【対談連載 in ＜PUNKSPRING＞】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第15回ゲスト：シンプル・プラン

■心からコングラチュレーションズ！
■皮肉でもなんでもないからね（笑）

WANI：ソングライティングの話をもっと聞きたいんですが、チャックは曲をたくさん作っていますよね。同じドラマーでありながら僕は“曲作りが難しい”って感じていて。作曲にはギターを弾きながらとか、あるいはパソコンなどを使いながらなど、いろいろな方法があると思うのですが、チャックは一体どういう感じで作っているんですか？

チャック：ドラム以外の楽器を僕はほとんどできないと思ってもらっていいよ。だから作曲といっても、僕は曲のテーマとか、興味深いタイトルを考えるのが好きで。「アイコニック」も象徴的な曲にしようってことで曲名のアイデアをメンバーに提示して、それが膨らんでいったから。曲というのは、いいメロディがあっても、興味をそそる歌詞のストーリーがないと魅力的にならないし、歌詞の内容がおもしろくてもメロディがダメだったら、いいものにはならない。どちらが欠けてもダメ。両方が大切なんだよ。

WANI：なるほど。

チャック：だから僕は、作曲のテーブルにテーマを広げたり、作曲のきっかけになる曲名を持ち込もうとしている。それに僕とピエールは13歳の頃から一緒に曲を書いているから。お互いに信頼し合っているし、音楽や作詞の面では素晴らしいケミストリーが生まれる関係性でもある。シンプル・プランのソングライティングのDNAを作ってきたと思っているぐらいだよ。



WANI：『ハーダー・ザン・イット・ルックス』収録曲の「コングラチュレーションズ」の歌詞がめちゃくちゃおもしろくて。そのテーマもチャックが？

チャック：そう。最初にタイトルを思いついたんだよ。それでピエールと「どういうテーマで書いていこうか」って話をしていたところ、ピエールがクールな歌い方を思いついて。それがきっかけになって、パンクロックでも描かれることの多い友情の崩壊や裏切りなどをストーリーにしようってなった。サウンドやアレンジでめちゃくちゃクールに仕上がっていると思う。でも、「コングラチュレーションズ」って“おめでとう”とか“幸せになることを願っているよ”ってニュアンスのタイトルだけど、ストーリーの中身は要するに皮肉だよね（笑）。

WANI：そのストーリー展開が最高です（笑）。

ASH：僕らとは曲の作り方が違うから、心を引く話でもあるね。

チャック：常に興味深い言葉を僕は探していて、その言葉のリストをピエールに見せるんだよ。その言葉も、歌詞とか一般的な会話でよく使われるものというよりは、ちょっとおもしろいものをいつも探している。「これはおもしろいワードだね」ってピエールが応えたら、それがきっかけになって曲を書き始める。


ピエール：しかもサビから。シンプル・プランはリフ先行というよりも、まずサビから作り始める。

チャック：そのサビをピエールはどういうふうに歌うかっていう。そこでいい感じのものが生まれたら、その段階で曲はある程度出来上がったも同然でね。

ASH：ピエールのほうがメロディとか曲の演奏面とかを作ることが多くて、テーマや歌詞のことはチャックが多いってことですか？

チャック：だいたいそういう感じで始まることが多いんだけど、曲作りを進めていく中で、アレンジのことや歌詞のワードやストーリーとか、お互いに意見を出し合うことはもちろんあるよ。

ASH：いやー、おもしろい話がいろいろ聞けましたよ。

ピエール：もちろんASH DA HEROの曲も聴いたよ。ずっと前から知ってたわけではないけど、今回対談があるってことでね。人気が高くなっているバンドってことも聞いてる。コングラチュレーションズ（笑）！

チャック：今のは皮肉でもなんでもないからね（笑）。心からのコングラチュレーションズだから。活動が順調にいってるみたいで、本当におめでとう。

WANI：嬉しい（笑）。


ASH：最後にメッセージを伝えさせてもらっていいですか？ WANIと一緒に読み上げますね。

ASH＆WANI：I love both SIMPLE PLAN and Canada, so I would love to visit Canada and perform in concert with you guys when you visit Japan! Let's be friends!!（僕らはシンプル・プランもカナダも大好きなので、カナダにも行きたいし、来日する際は一緒にライブをしたいです！ 友達になってください!!）

ピエール＆チャック：Yeah!!

ピエール：スゴ〜イ(←日本語で)！

チャック：オネガイ シマース(←日本語で)！

通訳◎Ali　文◎長谷川幸信
撮影◎堅田ひとみ





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