【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>The BONEZ、生身を剥き出しにした4人の精神性

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「まあ、いいや」──サウンドチェックの終盤、JESSE(Vo, G)が言った。もしかしたら若干の不安要素があったのかもしれないが、そのまま本編へ移る。「遊びたいヤツ、遊ぼうぜー!」「全然(声が)聞こえねえぞ!」と散々フロアを煽り散らしたあと、サタニックでの1曲目に選んだ「Love song」へ。ハンドマイクを手に歌いながら、JESSEはステージの下手、上手とゆっくり練り歩き、フロアを見つめる。まるで、今日サタニックに集まった連中の顔を一人ひとり確認しているかのようだった。

◆ライブ写真

そう感じるのはなぜか。ライブを観るたびに、The BONEZとフロアがお互いに引き合う力が強まっているように見えるからだ。“ユニティ”というワードを軽々しく使うのは小っ恥ずかしいが、4人のライブにはそれがある。ZAX(Dr)も「サタニックー! 前も後ろもつながっていきましょう! 仲良くしような!」と声を上げていたし、「Numb」ではJESSEの呼びかけによってフロアの奥にいる観客まで手を振っている光景がスクリーンに映し出された。そんな画を選んだスイッチャーの気持ちがわかるぐらい壮観だった。


「燃え尽きるまでやるから、サタニック勝負できっか!?」とJESSEは煽っていたけど、こっちからすると勝負しようとしているようにはまったく見えなかった。どれだけKOKI(G)のギターが歪んでいても、どれだけT$UYO$HI(B)のベースがブリブリでも、どれだけZAXのドラムがヘヴィでも、そこには愛しかない。3人は派手なパフォーマンスを見せるわけではなく、自分の仕事に徹しているが、彼らの想いはすべてJESSEに託している。彼のことを信じている。「We are The BONEZ」も愛あふれる楽曲だ。歌詞に合わせてメンバー紹介をするJESSEがKOKIの頬にキスをしたのには笑った。それだって悪ふざけではなく、愛だ。




「New Original」でウォールオブデスが起こった場面もよかったけど、一番はその次の「Thread & Needle」。「ここで元気出してけ!」というJEESEの言葉のあとに湧き上がった大シンガロングは鳥肌モノだった。さらに、スクリーンにはおびただしい数の観客が自然発生的に肩を組んでいる姿が映し出された。これがThe BONEZの音楽が持つ力なんだ。


団結も平和も今の時代においてはなかなか信じづらい言葉になってきているが、The BONEZについていけば何か新しい景色が見られるのではないか、と思わせてくれる。MCを挟みながらもラストの「SUNTOWN」までひとつなぎに見せたパフォーマンスは、ライブというよりも、4人の生き様を見せつけられたような気分にさせた。

何もカッコつけることなく、生身をより剥き出しにした4人の精神性にフロアは熱狂した。The BONEZはずっとカッコいいバンドだった。でも、今は以前よりももっと信じられるバンドになった。そんなことを実感した真っ昼間のサタニックだった。


取材・文◎阿刀大志
撮影◎中河原理英

■セットリスト

1. Love song
2. Numb
3. We are The BONEZ
4. Rusted Car
5. New Original
6. Thread & Needle
7. SUNTOWN

■<SATANIC CARNIVAL 2024>

6月15日(土) 幕張メッセ国際展示場 9-11
・物販 / FOOD AREA:start 9:30
・ライブ観覧エリア:open10:00 / start11:00 ※21:00終演予定
▼出演者 ※28組
04 Limited Sazabys
HIKAGE
10-FEET
HOTSQUALL
Age Factory
Ken Yokoyama
バックドロップシンデレラ
Maki
The BONEZ
NOISEMAKER
BRAHMAN
マキシマム ザ ホルモン
Dizzy Sunfist
OVER ARM THROW
dustbox
Paledusk
ENTH
ROTTENGRAFFTY
Fear, and Loathing in Las Vegas
サバシスター
FIGHT IT OUT
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
FOMARE
SHADOWS
ハルカミライ
四星球
HEY-SMITH
[OA]WHISPER OUT LOUD
▼チケット
・オフィシャルHP先行 ¥10,800
・各種プレイガイド先行 ¥11,000
・一般 ¥11,000

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