【インタビュー】宮﨑 薫、4年ぶりのEPやASKA&デイヴィッド・フォスターとの共演を語る「すごく変化があった1年」
2023年3月に開催された<ASKA&DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023>のステージにゲストヴォーカルとして登場し、セリーヌ・ディオンの「To Love You More」を圧倒的な歌唱力とスケール感で歌い、客席を驚愕させた宮﨑薫。今年も恒例のクリスマスソングとして新曲「Winter Dream」、さらに前作から4年ぶりとなるニューEP『Beautiful』をリリースした彼女に、デイヴィッド・フォスターや父親であるASKAと共演したこと、そして今回の新作と、12月16日にCOTTON CLUBで開催するクリスマスライブなどについて、いろいろ話を聞いた。
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■デイヴィッドのピアノに合わせてセリーヌを歌う日が来るなんて
── 2023年の音楽活動においての最大のトピックと言えば、<ASKA&DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023>にゲストヴォーカルとして出演されて、セリーヌ・ディオンの「To Love You More」を歌ったことだと思います。改めて、あのステージを振り返ってみていかがですか?
宮﨑薫:本当に夢のようでした。小さい頃からデイヴィッドの音楽も聴いていて、<DAVID FOSTER & FRIENDS>のコンサートにも行ったことがありますし。セリーヌ・ディオンも聴いてきたので、まさかデイヴィッドのピアノに合わせてセリーヌを歌う日が来るなんてと思うと同時に、あんなに大きな会場(ぴあアリーナMM)で歌った経験がなかったので、本当に夢のようというか。緊張と興奮、いろんな感情で記憶がちょっとない部分があったりします。
── 客席からはとても堂々として歌っているディーヴァに見えたので、意外です。
宮﨑:あがり症なのでステージに出る直前まで震えていて、体も冷たくなってましたし。出た後もふわふわしてるような感覚で、地に足がついてなくて、どこかに飛んで行っちゃいそうなぐらいでした。
── 今までやってきたライブの感覚とは── 。
宮﨑:違いましたね。特別な緊張感の中にいました。
── このステージの後は、ASKAさんのツアー<ASKA Premium Concert Tour -Wonderful World- 2023>のコンサートにも出演されていましたね。
宮﨑:ツアーの数カ所に出させていただいたので、グランドファイナル(東京国際フォーラム ホールA)の時は少しリラックスした状態で出ることができました。
── 親子でありながら、こうしてアーティストとして同じステージに立つという経験をされてみて、どうでしたか?
宮﨑:ちょっと不思議な感じですね、同じステージに立つというのは。父親でもあり、アーティストとしても見ているので。
── 両方の立場を持つ存在なのですか?
宮﨑:はい、小さい頃からそうでした。父親でありながら、みんなの前に立っている姿を見てきたので“みんなの人なんだ”という感覚もありました。今でもそれは変わってないです。
── 衣装と言えば、この日の衣装やデイヴィッドと共演した時の真紅のドレス、「Karma」のMVで着ていたドレスも含め、イブニングドレスを着用されてることが多いですよね?
宮﨑:スタイリストさんに入ってもらうとそうなるんです。普段ドレッシーな格好はしないので自分では選ばないですね。家にいる時間が多い時は上下ジャージで、今日は洋服を着てるので、マシなほうです(笑)。
── えっ…ジャージを着ているイメージがまったく沸かないんですけど(苦笑)。
宮﨑:よく言われるんですけど(微笑)、出不精なので普段は本当にジャージ姿です。スタイリストさんが選んでくれた衣装が、割とパキッとした色やお腹にスリットが入ったりしているものが多くて。私から「こういうドレスを着たいです」ということはまずないんです。「選んでもらったし、せっかくだからこれをトライしてみよう」ということで着ていますね。
── ということは、ドレッシーな衣装を着ている時の宮﨑さんはかなりのおめかしモードであるという解釈でいいですか?
宮﨑:そうです。増し増しで、ちょっと無理して着てます(笑)。普段の私からすると。
──では、ここからは作品について聞いていきたいと思います。発売されたばかりのクリスマスソング「Winter Dream」ですが、そもそもこうしてクリスマスソングを出すのが恒例になったきっかけは?
宮﨑:2019年に初めて「Feel Like It’s Christmas」を作って、今回で4作目なんですが、2019年には『The Light』というEP盤も作って、それを引っ提げてクリスマスライブをやったんです。ただ、その次の年からコロナ禍になってしまって活動ができなくなり、それで、鬱々とした毎日を過ごすよりも何かを届けたいなと思って、今年もクリスマスソングをリリースしようと計画して、各々リモートでレコーディングをして。私も1人でヴォーカルをレコーディングしてから自分で編集をして「Very Merry Christmas」をリリースしたら、「届けてくれて嬉しかった」というリアクションをたくさん頂けたんです。そうしたら、翌年から「今年もクリスマスソングは出ますか?」と期待して待ってくれてる方々の声が届いてくるようになって。私自身も街中がイルミネーションに包まれて、なんとなくみんなが年末で忙しい中、「会おうよ」ってなったりする雰囲気もすごく好きなんです。なので、 “年末には宮﨑薫のクリスマスソング”、“宮﨑薫のワンマンライブ”というのがみんなの中で定番化してくれたら嬉しいなという思いから、毎年やるようになりました。
── 最新作「Winter Dream」のテーマは?
宮﨑:クリスマスって、なんとなくみんなが世の中の平和を祈って、そうやって誰かを思う気持ちが温かい空気を作っていると思うので、それがずっと続けばいいのになという気持ちと、私が好きなクリスマスの景色について書きました。
── 歌詞に出てくるからジャケットはスノードームに?
宮﨑:そうですね。
── ライブのグッズにもあるんですよね?
宮﨑:ないです。作れたらいいですよね。誰かスポンサーさんを…(笑)。私ももちろん考えたんですけど、「かさばるな」「割れたらどうしよう」「そもそもロットが」「部屋が在庫だらけになったら困るな」とか(笑)、そんなことが先行しちゃって作れませんでした。
── フリーでひとりでやってらっしゃるから、そこは現実的なのですね。あともう1つ。歌詞の中に「Wham!の歌が流れてる」とありますが、「Last Christmas」世代ではないですよね?
宮﨑:完全に後追いですけど、クリスマスソングのスタンダードとして私たち世代にも染み付いてます。マライヤ(・キャリー)は1つ目のクリスマスソング(「Feel Like It's Christmas」)に入れ込んだので、今回はWham!にしました。実は、YouTubeチャンネルを開設した時、初めて上げたのがWham!の「Last Christmas」のカヴァー動画だったんですよ。そういう経緯もあって、自分はクリスマスに縁があるんだなと思っています。
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