【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.140「ブラインド・チャンネルがドキュメンタリー映像公開と今年末をもって一時活動休止を発表」

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先週爆弾ニュースが飛び込んできた!人気爆発中のメタル界のバックストリート・ボーイズことブラインド・チャンネルが今年末をもって一時活動中止を発表した。その日朝のTV番組にゲスト出演が予定されていたものの、それが活動中止の発表だとは想像すらしていなかったのでかなりびっくりした。


Pic:Joona Mäki

バンドの発表によると「この4年間、俺たちは夢見た以上のことを経験してきた。2枚のスタジオ・アルバムと300回に及ぶ世界各地でのライヴを終え、そろそろロウソクが両端から燃え尽きてしまう前に吹き消す時が来たんだ。2024年末をもって活動を休止することを決めた。いつまでかはわからないが、スポットライトから一歩退いて、将来について考える時が来たんだ。ありがたいことに、ここ数年の狂騒は徹底的に丁寧に記録されている。『アフター・ダーク・サイド』というドキュメンタリー映像作品が12月に公開される。このドキュメンタリーは、バンドの最もワイルドな時代、メンバーの日常生活、浮き沈み、そのすべてを残酷なまでに正直に描いている。その前に、イギリスでの2週間のツアー、そしてもちろん11月から12月にかけてのフィンランド全土を回る特別にレアなクラブ・ツアーで、俺たちのライヴを見ることができる。長年にわたって応援してくれたファンに心から感謝している。なんて旅だったんだろう」

活動休止が発表になった日ヴォーカルの2人ヨエル・ホッカとニコ・モイラネンは数多くの取材を受け、それらをまとめてみると今年の夏の初めメンバー達とドイツのレコード会社の担当、マネージャーが揃ってコテージに集まり今後の予定についての話をしたそうだ。

前作はツアーをしながら同時にロンドンやロスなど国外でもレコーディングしたが、次回のレコーディングはツアー中にはしない提案をバンド側が出したところ、レコード会社の担当から少し活動を休んだらどうかと提案されたそうだ。最初はとまどったメンバー達も、ここ数年のスケジュールを見せられ振り返ってみたところ、これまでの勢いで続けた場合、そのうちどこかでバーンアウトしてそれこそバンド活動が危うくなるかもしれない。それを防ぐためにも今ここで少し休んで充電した後、最高のアルバムが完成次第活動再開するのが今後の為にもベストな判断だと一時活動休止を決めたようだ。

10月15日北アイルランドのベルファストを皮切りにイタリアのゴシックメタルバンド、ラクーナ・コイルのアイルランド&UKツアーのスペシャルゲストでツアー、その後待望のフィンランドのクラブを周るファイナル・エモーションズツアーが予定されている。そのツアーのファイナルを飾るのが12月21日バンドの地元オウル公演だ。

そして12月16日には5部構成のドキュメンタリー映像『アフター・ダーク・サイド』がフィンランドの国営放送YleのサイトYle Areenaで半年間ワールドワイドに公開されることが発表になった。「ダーク・サイド」とは彼らがユーロビジョンのフィンランド代表に選ばれた時の曲名なので、その後が収められたことが想像できる。このYle Areenaは日本からも無料で観ることができる。トレーラー映像も公開になっている。


この自分達のドキュメンタリーを観たニコは、自分がどんなに疲れてたかがわかったとも語っていた。活動休止中に何がやりたいか?と聞かれ、ニコはまずヒゲを生やす(すでに生やしてますが)、狩猟採集民になる、ネコと遊ぶ、普通の日常の生活を送るなどと答えている。ヨエルは2021年にユーロビジョンのフィンランド代表に選ばれてからずっと不眠症が続いていたらしく、まずはちゃんと寝ることができるようにする、食も細くなっていたようで食事をちゃんとできるようにする、春からホテル住まいだったので住まいを見つける、自然の中を散歩するなどと語っている。

2021年「Dark Side」でユーロビジョンのフィンランド代表に選ばれ6位入賞。このフィンランド代表に選ばれた時点で国内で人気が一気に爆発!その昔HIMの人気が爆発した時を思い出すような勢いで現在に至り、確かにこのまま続けてバーンアウトでバンド解散なんてことになるよりは少し休んで戻ってきてくれる方が安心かなと思った。

自らをメタル界のバックストリート・ボーイズと呼ぶ彼ら、最近のライブでもカバーしていた「Everybody (Bloodbros Back) 」をリリースしMVも公開している。


オリジナルと歌詞が少し変わっている部分があるのに気がついたかな?

 Am I emotional?
 Am I the lonely one?
 Am I sick to the bone?
・・・
 Am I unfixable?
 Am I the unholy one?
 Am I miserable?
・・・
 Bloodbros back
・・・
 This violent pop music will be coming back again

活動休止前に今年6月初来日公演実現できてよかったねと思った。俺たちは解散するわけじゃなくて、スポットライトから一時退くだけで、また戻ってくるといっていたのでそれを信じて、まずは12月に公開になるドキュメンタリー映像を観ながら活動再開を待つことにしよう。

ちなみに2000年代前半人気が爆発したフィンランドのラブメタルバンドHIMは8枚のスタジオアルバム発売後2017年に解散。ヴォーカルのヴィッレ・ヴァロは名前の頭文字をとってVVでソロ活動中。この春に終了したワールドツアーではヨーロッパだけでなく北南米に加えオセアニアもツアーしたほどの人気だ。ギタリストのリンデとキーボーディストのバートンはハノイ・ロックスやマイケル・モンローバンドのベーシストでも知られるサミ・ヤッファのソロツアーのバンドメンバーとして今現在も音楽活動を続けている。

文:Hiromi Usenius

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