【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.3（本人歌唱指導付き）三山ひろし、木村徹二、山川豊、美川憲一、大江裕

世代を超えて愛される「うた」がある。歌唱したい「うた」がある。

BARKSが2023年11月からスタートした連載企画「いま、聴きたい演歌・歌謡曲（本人歌唱指導付き）」。この企画のために撮影された「本人による歌唱指導動画」などとともに、続々と新作がリリースされている演歌・歌謡曲シーンから注目の作品を毎月第一金曜日に紹介するコーナーだ。

今にも誕生しようとしている新たなスターやヒット曲にいち早く接し、自分の“推し歌手”を見つけよう。

◆本人による歌唱アドバイス 動画

第3回目は、『第65回日本レコード大賞』新人賞受賞の木村徹二、9年連続で『NHK紅白歌合戦』へ出場した三山ひろし、デビュー42年目の新作で新境地にチャレンジした山川豊、デビュー60周年のアニバーサリーイヤーを迎える美川憲一、40キロの減量に成功し話題となった大江裕の新作等を、日本クラウン協力のもと紹介する。

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■紅白でも披露した15周年の新曲第一弾
■三山ひろし「どんこ坂」



9年連続で『NHK紅白歌合戦』へ出場。年末には＜三山ひろしスペシャルコンサート2023～挑戦！ひとり大忠臣蔵～＞を東京・明治座で行い、「忠臣蔵」を題材に三波春夫の楽曲を歌い、芝居や殺陣も披露した。

「どんこ坂」は紅白でも披露した15周年の新曲第一弾。“どんこ坂”とは実在の坂ではなく、「どっこいしょ」や「鈍行列車」からイメージした想像上の坂。運命で結ばれた“あなた”と一緒に苦労も幸せも分かち合っていきたいという想いを力強く歌い上げている。カップリング「みちのく港町」は愛した人への後悔を断ち切れずに東北の港町に向かった男性の失恋ソング。両曲とも正統派演歌で勝負を賭ける。なお、三山ひろしが情念の世界に初挑戦した新曲「恋…情念」が1月10日にリリース予定となっている。1月1日より先行配信もスタートしているのでこちらも是非チェックしたい。

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■『第65回日本レコード大賞』新人賞受賞
■木村徹二「二代目」



鳥羽一郎の次男。叔父は山川豊という演歌サラブレッド家系で育ち、2022年11月にデビュー。「二代目」のMVが演歌の新人歌手としては異例の100万回再生を突破し、『第65回日本レコード大賞』で新人賞を受賞した。兄、木村竜蔵とポップデュオ「竜徹日記」としても活動。キャッチコピーは“ガツンと響く！アイアンボイス!!”。

「二代目」は木村徹二のデビューシングル。鳥羽一郎の息子として二代目を継いだ心意気を歌った直球のナンバーで書き下ろしたのは兄の竜蔵。突き抜ける歌声は男っぽさだけでなく爽やかさも兼ね備えている。カップリング「つむじ風」は向かい風が吹く中でも“俺の人生 生きてやる”と宣言する曲。なお、木村徹二の新曲「みだれ咲き」が2月28日にリリースが決まっており、2024年の活躍に早くも期待が集まる。

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■デビュー42年目の新作で新境地にチャレンジ
■山川豊「人生苦労坂」



兄は鳥羽一郎で1981年のデビュー曲「函館本線」がヒット。ソフトで洗練されたボーカルが魅力で1988年の「アメリカ橋」が話題となり“アメリカ3部作”をリリースした。コロナ禍に独立を決意し、デビュー42年目の新作では“北島節”を取り入れるなど新境地にチャレンジした。

クラウン移籍第一弾シングルは原譲二こと北島三郎の作詞、作曲による男っぽい演歌。イントロのエレキギターは北島が山川のイメージに合うと提案したもの。「人生苦労坂」というタイトル通り、坂道を登ったと思っても新たな試練がやってくる人生を歌い、険しい道のりを進む背中を押す応援歌となった。カップリング「ふるさとは港町」は山川自身の作曲による郷愁を誘うマイナー調のナンバー。

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■二人の母に育てられた美川の人生を落とし込んだ楽曲
■美川憲一「ふたつの愛」



1972年リリースの「さそり座の女」が大ヒット。以来、歌手としてもバラエティ番組で活躍する個性派タレントとしても不動の地位を築く。紅白の小林幸子VS美川憲一と形容された派手な衣装も記憶に新しい。2024年はデビュー60周年のアニバーサリーイヤー。

ライフワークであるシャンソンの要素が盛り込まれた「ふたつの愛」は生みの親と育ての親、二人の母に育てられた美川の人生そのものを落とし込んだ曲。生きる支えとなった大きな愛を伸びやかに存在感たっぷりのボーカルで歌いあげている。作詞、作曲は木村徹二の兄である木村竜蔵。カップリングは美川には珍しく男性が主人公。フォークソングに通じる素朴な歌詞とメロディが染みてくる。

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■初の浴衣姿で歌い上げる失恋歌
■大江裕「城崎しぐれ月」



『さんまのスーパーからくり T V』への出演がキッカケで子供の頃から神様と尊敬していた北島三郎に出会い、2009 年に「のろま大将」でデビュー。レイザーラモンRGとコラボ歌唱する動画を公開するなどバラエティ番組でも活躍。2023年には40キロの減量に成功した。

「城崎しぐれ月」の舞台は兵庫県を代表する「城崎温泉」。情景が浮かび上がる失恋歌で、細やかな歌の表現が印象的だ。“川端柳”という歌詞が出てくるが、MVのロケ地も柳の木が風情を醸し出す城崎温泉。初の浴衣姿が新鮮だ。カップリングは愛する人への感謝を込めたバラードでコンサートのエンディングを飾るナンバー。演歌からポップスまで歌いこなす幅広さが2曲だけでも伝わる1枚となっている。なお、大江裕の日本三大美祭「高山祭」をテーマにした新曲「高山の女よ」が2月14日にリリース予定となっているので、こちらも聴ける日が楽しみだ。

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文◎山本葉月






※本企画の掲載日は諸事情により変更となる可能性もございます。