<櫻井翔 未来への言葉展>東京・六本木で開幕「逃さず見てもらえるとうれしいです」
櫻井翔の展覧会<櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE>が4月14日、東京・六本木ミュージアムで開幕した。
<櫻井翔 未来への言葉展 >は、“嵐、歌手、作詞家、キャスター、司会者、俳優など、さまざまな立場や活動を通じて、何かを「伝え続けて」いる”櫻井翔の「伝え続ける人」としての側面にスポットを当てた展覧会だ。カラフルな「ことばパーク」をイメージした会場には櫻井の言葉や、“言葉”から発展した7つのインスタレーションが展示される。
オリンピックや報道番組の取材メモ、リリックを書き溜めたノート、「Johnny's web」での連載『オトノハ』をしたためてきた歴代のガラケーとPC、影響を受けた映像作品といった私物を展示する《SHO ROOM》や、『Newsweek』日本版(2021年12月14日号/21日号)に掲載された特集『櫻井翔と戦争の記憶』のための取材をもとにした《NO MORE WAR》、サウナを模した空間の中、「360 Reality Audio」で“サクラップ”が楽しめる《サクラップサウナ》、『news zero』(日本テレビ系)で取材を重ねてきた東日本大震災の被災地での映像をもとにした《来年も再来年も》、AYAKA FUKANOとのコラボレーションで生まれた絵本が巨大なスクリーンに投影される《ありがとうの交換。的な。》などを通じてその“言葉”を届ける。
櫻井翔が個人として展覧会を開くのはこれが初めて。2019年の<ARASHI EXHIBITION “JOURNEY” 嵐を旅する展覧会>をまとめた図録の制作時、ページや写真に添えられた櫻井の言葉を目にした出版プロデューサーからの「櫻井くんの言葉は面白いですね。いつかソロの展示を開いてみたらいいのでは」との言葉がきっかけとなって今回の開催が実現に至ったそうだ。
開幕に先立ち行われたインタビューで、櫻井は次のように述べている。
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■櫻井翔 コメント
──改めて、そもそもの“始まり”とは?
僕の言葉を面白がってくれた人がいた、というのが「始まり」ですね。Journeyの図録に書いた前書きと後書きを見たスタッフが「櫻井くんの言葉は面白いですね。言葉の展覧会とか興味ある?」「やってみませんか?」と言ってくれて。僕としては、「そんなこと出来るの!?」って驚くばかりで(笑)。これまで仕事で数々の美術館とか展覧会を見させてもらったけれど、ほとんどがアートだったから。本当に実現するのかな? 面白いものになるのかな?という不安がありましたが、いろんなセクションのプロ、一流の人たちが集まってくれて。それこそ、自分には想像もつかないような展示になったと感じています。
──昨年の6月から準備を始めて、ここまでの思い出、喜びややりがい、苦心した点とは
みんなでブレストで意見を出し合っていくと、いろいろ形になる案もあれば、浮かんでは消えていく案もあって。「これは結果的に自分の首を絞めるかもしれないんですけど…」という自らの提案もいくつかあって(笑)。それこそ、展示と同時にグッズの『ことばの箱』にも入れた『10年後の自分への手紙』とかはまさにそうなんだけど。案の定、スタッフが面白がってくれたから「じゃあ、やるか!」ってなったものの、一番難しかったかもしれない。「それで、何を書けばいいんだろう?」という(笑)。ただ…本当に(《SHOROOM》で展示の)ガラケーにせよ、(《僕です。》で展示の)週記帳にせよ、実家に、あるいは自分の家にあるだけでは、“ただの物”であり、ともすれば“ガラクタ”だったものにも、スタッフと一緒に息を吹き込むことができた。救われた、報われたところがたくさんあったから。それはすごくよかったなと思う。
──いよいよ完成直前。自身で展示を巡ってみての率直な感想
ほんとすごいなぁ!と思いました。やっぱり言葉の展示は、アートとかともまた少し違うから。展示というものに則しているかどうか?ということも僕の中では未知数だったんだけど。本当にさすが、展示のプロの方々が集まっているから。「こうやって表現するんだ? 伝えるんだ?」って。それはやっぱり…僕が自分の家でパソコンを叩いてるときには想像もつかない表現というか…すごいなぁって思いましたね。
──会場のいたるところに“小ネタ”の《僕です。》があるのも楽しいです。
これまで書いてきたもので構築していくと、やっぱりどうしても堅いものになってしまうんだよね。ラップとか音楽の要素があるにしても。そうなると結局、普段の僕の “ふざけた部分”があまりないかもね? となって(笑)。それでちょっとした息抜きというか、まさに小ネタという表現で見せることになりました。
──展示コーナーの所感、見どころ
展示されているもの全てが、本当に“これまでの積み重ね”なので。オトノハとかラップとか、今までファンの人に、あるいは自分のために書いてきたものの積み重ねと、“伝える”“取材”ということの一部と、あとは言葉×アートのコラボレーション。という、大きく3本立てなのかな。
Newsweekの特集原稿(戦争)を書く時(2021年)に、調べても調べても出てこなかった、自分にとっての大伯父が乗っていた船の写真が、このタイミングで見つかったんですよ。Newsweekの時にお世話になった歴史家の先生、アメリカの歴史家の方がとにかくご尽力くださり、アメリカの膨大な資料を掘り起こしてくれました。この開催に際して、その新しい事実、新しい資料が出てきた、しかもそれがアメリカから出てきた、っていうのは、個人的に大きなトピックではありますね。
──開幕に向けた心境、来場者へのメッセージ
「このメッセージを伝えたい」とか、「未来へ、この提言があります」っていうような大それたことではなくて。これまでファンの人に、あるいは自分のために、蓄えてきた言葉たちを、自分のことを応援してくれている人に感じて欲しい。というだけのものだから。足を運んでくださる方がどう感じるか?というのは、全くの未知数ではあるんだけど。なんていうか…「一流のスタッフたちと手作りで、見てくださる方に喜んでもらえるものを、精一杯作りました!」っていうことなのかな。
結局、説明が難しいんだよね。言葉の展示を、言葉で説明するっていうことが難しい(笑)。アートの場合、“感じる部分”という余白があるけど、展示が“言葉”である以上、この会場の中でその全ての説明が済んでいるようなものだから。なんなら「一言一句読み逃さないでくれ」っていう空間だからね。「ふらっと来て、流し見しても楽しめます」っていうよりは、「ごめんだけど、一文字たりとも読み逃さないでもらいたい」という(笑)。
取材に来てくれたzeroのスタッフが、「前に知覧の特攻平和会館に行った時くらいの感覚」ってポロッと言ってくれたんだけど…それは僕にとっては褒め言葉で。情報量も多いし、正直疲れるかもしれないけれど、逃さず見てもらえるとうれしいです。
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<櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE>
※全41日間予定 ※会期中、休館日無し
時間:10:00〜21:00(最終入場19:30)
会場:東京・六本木ミュージアム