【ライブレポート】44MAGNUM、40周年記念ツアーファイナルで「50周年まで頑張ろうぜ!」
1983年12月21日にアルバム『DANGER』でメジャーデビューした44MAGNUMが、デビュー40周年ツアーを締めくくる<40th Anniversary FINAL TOUR – ANOTHER BEGINNING –>の東京公演を4月4日に渋谷 PLEASURE PLEASUREで開催した。
◆44MAGNUM 画像
SEが流れ、会場が暗転すると 梅原“PAUL”達也(Vo)、広瀬“JIMMY”さとし(G)、宮脇“JOE”知史(Dr)、PAULの実息でもあるSTEVIE(Vo)、そして、2021年末で脱退したオリジナルメンバーの吉川“BAN”裕規の後任でありゲストプレイヤーとして44MAGNUMを支えるSEXX GEORGE(B / LADIES ROOM)がステージに登場。赤いジャケットを纏ったPAUL、赤いパンツにロングブーツという出で立ちのJIMMY、赤髪に赤のロングカーディガンのGEORGEと情熱的なレッドで統一され、40年目を迎えてもなおこのハードロック然としたオーラは、デビュー当時の1980年代にタイムスリップしたかのような錯覚すら覚える。
オープニング曲は1stアルバム『DANGER』収録曲から「The Wild Beast」。 GEORGEとJOEの息のあったリズム隊に合わせて、開始早々、会場はヘッドバンギングの嵐。レッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」を進化させたようなノリの良い代表曲で、高音域まで伸びるPAULとSTEVIEの親子ボーカルの掛け合いに、パワフルなGEORGEのコーラスがオーディエンスを煽る。
続いてデビューアルバムのオープニング曲「I’m on Fire」。パーキンソン病と闘病中でもあるPAULを子息STEVIEが力強いシャウトでサポート。 パワフルに煽動するMCも父親譲りだ。
「イケるのかい東京? 40周年ラストだぞ! 2階席もぼっととしてんなよ!」──STEVIE
間髪入れずに7thアルバム『44MAGNUM』から「IN THE END」へ。同曲ではGEORGEがステージから客席に降りてオーディエンスを煽る。続いて再結成後のアルバム『IGNITION』収録曲「TRUTH AND FALSEHOOD」では、デジタルシーケンスサウンドと生々しいバンドサウンドがうねりを上げて融合し、44MAGNUMの音楽性の広さをあらためて知らしめる。 さらに復活後のアルバム『ANGEL NUMBER』の代表曲である「GREED」を披露した。
「今日は大雨にならないで、こんなにたくさん集まってもらって嬉しいよ」──PAUL
「たくさん来てもらったねぇ。皆んなキラキラしているよ」──STEVIE
と穏やかなMC後、JIMMYがアコースティックギターを手にして、バラード「THIS TIME」へ。2013年発売のミニアルバム『BEAST』から「UNDER MY SKIN」では ジューダスプリーストを彷彿させる 様式美メタルを披露し、 さらにバンド随一キャッチーなナンバーである「I JUST CAN'T TAKE ANYMORE」で客席との一体感がピークに達した。「thank you ! oh yeah」と地声で叫んで、これに応えるGEORGE。
「GEORGEさんのほうが元気だよね。 1人に負けていない? 声的に」──STEVIE
「オレ、悪いけど、マグマニアの中で一番元気だぞ!おい!」──GEORGE
「行ける?TOKYO、行けんの?」──STEVIE
ラストのブロックでは3rdアルバム『ACTOR』から「She's So Crazy, Make Me Crazy」。JOEのヘヴィなリズムに客席が横ノリに揺れ、初期のバンドの世界観に陶酔した。そしてバンド随一のハイスピードナンバー「TOO LATE TO HIDE」で一気に畳み掛ける。
「ラストナンバー行くぞ! 満足できるかって聴いてるの? いけるのかい?」──STEVIE
本編ラストはアルバム『DANGER』収録曲「Satisfaction」だ。GEORGEのパワフルで安定したボトムプレイに煌びやかに絡むJIMMYのギター。 途中のコール&レスポンスが醍醐味のラストソングでもある。
「ちょっと疲れちゃった? 大丈夫かい? まだまだ行けるかい?」──STEVIE
「ありがとう。また集まってくれるよね。 we are 44MAGNUM!」──PAUL
“マグナム節”全開の演奏を終え、メンバーはオーディエンスに応えながらステージを去った。そして、アンコールはJIMMYのギターソロからスタート。卓越したプレイとエモーショナルなフレーズ、時節インプロを交えたスリリングなギターソロは攻撃的であり叙情的でありしなやか…それはギタリストJIMMYの無二のスタイルと言えよう。
JIMMYの合図でJOEのツーバスリズムから「Take Me To Your Heart」が演奏され、アンコールが終了したものの、即座にオーディエンスに応えてダブルアンコールへ。
「オレ達が生きている限り、44MAGNUMするから、もっともっと盛り上がっていこうぜ! 40周年…44周年といわず、50周年まで頑張ろうぜ! 50周年だと何歳だ? 大丈夫(笑)?」──STEVIE
アルバム『DANGER』の代表曲「Your Heart」から雷のSEが会場に鳴り響き、2ndアルバムのタイトルチューン「STREET ROCK’N ROLLER」で40周年はついに完結した。フィナーレ、そして新たな幕開け。44MAGNUMというバンドに“終わり”という言葉は存在しないということを改めて証明したライブとなった。
撮影◎土田紘
■<40th Anniversary FINAL TOUR – ANOTHER BEGINNING –>2024年4月4日@渋谷 PLEASURE PLEASURE セットリスト
01. The Wild Beast
02. I'm on Fire
-MC-
03. IN THE END
04. TRUTH AND FALSEHOOD
05. GREED
-MC-
06. THIS TIME
07. UNDER MY SKIN
08. I JUST CAN'T TAKE ANYMORE
-MC-
09. She's So Crazy,Make Me Crazy
10. TOO LATE TO HIDE
11. Satisfaction
-encore-
en1. SAD WINGS -JIMMY SOLO-
en2. Take Me To Your Heart
-W encore-
en3. Your Heart
en4. STREET ROCK'N ROLLER
■<44MAGNUM CIRCUIT GIG 2024>
7月20日 埼玉・西川口 Live House Hearts
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