【速レポ】<中津川ソーラー>10-FEET、第ゼロ感が震える初日大トリ「お前たちのハートに火を点けに来たぜ!」
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023>初日の大トリは、このフェスの常連でもある10-FEET。ライブの始まりを待つオーディエンスは、開演30分以上前から客席エリアの隅から隅まで、身動きするのも難しいぐらい埋め尽くしていた。
◆ライブ写真
20時5分、SEが鳴り響くと同時に掲げられるタオルの数々。照明で浮かび上がったメンバーの姿に歓声が、SEが後半に差し掛かったところで自然にハンドクラップも巻き起こる。
もう、興奮は抑えきれない。そんなオーディエンスに向け、TAKUMAはまず啖呵を切った。
「やれんのか! よっしゃ、やろうか!! ずっと観てたよ。オマエらどうやら…熱いヤツや。絶対についてきそうやけど、置いていくつもりでやるから!」──TAKUMA
TAKUMAがそう言葉を畳みかけて始まったのは「hammer ska」。腕を上げ、曲に食らいつき、全身を激しく揺らすオーディエンス。客席エリア前方ではダイヴも起こり始めた。ヘドバンどころか、上半身を激しく折り畳み、オーディエンス全員をさらに煽りまくるのはNAOKI。そんな勢いのまま曲は「1sec.」へ。サークルモッシュの回り方は激しさを増すばかりで、クラウドサーファーも遠慮なしに次々に飛ぶ。
「ちょ、オマエら、ひとつだけ言わせてくれ。「VIBES BY VIBES」!!」──TAKUMA
注意かMCと思わせておいて、すぐにタイトルコール。本当に置いていくつもりで曲を次に次に叩きつけるようだ。NAOKIの回転ぶりも只者じゃないってぐらいの猛烈ぶり。バスケで例えるなら、相手のディフェンスを突破する選手=ペネトレイターのような動きである。そしてスピードならNo.1はKOUICHIだぴょん。さらに『THE FIRST SLAM DUNK』っぽく書くなら、頭脳的な作詞とアレンジ、電光石火のリフでオーディエンスを圧倒する京都の切り込み隊長=TAKUMA。そんな3人が、まだまだとばかりに熱を注ぎ込み続けるライブが、今、展開されていく。点滅する真っ赤なライトが映し出すその激しい光景は、生命力に溢れた衝動の塊だ。
もちろん激しさばかりが10-FEETの良さではない。グッと染みる歌や勇気づけてくれるメッセージを持った歌が彼らの最大の魅力だろう。そんな曲のひとつが「RIVER」。歌詞の一節をTAKUMAは“木曽川”や“長良川”へと変えて歌う。中津川のある岐阜県民にとって馴染みある川だ。水面や水の流れを見ながら、生き方や将来を考えた経験を持つ方もいるかもしれない。そんな日をみんなに想起させながら、しかし「RIVER」では“中津川でひとつになる”と力強くも歌うTAKUMA。その瞬間、オーディエンス一人ひとりの心から自然に漏れた声。五感の手前にある心や想いや気持ち、つまり“第ゼロ感”が震えていく瞬間でもあった。そして漏れた声はひとつになって、大きな歓声へと昇華。
さらに「RIVER」ではスマホの光でウェーブまでも作り出す。いつもは後ろから前、前から後ろへとウェーブを作るのだが、今日は中津川公園の土手やその向こうまでオーディエンスでいっぱいのため、左から右、右から左へのウェーブに急遽変更。それが「ヤバい、これ!」とメンバーも感動するほどで、まさに“中津川でひとつになる”という壮観な景色だ。
心の熱が何度も最高潮に達しながら、休む暇も与えずに曲を繰り出し続ける10-FEET。ようやくMCを挟み込んだのはライブが後半に差し掛かったときだ。
「イヤなことも怒りも悲しみも後悔も、イヤなままで終わらんように。過去は変えられへんけど、その意味合いは、これからの自分次第で変えていけるやん。根が暗いおかげでバンドに辿り着いた。悪いもんも意味合い変えていけるからさ。それには粘っていかんと。生きてないとあかんしな。続けていかんとあかんしな、日常を。でも、まあ、無理なときもあるしな。そんときはおいでや。ビンタぐらいやったらできるし」──TAKUMA
さらにTAKUMAからの言葉が続いていく中、会場からは拍手も起こり始めた。続く「蜃気楼」では、曲の途中でTAKUMAは「暗いヤツ、どれぐらいおる?」と質問。あちこちから手が挙がるのを見て、TAKUMAは「ありがとう、嬉しいな」と優しい表情も浮かべる。正直に自分をさらけ出してくれたことを喜び、そんなみんなに「蜃気楼」の一節を“最高で、アホで、ロックンロールなオマエたちがいました”と誇らしげに歌うTAKUMAでもあった。
心の通い合うライブ。だが後半から再び激化していく。KOUICHIが刻むヘヴィなリズムの中、NAOKIが叫ぶように煽りを何度も喰らわして突入したのは「第ゼロ感」。ライブのキラーチューンはすでに何曲もある10-FEETだが、「第ゼロ感」は広く知られるヒット曲になったこともあり、ライブにおいても新たな爆発力を持つ。まるでバスケの白熱試合がそこで行なわれているかのように、激しく飛び交うオーディエンス。それを前に全身全霊で音を鳴らし、言葉を叩きつける10-FEET。「オマエたちのハートに火を点けに来たぜ!」と言うことも頼もしいチームキャプテン=TAKUMAである。
またライブの途中、セットリストの曲が終わったとしても、曲を追加して、持ち時間のギリギリまでやることも宣言していた10-FEET。予定だった「ヒトリセカイ」を聴かせた直後、ギターのフィードバックサウンドを響かせながら、ステージで選曲の首脳会談が行なわれた。そしてTAKUMAはオーディエンスに改めて言う。
「オマエら、くれぐれも言っておく。ほんま、ええ加減にせえよ。お前らな…“Ha, ha…Go!”」──TAKUMA
その掛け声で始まるのはもちろん「SHOES」だ。だが忘れちゃいけない。刻々と近づく持ち時間を。途中でリズムのテンポを上げるようにTAKUMAがKOUICHIに指示を出し、それでも間に合わないと踏んだか、NAOKIのベースソロ中には「もうちょっと急がんとヤバイ…」と焦り出す。そのためテンポはどんどん上がり続けて、「SHOES」は高速の疾走ナンバーへと激変するというおもしろさとドキドキっぷり。持ち時間50分のギリギリでエンディングを迎えて、作戦、大成功。重鎮のはずなのに、いつまでも勢いたっぷりで、それでいて含蓄と説得力ある言葉の数々もあれば、若手のような遊びっぷりも忘れない。10-FEET、やっぱどれもが最高過ぎる。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎柴田恵理
■セットリスト
2. 1sec.
3. VIBES BY VIBES
4. RIVER
5. goes on
6. ハローフィクサー
7. 蜃気楼
8. その向こうへ
9. 第ゼロ感
10. ヒトリセカイ
11.SHOES
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2023>
9月23日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月24日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 ※予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
▼出演
【9月23日(土)】androp / BREIMEN / Caravan / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト / いとうせいこう is the poet / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾) / NakamuraEmi / OAU / PLECTRUM / ROCKIN’ QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁) / ROCK’N’ROLL GYPSIES (花田裕之, 下山淳, 池畑潤二, 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし / ヤバイTシャツ屋さん / DUCK HOUSE
【Village Of illusion】ermhoi / Kaoru Inoue / DJ KENTARO / 武藤昭平 with ウエノコウジ / OBRIGARRD / Rei / TOMOYUKI TANAKA (FPM)
【9月24日(土)】シアターブルック w/ 河村隆一 / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue (佐藤タイジ, KenKen, Omar Gaindefall, 津田悠佑, 佐々木俊之, Naoto) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS / 吉川晃司 / 木村カエラ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / STOCKMAN / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 Solar Session / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし
▼チケット
・2日通し入場券 15,900円
・9月23日(土) 入場券 9,800円
・9月24日(日) 入場券 9,800円
【各プレイガイド】
▼イープラス
https://eplus.jp/ntsb23/
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/solarbudokan-23/
Pコード:2日通し入場券:780-841 / 1日入場券:248-631
▼ローチケ
https://l-tike.com/solarbudokan/
Lコード:42780
▼サンデーチケットセンター
https://www.sundayfolk.com/go/ntsb2023/
▼プレイガイドぎふ
https://www.cnplayguide.com/gifu-np/
※キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付
【往復シャトルバス乗車電子チケット】
中津川駅(にぎわい広場)⇆ 会場(中津川公園)
http://solarbudokan.com/2023/access/index.html#sec-4
【フード&フリマ出店】
http://solarbudokan.com/2023/area/shop/
【オフィシャルグッズ】
http://solarbudokan.com/2023/goods/
【公式アプリ】
アーティストの出演日程やタイムテーブルに加え、プレイリストを試聴できるなどの機能を搭載
・iOSアプリ:https://apps.apple.com/us/app/id1466179992
・androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.solarfes
主催:中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会
■“こどもソーラーブドウカン2023”コンテンツ紹介
▲うじキングダム こどもパレード
▲内澤崇仁(androp)
出演:うじきつよし、内澤崇仁(androp)、辻コースケ、伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)…and more
【HY HeartY Village@こどもソーラーブドウカン】
▲HY HeartY Village
※申し込み方法など詳細は後日発表
【ドラムであそぼう】※協力:パール楽器製造株式会社
▲こどもドラム教室
【水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室】※協力:トヨタ自動車株式会社
未来のエネルギー水素の特長を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」の3つのシーンで学び、みんなで実際に水素を作る実験をします。作った水素で燃料電池自動車「MIRAI」の模型を走らせてみよう。
【RAV4で快適キャンプ体験】※協力:トヨタ自動車株式会社 ✕ KEEN
▲伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)
▲NAOTO
出演:伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES) ✕ NAOTO(Violinist)
【みんなで作る「太陽のステージ」】※画家 近藤康平 ✕ 木こりの熊さん 監修
▲木こりの熊さん
【TOYOTA こどもソーラー食堂 BY 伊地知潔】
▲水素で動くFCキッチンカ
【中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ】
▲中津川少年少女合唱団
【Moving eによる「こどもソーラーブドウカン」への電力供給】
▲Moving e
■クラウドファンディング“ソーラーサポートプロジェクト”
▼受付サイト
クラウドファンディングサービス“Fanpla Action”
https://action.fanpla.jp/tsb2023
▼参加受付期間
9月5日(火)19:00~9月30日(土)23:59
※印の下記コースはリターン品発送の都合上、9月13日(水)23:59まで
▼サポートコース一覧
・ソーラーサポーター コース:1,000円(税込)
・エコバッグ コース(※):2,500円(税込)
・もみ殻リユースカップ コース(※):3,000円(税込)
・Tシャツ コース(※):4,500円(税込)
・サイン入りTシャツ コース(※):10,000円(税込)
・バックステージツアー コース(※):10,000円(税込)
・アフタートーク コース(※):10,000円(税込)
▼サイン入りTシャツ参加アーティスト(順不同)
・LOW IQ 01
・a flood of circle
・JUN SKY WALKER(S)
・the band apart
・NONA REEVES
・Omoinotake
・土岐麻子 with 堀込泰行
・Nothing's Carved In Stone
・ストレイテナー
・androp
・佐藤タイジ
関連リンク
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◆<THE SOLAR BUDOKAN 2012>レポート
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