【速レポ】モンパチフェス<WWW!!23>、TETORA「モンパチ、存在してくれてありがとうございます」

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3日間通して、モンパチに対する共鳴や憧れなど、出演者の多くが広義のモンパチ愛を語ったが、ステージ上で表現したモンパチ愛の大きさは、大阪ロックバンドを掲げる3人組、TETORAが一番だったんじゃないかと今、これを書いている時点で筆者は少なくともそう信じているから、とりあえずここではそう断言しておきたい。

◆ライブ写真

「私が世界で一番好きな歌声はモンパチのキヨサクさんの歌声です。(それには及ばないかもしれないけれど、という思いを込め)TETORAはTETORAなりに最強の歌を唄っていきます!」──上野羽有音(Vo, G)


上野がそう宣言してから、いのり(B)が奏でるリフから演奏になだれ込んだ1曲目は、MONGOL800のトリビュートアルバム『800TIRIBUTE -champloo is the BEST!!2-』にTETORAが提供した「People People」。いくらモンパチが好きだからって、いきなりカバーから始めるなんて、どんだけモンパチのことが好きなんだと心の中で突っ込まずにいられなかったが、絶妙にテンポを落として、オルタナロック風のけだるさを曲に加えながら、ステージの3人はTETORAならではと言える個性もしっかりとアピールしていく。中でも上野のハスキーな歌声は、まさに唯一無二という表現がふさわしい。TETORAのシグネチャーと言ってもいい歌声を振り絞るように歌う上野の熱演に客席から歓声が上がる。もしかしたら、この歌声さえあれば、カバーを演奏しても曲に飲まれることはないという自信があったのかも⁉ でなきゃ、「最強の歌を唄っていきます!」とは言えないだろうと思ったりも。

「初めて<What a Wonderful World!!>に呼んでもらいました。モンパチ、存在してくれてありがとうございます。沖縄でしかできないライブをやっていきます!」と上野が再び宣言。「もう立派な大人」「言葉のレントゲン」とTETORAのパンクロックと言えるアップテンポの2曲を、ミユキ(Dr)のエネルギッシュなドラムが演奏に熱を加えながらたたみけるように繋げたところで大きな手応えを感じたのか、上野が快哉を叫ぶ。

「沖縄最高! 海の匂い、外の空気、青空。完璧に揃ってる!」──上野羽有音


前述の2曲から一転、テンポを落とした「告白」は、裏打ちになるギターのカッティングをはじめ、途中からリズムが跳ねるTETORAのレゲエナンバー。「モンパチのことが大好きだから、言い出したらキリがないから言わないけど」と言いながら、モンパチ愛を語り出したら止まらない上野のMCも聴きどころだ。

「サンタさんに手紙を書いて、初めてクリスマスに欲しいものを貰ったのがモンパチのCDです。モンパチ25周年おめでとうございます。いや、(25年続けてくれて)ありがとうございます!」──上野羽有音

再びTETORAのパンクロックと言えるアップテンポの「バカ」「嘘ばっかり」を、「大阪からこれがTETORAだ!」(上野)とさらに奔放な演奏でぶちかましてから、バラードの「今日くらいは」を繋げるというアップダウンの激しい展開が心憎い。


「バンドを組んだとき、20代でやりたいことを書きだしました。書き出してからTETORAを組みました。対バンしたいバンドや出たいフェスも書き出したんですけど、19歳の時からWhat a Wonderful World!!に出たいと書いていました。その頃からずっとずっとやってきた曲です」──上野羽有音

上野がそう紹介した、その「今日くらいは」を上野は弾き語りから始めたのだが、バンドインする直前、モンパチの「小さな恋のうた」のサビのパンチラインを歌いこむ。

そして、ラップに近いリズミカルな歌を、即興で沖縄に因んだ言葉を次々に加えながら、沖縄でしかできないものに変えると、“あともうちょっとだけ、ほんの少しだけでいいから”というオリジナルの歌詞に続けて、“TETORAに気づけよ!”と付け加え、モンパチ愛を表現するためにだけ、ここに来たんじゃないということを訴えかけたのだった。


言葉を重ねながら、投げやりにも思える中にコケティッシュな魅力が滲み始める上野の歌を聴きながら、その歌声が唯一無二であることを今一度実感する。

「大阪心斎橋からTETORA!」──上野羽有音

モンパチ愛とともに沖縄が大好きと言いながら、出自に対する誇りを忘れることは決してなかった。40分の熱演を締めくくったのは、8ビートのロックナンバー「わざわざ」だ。

「わざわざライブを観に来てくれてありがとう。TETORAのライブが(みなさんの脳裏に)こびりつきますように」──上野羽有音


そう観客に語りかけた上野は「次はライブハウスで待ってるから。そしてまたWhat a Wonderful World!!で会いましょう!」とここに戻ってくることを誓ったのだった。

文◎山口智男
写真◎macoty

セットリスト

1. People People
2. もう立派な大人
3. 言葉のレントゲン
4. 告白
5. バカ
6. 嘘ばっかり
7. 今日くらいは
8. わざわざ

<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23>





11月3日 DAY1
MONGOL800/04 Limited Sazabys/赤犬/かりゆし 58/きゃりーぱみゅぱみゅ/サンボマスター/湘南乃風/DIAMANTES/真志喜中学校軽音楽部/LOUD SPEAKER(普天間高校軽音楽部)
道ジュネー:新城青年会
11月4日 DAY2
MONGOL800/Creepy Nuts/D-51/TETORA/ハルカミライ/FOMARE/RIP SLYME/ROTTENGRAFFTY/WWW!! special session The BK Sound presents -Good Vibes Only
道ジュネー:江洲青年会
11月5日 DAY3
MONGOL800/ORANGE RANGE/KICK THE CAN CREW/島バナナーズ/DOBERMAN/HUSKING BEE/HEY-SMITH/WANIMA/WWW!! special session 島袋優(BEGIN)presents -Okinawa moon
道ジュネー:栄口青年会

2023年11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
*雨天決行/荒天中止
@沖縄県 宜野湾マリーナ・トロピカルビーチ特設会場(901-2224 宜野湾市真志喜 4-2-1)
開場11:00 開演13:00
各1日券【前売】一般 9,900 円(税込)|中高生 4,000 円(税込)
2日通し券【前売】一般 18,000円(税込)※11/3・4、4・5 券の2種
3日通し券【前売】一般 27,000円(税込)
※小学生以下はチケットをお持ちの保護者1名様につき、1名まで入場無料
※中高生チケットは1日券のみ、一般発売からの販売
[問]PM AGENCY
TEL:098-898-1331(平日 11:00-15:00)https://www.pmnet.co.jp
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