【ライブレポート】渋谷すばる、FC限定ツアー<babu会 vol.2>開幕“誰かのためになりたい”
渋谷すばるが4月16日の東京・Zepp Haneda公演を皮切りに自身3回目となるオフィシャルファンクラブ『Shubabu』会員限定イベントツアー<babu会 vol.2>をスタートさせた。同ツアー初日のオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆渋谷すばる 画像
今回は初の試みとして“渋谷にやらせたいこと”と“聴きたい曲”が事前にファンから投票され、ファン投票に基づいた構成で行われた。とにかくファンが喜んでくれることを、ファンに寄り添った形で創り上げたいという意図で構成された“ファンによるファンのための”<babu会 vol.2>は、これまでの<babu会>でも好評だった“入場者全員プレゼント”に加え、今回新たに設置された“等身大パネルとの撮影ブース”や “ウェルカムムービー”なども用意されていた。
また、この日は入場者全員に会場ごとに異なる本人手描きメッセージ入りオリジナルステッカー(“貼りパス”と呼ばれる通常関係者のみに配られる当日限定スタッフパス)が入場者特典として入口で配布されたこともあり、ファン達は会場の様々な場所で“貼りパス”越しに今日の思い出を自らの携帯カメラに収めていたのだった。ロビーからウェルカムムード全開の<babu会 vol.2>は、イベント開始後も終始ウェルカムムード全開で進められていった。
イベント前半戦にはトークコーナーとお楽しみコーナーが設けられており、全力でファンを楽しませる企画と向き合った渋谷は、全力のおもてなしモードでファンを喜ばせていたのだった。極度な人見知りで、喋るのがとにかく苦手として知られる渋谷は、じっくり人との関係性を噛み締めながら、ゆっくりと時間をかけて温めていく生真面目な性格でもあり、普段そこまで口数が多くないことや、感動や感激も自らの心の中に大切に抱きしめて深く仕舞い込むため、とっつき辛く勘違いされやすい性格でもあるのだが、実は、常に“誰かのためになりたい”と考えているピースフルな人間なのだ。
<babu会 vol.2>はまさしく、そんな渋谷の人間性が至るところで浮き彫りとなっていた、思いやりと優しさを感じ取れるファンクラブイベントならではの空間であったと言える。
▲プレゼントの手渡しは会場のガイドラインに沿って行なっております。
イベント後半戦からのライブでは、<babu会 vol.2>のロゴとして用いていた“カバ”のイラストで匂わせていたカバーナンバーが何曲も届けられ、声出しが緩和された会場からは歓喜の声や悲鳴が上がっていた。このカバー選曲も、渋谷が集まってくれたファンを喜ばせたいという想いから考え抜いて選ばれた楽曲達であった。
ライブでは2022年秋ツアーと同様、バンドメンバーの新井弘毅(G)、安達貴史(B)、茂木左(Dr)、本間ドミノ(Key)と共に息の合ったパフォーマンスはもちろんのこと、MCでもメンバーに容赦無くイジり倒されたほか、安達からの無茶振りでガチのぶっつけ本番で届けられた「ハナミズキ」のカバーや、新井のチョイスによりギターを託され、事前投票にあった“弾き語りが見たい!”のリクエストに応えさせられることとなって「ぼくのうた」を弾き語るなど、予定にはなかったまさかの展開で絶妙な掛け合いが繰り広げられ、ファン達を喜ばせた。
コロナ禍の規制が緩和されたこともあり、スタンディングで埋め尽くされたフロアは自由に体を揺らし、曲ごとに異なるノリで渋谷の歌に応えたり、予期せぬ選曲に1曲ごとに歓喜の声を漏らしていたのが、とても熱く胸を打った。さらに、これまではただただ真摯に自らの言葉とサウンドで想いを懇々と届けて来た渋谷であったが、2023年1月に公開された田中和次朗脚本・監督、滝藤賢一主演映画『ひみつのなっちゃん。』主題歌の存在が大きい。3人のドラァグクイーンが隠し事のない優しさに触れ、少しずつ前向きになっていく姿を描いた同映画主題歌「ないしょダンス」は、“普通ではない臆病な彼女たち”の心情を見事に捉え、“普通とは何か?”という問題定義と共に渋谷すばるイズムを唱えた。これをきっかけに渋谷が大きな成長を遂げたことを感じられた。
映画『ひみつのなっちゃん。』公開時に合わせて行われた田中和次朗監督や、俳優の滝藤賢一、ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダらとの対談を通して、“人と対面し、しっかりと心から触れ合うことの大切さ”を改めて深く感じ取った。このことから、これまで以上に自分に直接会いに来てくれる人たちへの感謝の気持ちと愛おしさが込み上げ、彼がモットーとして掲げる“誰かのためになりたい”という想いがより強くなり、気持ちに大きな変化を与えたのだろう。この日、ステージに立った渋谷の立ち姿も、届けられた渋谷の歌も、ライブ中のファン達との対話も、あきらかに少しずつ変化して来ていると心から感じた。
<babu会 vol.2>は渋谷の新たな挑戦が詰まった第一歩。そう言っても過言ではない。“とにかく楽しませたい。楽しんでもらいたい”──その想いに真っ直ぐに向き合っていた渋谷だったが、それを自分に強いられた役割だと感じることなく、本当に自らも心から笑顔になり、ファンと共に楽しさと喜びを共有出来ていたのが伝わってきた最高にピースフルな空間だった。
<babu会 vol.2>はこの先、4月22日に北海道・Zepp Sapporo、30日に愛知・Zepp Nagoya、5月4日に福岡・Zepp Fukuoka、5月6日に大阪・Zepp Nambaといった4都市をまわる。なお、渋谷すばるオフィシャルファンクラブ「Shubabu」では年会員と月会員を設けており、月会員入会でも今回の<babu会 vol.2>のチケット購入が可能だ。
今回、事前に寄せられた“すばるにやらせたいこと”投票は、まだまだ無限に存在していることもあり、各日程で予想のつかない“ここだけ限定”の貴重な出来事が起こるに違いない。“渋谷すばる、覚悟はいいか? 震えて待て”といったところだろう。こんな楽しいことはない! そして、来場者のみなさんは、それをどうか心ゆくまで楽しんでいただきたい。本人は自身のライブでありながら、こんなにも不安に苛まれドキドキし、観る側としては、こんなにもお楽しみ要素が詰め込まれたワクワクするライブはないだろう。これぞ、生の醍醐味。“ライブ感”ではなく、まさに“ライブ”そのものである。
“普通じゃなく生きる人達” “生きづらさを感じる人達” “最近心から笑えていないなと感じる人達” “人のために生きたいと思っている人達” “変わりたいなと思っている人達”はいませんか? 日々、同じような想いを背負い込んで、不器用ながらも必死に生きている渋谷すばるに会いに来てみませんか? きっと何かが変わるはず。そんなに硬く考えず、ふらっと遊びに来れたら、きっと何かが変わるはず。渋谷すばるの本気と遊ぶ会。ただただそれだけ。それだけがこんなに人を幸せに出来るのかと、あたたかい気持ちになれる空間であること。心から笑顔になれる時間を約束します。
何処とも似てない渋谷すばるの感性(唄)と、最強の音楽仲間との最高のバンドサウンドを体感しに来て欲しい。そして、7月15日および16日に開催される野外フェス<JOIN ALIVE 2023>(北海道岩見沢市いわみざわ公園にて開催)では、このツアーでの経験が活かされた新たな渋谷すばるに会えることになるに違いない。
取材・文◎武市尚子
撮影◎西村彩子(SELF:PSY’S)
ヘアメイク◎矢内浩美
■オフィシャルファンクラブイベント<babu会 vol.2>
▼2023年
4月16日(日) 東京・Zepp Haneda
4月22日(土) 北海道・Zepp Sapporo
4月30日(日) 愛知・Zepp Nagoya
5月04日(木/祝) 福岡・Zepp Fukuoka
5月06日(土) 大阪・Zepp Namba
この記事の関連情報
渋谷すばる、最新アルバム『Lov U』をリリース+ MV公開。約7年ぶりのダンスパフォーマンスを披露
渋谷すばる、関西電力WEBムービー“想いよ灯れ”篇に「人間讃歌」特別バージョン
渋谷すばる、シングル「君らしくね」MVで犬と遊び戯れる
渋谷すばる × 赤犬、味園ユニバース対バンでコラボも「新しい何かがまもなく動き出します」
渋谷すばる × アイナ・ジ・エンド、6月9日“=ロックの日”に初対バン
【コラム】渋谷すばる、展示会『すば基地』は遊び場「秘密の場所をこっそり覗いてもらう感じ」
【コラム】渋谷すばる、今秋開催が決定した東名阪ライヴツアー<ん>に“そこから始まる未来”
<JOIN ALIVE>第一弾でマカえん、羊文学、ヤバT、DISH//、渋谷すばる、WurtSら24組
渋谷すばる、『裏ぼん #1』発売開始+ツアー<babu会 vol.2>詳細発表