【インタビュー】ザ・ワイナリー・ドッグス、リッチー・コッツェンが来日直前に語る「このバンドの場合は3人とも主役なんだ」
■セットリストは確実に進化している
■各曲に新たな生命が宿っているからね
──さて、日本公演について。今回のツアーは当然ながら『III』の発売に伴うワールド・ツアーの一環としてのものとなるわけですが、どんなショウを期待していたらいいでしょうか?
リッチー・コッツェン:俺が学んできたのは、少なくともこのバンドで俺たちにやれるベストなことは、ショウを届けること以外にはないってこと。ブラジルでもハンガリーでもドイツでもアメリカでも、100%ベストなショウをやってきたという自負があるし、それと同じように、この年間を通じて自分たちが情熱を注いできたのと同じものを、そこがどこであろうと届けたい。日本についてももちろん同じことだ。俺たちは完全にベストなショウを届けられる状態にあるし、だからこそ日本のみんなには何ひとつ見逃して欲しくない。他の国の人たちが聴いてきたものを日本のファンが聴けなかった、なんてことには絶対にしたくない。だから俺たちは、基本的にはこれまで各国で繰り返しやってきたのと同じショウをやるだろう。ただ、言っておきたいのは、セットリストは確実に進化しているということ。ツアーの序盤の頃には、どうもしっくりこない部分というのもなくはなかった。でも、それはすでに解消されているし、さっきも言ったように各曲に新たな生命が宿っているからね。
──日本滞在中は連夜のライヴであまり自由時間がないのかもしれませんが、空き時間にやりたいこと、楽しみにしていることは何かありますか?
リッチー・コッツェン:今回は俺にとって、とてもスペシャルな旅になる。というのも妻のジュリアを連れて行くからね。彼女はブラジル人なんだけど、これまで日本に行ったことがないんだよ。もちろん俺は何度も行っているけどね。今回も数日間はオフがあるから、それを利用してどこかに行けることを楽しみにしているんだ。日本のツアー・マネージャーがどこかいいところを教えてくれて、素敵な時間を過ごせることを願っているよ。
──以前、パンデミックのためにあなたのソロ・ツアーが中止になってしまったのは非常に残念なことでしたが、今回こうして、オーディエンスも堂々と声を出して大騒ぎ出来る状況が整った中でザ・ワイナリー・ドッグスを迎えられることを嬉しく思います。
リッチー・コッツェン:俺自身にとって日本に行くのは久しぶりのことだし、しかもザ・ワイナリー・ドッグスで行けるというのは素晴らしいことだよ。ビリーとマイクは素晴らしいからね。いい雰囲気で、良質な興奮を巻き起こすことになるはずだ。ビリーは少し前にMR.BIGのツアーで日本に行き、素晴らしい時間を過ごしてきた。その彼がこんなにも早く日本に帰還を果たすことをみんな喜んでくれるだろうし、ファンにとっては、また違う角度からビリーを見ることが出来るチャンスでもあるはずだ。このバンドでは、ビリーと俺は共にヴォーカルをとっているし、掛け合い的なプレイもやっている。MR. BIGのファンにとっても、俺のことをソロ時代から観てくれているファンにとっても楽しめるライヴになるはずだ。
しかも最近、マイクがドリーム・シアターに復帰することが発表されただろう? それが今回のライヴに、ある種のスペシャルなオーラをまとわせている。こうなってくると、現実的に、日本のオーディエンスにとって次にザ・ワイナリー・ドッグスのライヴを観られる機会が、どれくらい先のことになるのかがわからなくなってきたよね。そういう意味でも今回のツアーはとても重要だと思うし、俺たちにとってもファンにとっても、間違いなくエキサイティングなものになるはずだ。
──冒頭で、日本が今回のワールド・ツアーの最終地点になるとの発言がありましたが、2024年はどんな活動展開になりそうですか?
リッチー・コッツェン:もちろん、ザ・ワイナリー・ドッグスの活動はしばらく止まることになる。なにしろマイクが元々いた場所に戻ったんだからね。俺もビリーもそのことを支持しているし、すごく興奮しているよ。ドリーム・シアターは、あのカテゴリーにおいて信じられないほど重要なバンドだし、彼はそのバンドの創設者でもあるわけで、これはただただ素晴らしいことだ。彼にもそこでのさまざまな予定があるはずだし、ビリーについてもそれは同じことだ。そして俺も、まだ具体的なスケジュールは公表できないけど、ソロとしての活動予定がいろいろと決まりつつあるよ。エイドリアン・スミスと一緒にSMITH / KOTZENの新作アルバムに向けての曲作りも始まるしね。だから2024年は、とても忙しくなる。そしてもちろん、この3人は交流を続けていく。ザ・ワイナリー・ドッグスというのは、みんなの体が空くようになったらまた一緒にライヴをやる、というスタンスのバンドなんだ。そういった現実すべてを、ポジティヴに受け止めているのさ。
俺たちの動きをずっと追い続けてきてくれたファンにはとても感謝しているし、ザ・ワイナリー・ドッグスをまだ観たことがない人たちにも、この機会に是非ライヴに足を運んでみて欲しい。それがみんなにとってエキサイティングな体験になることを願っているよ。何故なら俺自身にとっても、このバンドにとっても、日本でライヴ・パフォーマンスをするというのは、とてもポジティヴな機会だと思っているからだ。
取材・文◎増田勇一
撮影◎Travis Shinn
■<THE WINERY DOGS JAPAN TOUR 2023>
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11月20日(月) 大阪・Zepp Namba
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11月21日(火) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
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11月22日(水) 愛知・名古屋ボトムライン
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11月24日(金) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
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