【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.5（本人歌唱指導付き）木村徹二、はやぶさ、大江裕、原田波人、戸子台ふみや

世代を超えて愛される「うた」がある。歌唱したい「うた」がある。

BARKSが2023年11月からスタートした連載企画「いま、聴きたい演歌・歌謡曲（本人歌唱指導付き）」。この企画のために撮影された「本人による歌唱指導動画」などとともに、続々と新作がリリースされている演歌・歌謡曲シーンから注目の作品を毎月紹介するコーナーだ。

今にも誕生しようとしている新たなスターやヒット曲にいち早く接し、自分の“推し歌手"を見つけよう。

◆本人による歌唱アドバイス 動画

第5回目は、「第65回日本レコード大賞」新人賞を受賞し勢いに乗る木村徹二、令和のムード歌謡をテーマに活躍中のはやぶさ、新曲は日本三大美祭“高山祭”をテーマにした大江裕、TikTok世代も惹きつける期待のシンガー原田波人、2020年のデビュー以来NHK『BS 日本のうた』に6度出場している戸子台ふみやの新作等を、日本クラウン協力のもと紹介する。

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■サビのメロディも秀逸。兄・木村竜蔵書き下ろしの男っぽい演歌
■木村徹二「みだれ咲き」



2023年末に「第65回日本レコード大賞」新人賞を獲得した演歌界のサラブレッド、木村徹二。期待集中の新曲は兄・木村竜蔵書き下ろしの男っぽい演歌。三味線などの和楽器を活かしたサウンドの中、ガツンとくるアイアンボイスを響かせる。不透明で先が見えない時代の中、派手に咲いて今この瞬間を生きていこうと歌うメッセージもジャンルを超えて刺さってくる。

「二代目」は鳥羽一郎の息子である自身の心境をストレートに歌った曲だったが、今作ではその血を継ぐ骨っぽく説得力のあるボーカルを響かせているのが頼もしい限り。サビのメロディも秀逸だ。カップリング「最後の酒」はサックスが印象的なムード歌謡。伯父の山川豊に通じる世界観となった。

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■刹那の恋を情感たっぷりに歌いあげる
■大江裕「高山の女よ」



2024年2月に故郷の岸和田で独立後、初となるデビュー15周年コンサートを開催し、かつての師匠で尊敬する北島三郎の「まつり」など、カバーも披露した大江裕。15周年の三部作締めくくりとなる新曲は日本三大美祭“高山祭”がテーマ。旅先で出会った女性との刹那の恋を情感たっぷりに歌いあげている。笛や鼓の音を取り入れたサウンドもお祭りや飛騨高山の情景を浮かび上がらせ、桜咲く豪華絢爛な春の高山祭の風景が盛り込まれたMVも見どころだ。

カップリング「ゆたかの感謝節」はかねてから要望があったオリジナルの音頭作品。“師匠ゆずりの 節回し”という歌詞も登場する。

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■巨匠・鶴岡雅義が書き下ろしたムーディーなナンバー
■はやぶさ「赤坂レイニー・ナイト」



令和のムード歌謡をテーマに活躍中のヒカル、ヤマトから成る2人組。新曲は前作『外苑西通り』に続いて巨匠・鶴岡雅義が書き下ろしたムーディーでしっとりしたナンバー。タイトル通り、雨に濡れた赤坂の街角とネオンの灯りが浮かび上がってくる。ハイトーンのヒカルとハスキーボイスのヤマトの声質の違いを活かした楽曲でもあり、ヒカル曰くサビの“雨　雨　雨よ”が歌唱ポイント。赤と黒のヴィヴィッドなスーツで歌うMVには鶴岡氏もギターで参加している。

カップリング「しばらく東京離れます」はルンバ系ムード歌謡。トランペットがフィーチャリングされた「夜霧のムーンライト」は赤レンガ倉庫や観覧車という歌詞が横浜の夜景を思わせる。

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■初の演歌に挑戦。サビの甘く伸びやかな声に注目
■原田波人「万燈籠」



“純度120%の歌声”を掲げてデビューし、現在21才。Z世代の歌手として注目を集めている原田波人。つんく♂がプロデュース を手がけた前作「純情ホトトギス」ではユニークな歌詞とチャーミングなダンスで魅了したが、新作では初の演歌に挑戦。前作とはガラリと作風が変わり、愛する人を失った女性の心理を切々と歌っている。ジュリーこと沢田研二を彷彿とさせる歌声が昭和世代にも支持されているとのことだが、サビの甘く伸びやかな声に“確かに！”と納得させられる。カップリング「海風塔」はシンガーソングライター木村竜蔵作曲だ。

ニックネームは“ぽぽ”。波人という名前は“はと”とも読めるということで、高校時代に友達がつけてくれた本人お気に入りの愛称だという。公式YouTubeチャンネルでも定期配信中で、TikTok世代も惹きつける期待のシンガーだ。

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■初めて女性目線の曲にチャレンジ
■戸子台ふみや「晩秋本線」



2020年のデビュー以来、NHK『BS 日本のうた』に6度の出場を果たした戸子台ふみやの4枚目のシングルはドラマティックでしっとりしたバラード。デビュー当時に自身で考案したキャッチフレーズは“見た目はおじさん、中身は大学生”だが、現在は“見た目はおじさん　中身は子供”と売り文句を進化（？）させている。

親しみやすいキャラを一変させるのが、その歌声だ。新曲でも初めて女性目線の曲にチャレンジしたとは思えない実力を発揮。愛を胸に電車に乗って北へ北へと移ろっていく女性の心理を細やかに表現している。カップリング「真道」はうってかわって男性の誇れる生き様に今も昔もないと歌う直球の演歌。2曲で異なる持ち味が楽しめる。

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文◎山本葉月






※本企画の掲載日は諸事情により変更となる可能性もございます。