【レポート】<Tokyo Records Presents Rockon Social Club Secret Party>、ファイナル公演
男闘呼組メンバーを中心としたバンド・Rockon Social Clubが、3月からスタートした全国5大都市を回るZeppツアー<Rockon Social Club Secret Party>が昨日のZepp Haneda公演を持って無事に千秋楽を迎えた。ファイナル公演のライヴレポートをお届けしよう。
◆<Tokyo Records Presents Rockon Social Club Secret Party> 関連画像
2023年3月より福岡、大阪、名古屋、札幌と桜前線よりも一足早く日本各地を賑わせてきた<Tokyo Records Presents Rockon Social Club Secret Party>も、Zepp Haneda 2デイズを残すのみとなった。各地で熱狂を巻き起こしているPartyはSNSなどを通じてあっという間に拡散、東京に至る頃にはもはや全然“Secret”ではなくなっていたのだが、その瞬間その場所で何が起こるか分からない――それがライヴというものだ。
全員揃いのビジネススーツにきっちりネクタイを締めて現れたのは、成田商事のメンバーの4人だ。挨拶がわりの1曲目は「Hello! Hello!」。真っ直ぐすぎるロックナンバーが大歓声と合わさって会場を揺らしていく。続く「フィフティーズ☆ブギウギ」では、長い道のりを傷だらけで歩んできた者にしか表現できない歌の世界がステージだとより一層リアルに感じられた。
メンバー紹介では、“会社”になぞらえてこんな風にコールされた。「技術担当・青山英樹(Ds)、出向社員・Devin Kinoshita(Key)、制作担当・寺岡呼人(B)。そして、社長・成田昭次」。社長と紹介された成田は、「社長だけど実は一番下っ端です」と笑う。「でもそういう会社っていいところが多いんです」。
痛快なロックンロール「社員募集中」では、社員であるファン、オーディエンスとのコール&レスポンスで盛り上げ、ラストは「ボストンバッグ」。昨年10月にリリースしたミニアルバムのタイトルチューンだ。疾走感の中に溢れんばかりの情熱が迸る楽曲は、オーディエンス一人ひとりの想いを乗せて会場を駆け巡った。
ギタリストMoeが加入し、新しくユニット体制となったLittle Black Dress初披露の場ともなった今回のツアー。各地でのライヴを重ねて、一段とグルーヴに磨きをかけたような印象だった。シティポップとロックが融合した「リスキードライブ」、叙情系歌謡ロックとでも言うべき「チクショー飛行」の2曲では、Ryoの艶のあるヴォーカルとMoeのハードなギターが一つに溶け合い、Little Black Dressの音楽を奏でていた。
「今日はPARTYだよね? PARTYのつもりで来てるよね? みんなで一緒にPARTYしない?」と呼びかけて始まったのは「PARTY」。サポートで入った原口彩香(B)のベースのイントロから極太のロックナンバーが放たれる。「皆さんがこうして音楽で笑顔になっているということは、皆さんの笑顔にも救われている人がいるということです。その笑顔を宝物に一歩一歩幸せな日々を目指してがんばりましょう」ラストに披露したのは「猫じゃらし」。微妙な心情を繊細に表現するバラードだ。演奏した4曲、全て新曲という攻めたセットリストで臨んだ新生Little Black Dress、今後彼女たちがどんな音楽を生み出すのか楽しみだ。
始まる前からフロアの様子がそれまでと違う。明らかに何段階も熱がグッと上がった感じがする。3組目にして、このPartyの大トリ、Rockon Social Clubがステージに登場した。昨年の復活劇が大いに話題となり、今もまだその熱が冷めやらない男闘呼組のメンバーを中心に、寺岡呼人がプロデュースしたバンド、それがRockon Social Clubだ。3月1日(水)にリリースしたばかりの1stアルバム『1988』も好調な彼ら、そのサウンドの基調となすのはもちろんロックで、しかもかなりヘヴィでタイトなものだ。「Foxy Lady」「Rolling Thunder Baby」と、そのタイトルからも自分たちの音楽的信条を微塵も曲げないという心意気が伝わってくる。
成田昭次(G)、高橋和也(B)、前田耕陽(Key)、岡本健一(G)。この不動のラインナップに、寺岡呼人(G/B)、青山英樹(Ds)とサポートのDevin Kinoshita(Key)が加わる鉄壁の布陣だ。ボーカルはフロントの4人で歌い分けるスタイルで、とにかく全員で同じ方向を見つめてガムシャラに突き進む。
東京初上陸となったRockon Social Clubのステージは、前半にしてすでにクライマックスのような盛り上がりを見せる。「アルバム『1988』は全楽曲を呼人さんが書いてくれたんだけど、バラエティに富んだ内容で、おれたちもめちゃくちゃ誇りに思っています。おれたちもう50代じゃない。やっぱり20歳の頃に歌っていた曲と50代になって歌う曲って微妙に違うんだよね」(高橋)
その違いを感じられているというのが実は最も幸福なことではないのかと、その言葉と彼らの演奏から感じた。バラード楽曲「Love Again」は、まさに今の彼らにしか歌えない楽曲だ。
MCでは、アルバムレコーディングの話から、男闘呼組として出演したテレビ番組『金スマ』の話題まで、バンドとしての充実ぶりが伝わってくる内容だった。続く5曲目に披露したのは「Te querra mucho」。高橋がハンドマイクでメインボーカルを務め、寺岡呼人がベースに持ち替える。ラテングルーヴがフロアを揺らす。曲終わり、キックのリズムに合わせてオーディエンスがハンドクラップを打ち鳴らす。「自分の足で歩くんだ! 自分の頭で考えるんだ! それがロックンロールだ!」と高橋のシャウトで始まったのは「ヨッテタカッテ」。間奏時には、前田もショルダーキーボードでステージの前ツラに出てきて4人揃ってオーディエンスに応える。「こうやってみんなの前に帰ってこられたのもみんなが待っててくれたからだし、おれたちもずっと友情を忘れなかった。そのことがまたステージに立たせてくれてます。本当に改めて感謝します」(高橋)
本編ラストは、「パズル」。成田昭次のソロ楽曲として昨年発表された同曲が、4人の男たちによって歌い分けられ、そしてサビでは4人同時に声を合わせて歌う。まるでバンドを始めた時のような純粋さが宿っている曲だ。
アンコールでは、サプライズが発表された。すでに発表されている5月6日(土)東京ガーデンシアターでのスペシャルライヴで、「セルフカバーをやる」と言うのだ。「50代の男闘呼組、いいっすよ。男闘呼組の曲を今のおれたちでレコーディングしましたけど」と成田が言えば、フロアには大歓声と拍手が鳴り響いた。さらに、東京ガーデンシアターでのライヴが発表後即完売したことを受けて、5月20日(土)に大阪・ZeppNambaでの追加公演が決定。この勢いはますます加速していきそうだ。
未来の子供たちへのメッセージを込めた「遙か未来の君へ」でRockon Social Clubのステージを締めくくった。最後はLittle Black Dressも加わってオールラインナップで「PARTY」を演奏した。成田商事、Little Black Dress、そしてRockon Social Clubと、それぞれの新しい一歩を盛大に踏み出す姿を見ることのできた貴重なツアーとなった。
文:谷岡正浩
<Tokyo Records Presents Rockon Social Club Secret Party> セットリスト
SE 成田商事社歌
M01 Hello Hello!
M02 フィフティーズ☆ブギウギ
MC
M03 社員募集中
M04 ボストンバッグ
Little Black Dress
M01 リスキードライブ
M02 チクショー飛行
MC
M03 PARTY
M04 猫じゃらし
Rockon Social Club
SE Rockon Social Club
M01 Foxy Lady
M02 Rolling Thunder Baby
MC
M03 翼をもがれた野郎ども
M04 Love Again
MC
M05 Te querra mucho
M06 ヨッテタカッテ
M07 パズル
EN01 遙か未来の君へ
■配信ライヴ情報(見逃し視聴)
▼公演日:2023年4月8日(土)
▼視聴チケット料金:¥3,500(税込)
▼チケット販売:2023年4月15日(土)12:00まで
▼見逃し視聴:2023年4月15日(土)18:00まで
▼販売サイト(FANYオンラインチケット)
https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/products/secretparty-230408
▼FANYチケット問合せ
TEL:0570-550-100(10時〜19時/年中無休)
◆成田商事 オフィシャルサイト
◆Little Black Dress オフィシャルサイト
◆Rockon Social Club オフィシャルサイト
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