【インタビュー】tetsuya (L'Arc-en-Ciel)、新ブランド始動「STELLA GEARはESPよりも上位ランクです(笑)」
L'Arc-en-Cielのtetsuyaが本日10月3日、新ブランド“STELLA GEAR”を始動した。同ブランドでは、これまでESPやEdwards名義でリリースされていた既存のtetsuyaシグネチャーモデルの受注を開始することはもとより、今後、ベースのみならず、新たなアイテムも発表されることがアナウンスされている。
◆TETSUYA (L'Arc-en-Ciel) 画像
その第一弾がGLAMBELLY GUITARだ。これは、tetsuyaシグネチャーモデルのGLAMBELLYシリーズより、ペインターのkurry氏がグラフィックデザインしたGLAMBELLY GOOD VIBESが、ギターに再現されるというもの。
斬新なアイディアと最新鋭の技術力の融合によるプロダクツは、永年培ってきた経験に裏打ちされて一朝一夕に成し得るものではない。BARKSでは新ブランドSTELLA GEAR立ち上げの経緯、ESPとの永く深い関係性、GLAMBELLY GUITARのこだわりポイント、そして今後について、ESP専務取締役の原田氏を交えつつ話を訊いた。
◆ ◆ ◆
■ギターやベースだけじゃなくて
■エフェクターとかもやっていきます
──新ブランド“STELLA GEAR”のお話をうかがう前に、まずはtetsuyaさんが2019年に立ち上げたファッションブランド“STEALTH STELL'A”からお訊きしたいのですが、立ち上げの経緯を教えていただけますか。
tetsuya:もともと洋服が大好きで、アパレルをやっている友達からも、僕がSTEALTH STELL'Aを立ち上げたときに、「やっと始めたんだ」って言われました。STEALTH STELL'Aを始めたのは、いろいろな人との縁とかタイミングですね。
──いつ頃からファッションに興味を持つようになられたのでしょう?
tetsuya:子供の頃から、自分が持つものや身につけるものにはこだわりがありましたね。子供の頃は母親が洋服とか身の周りの持ち物を買ってくるじゃないですか。それが嫌で(笑)、自分で選びたいという。そういう子供でした。
──特に惹かれる服や持ち物などの系統ってありますか?
tetsuya:かわいくて、ちょっとクセのあるもの。ポップというかキャッチーなものが基本的に好きですね。だから、小学生の頃はちょっとした僕の小物…たとえばペンケースとかシャーペン、消しゴムやノートといったものがかわいいので、女子受けが良かったです(笑)。「かわいい! これ、どこで買ったの?」みたいな感じで、今で言う“映えるもの”を持っていたと思います。
──子供の頃から好きなものが、はっきりしていたんですね。
tetsuya:自分の中の基準があって、ぱっと見て“これいい!かわいい!”と思うと欲しくなってしまう。それは今でも変わらないです。
──tetsuyaさんの友達がおっしゃるように、STEALTH STELL'Aを立ち上げられたのは必然だったことを感じます。STELLA GEARのコンセプトを重視した今回の写真の仕上がりも素晴らしいですし、ブランドというものに対するtetsuyaさんの意識の高さを感じました。では、STEALTH STELL'Aは特にこういう人にお薦めというものを挙げるとしたら?
tetsuya:やっぱり洋服が好きな人に着てほしいですね。僕は本当に洋服が好きで、普段からいっぱい買っているので、ある意味、そこで勉強しているというか。作りとか、その時々のトレンドを自然に学んでいて、STEALTH STELL'Aでは自分なりにそれを反映した服作りをやっているんです。
──ファッションに精通している人でなければトレンドの採り入れ方が分からなかったりしますから、さすがです。では続いて、今年10月3日に始動するSTELLA GEARについて訊かせてください。この新ブランドは、これまでtetsuyaさんがESPと共同開発されてきたシグネチャーモデルもラインナップされると聞きました。
tetsuya:実は、ESPとは結構前からこの話をしていたんです。もう10年近く前からじゃないかな。ESPでベースやギターを作るときには、“ああしたい、こうしたい”といろいろ話をして、ほぼほぼ自分が望んでいるものができるんですね。ピックアップも回路もオリジナルで、全部自分の思いどおりのものが作れる。でも、“ESP”という名前だけは変えられないんです。
──そうですね。
tetsuya:ただ、ロゴは変えてもらっているんです。僕のモデルのESPロゴは、僕とカーク ハメット(G / メタリカ)しか使っていないロゴで、他とは書体が違うんです。ブランド名としてのESPは変えられなかったんですけど、でもだんだん欲が出てきて。ESPじゃないブランドにしたくなったんです。そうすると、もう完全に自分の好みのものになるから。
──シグネチャーモデルを制作する際に毎回深いところまで関わってこられたので、そういう気持ちになられたのかなという気がします。
tetsuya:そう。僕はESPと契約して何年になるのかな。
──1994年に最初のモデルがリリースされましたので、30年近いという。
tetsuya:いや、契約したのは、もっと前だったんです。大阪時代に、シェルドンギターズ(大阪北区のESPショップ)と契約したんですよ。シェルドンギターズとの契約期間はカウントされないんでしたっけ?
ESP原田:シェルドンギターズとの契約は1992年8月ですから、tetsuyaさんとESPのお付き合いは31年を超えました。
tetsuya:30年前のESPと今のESPは全然違うんですよ。この30年でESPのベース……他のベースはわからないけど、僕のモデルに関してはすごく良いものが出来上がってくるようになって。だから、TOYOTAのレクサスみたいなものですよね、STELLA GEARは。いつまでもTOYOTAじゃなくて、これはもうレクサスでいいんじゃないかと。それでSTELLA GEARという別ブランドとして展開したいなと思ったんです。だからSTELLA GEARはESPよりも上位ランクです(笑)。
──始動が待ち遠しいです。自身のブランドを立ち上げるという夢を抱いても、実現すると責任が生まれますよね。それで躊躇するアーティストも多いような気がします。
tetsuya:“STELLA GEAR”と書いてありますけど、これは“はらだ”と読むんです(一同笑)。“HARADAブランド”なので、音に関する責任は全部ESPの原田さん(笑)。
──なるほど(笑)。とはいえ、STEALTH STELL'Aと同じくtetsuyaさんの好みやこだわりが反映されたモデルが、今後も新ラインナップされていくわけですよね。
tetsuya:そう。音とデザインの両方にこだわったモデルをラインナップしていきたいですね。楽器なので音が良いというのは当然ですけど、見た目も同じくらい大事だと思っているので。
──実際tetsuyaさんのシグネチャーモデルはカッコいいものが揃っていますし、グラフィックが施されたGLAMBELLY GOOD VIBESなども魅力的です。
tetsuya:ここ最近、自分が使うモデルにはグラフィックのアーティストの方とのコラボレーションというか、僕が好きなアーティストさんに絵を描いてもらっていますけど、STELLA GEARで今後メインで出すものは、グラフィックはあまりないと思います。オーソドックスなカラーになります。
──そうなんですね。限定モデルなどでグラフィックを活かしたものもリリースしていただきたいですけど。
tetsuya:その時々で、気になるアーティストさんとのコラボはあると思いますが、基本は一般的なカラーバリエーションでいきたいですね。STELLA GEARは、僕のモデルだけを出していくわけではないので。楽器ブランドとしてはギターも売らないと厳しいだろうし、僕のファンではない人にも使ってほしいので、オーソドックスで質の高いものを出していきたいと思っています。
──たとえとして適切かわかりませんが、スポーツカー専門のブランドではなくて、セダンも作るし、SUVも作るというスタイルですね。
tetsuya:理想はそうですね。フルラインナップ。ギターやベースだけじゃなくて、エフェクターとかもやっていきます。
──おおっ! 本気でSTELLA GEARに取り組まれていることを感じます。
tetsuya:いや、まだそこまで本気ではない(笑)。大きく始めて、そこからショボくなっていって、いつの間にかなくなっちゃうのは一番嫌なんですよ。だから、できる範囲で、その時その時にやっていくという形にしたいと思っています。
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