOMECITY OSAKA / TEAM FUKUOKA / ちきゅう
京都ハンナリーズ (エキシビションマッチ)
▼チケット
・通常札:2⽇通し券 18,820 円(税込) / 1⽇券 9,410 円(税込)
・童札(わらべふだ):2⽇通し券 9,400 円(税込) / 1⽇券 4,700 円(税込)
※童札は、2024年7⽉時点で⼩学⽣(⽣年⽉⽇が2012年4⽉2⽇〜2018年4⽉1⽇)の⽅が申し込み可能。必ず⼤⼈の⽅(通常札・家族札購⼊者)と⼀緒にご来場ください。童札のみでの⼊場はできません。
(問)公演:サウンドクリエーター 06-6357-4400
(問)チケット:https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact
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