【ライブレポート】ASH DA HERO、<HUMAN>ツアーが完成「一生懸命に前を向いて共に歩いていきましょう」
ASH DA HEROが1月8日に東京Zepp DiverCity(TOKYO)で<ASH DA HERO LIVE TOUR 2023-2024“HUMAN”>ツアーファイナル公演を開催した。
◆ライブ写真
通算2作目となるアルバム『HUMAN』のリリースに合わせて、2023年9月からスタートしたのが今回のツアー。メンバーによると、ツアー中はとにかくいろいろなことがあったという。いいことはもちろん、そうとは言い切れないことも。いわば、バンドがより強くなるために通らなければいけない様々な事柄を、約4カ月間のツアーを通して、ASH DA HEROは経験してきたことになる。そんな経験値を身に付けたからこその答えも、見えてくるのがこのツアーファイナルとなるだろう。
SE「HUMAN」が流れる中、レーザーライトが色鮮やかに彩るステージにメンバーが登場したのは18時。「COME ON TOKYO! よく来たな。派手にいこうぜ!」と、アルバム『HUMAN』のオープニングを飾る「One Two Three」の幕開けと同時にASH(Vo)が力強く煽り文句を決め、ライブはスタート。その直後から、ASH DA HEROは答えのひとつを早くもハジき出してきた。
メンバー全員がストイックに演奏に入り込むのでなく、隙あらば、オーディエンスを煽るようにプレイし、表情でも挑発。ツアーで叩き上げてきた自分自身を遠慮なく見せつける。メンバー一人ひとりの放つ躍動感は、当然のごとくベイビーズ(ASH DA HEROファンの愛称)を刺激。曲を重ねるにつれ、ライブの熱量も高まっていくばかりだ。ライブバンドとしての成長ぶりが嬉しい。
ヒップホップ感覚をたっぷり吸収した「自分革命」の直後のこと。そのノリを活かしたままリズムを刻み続けるのはWANI(Dr)。そこにSato(B)がランニングフレーズで加わり、Narukaze(G)がカッティングを決め、Dhalsim(DJ)はスクラッチを混ぜこむ。それに合わせてオーディンスがハンドクラップを起こして、ASH DA HEROとひとつになっていった。そんな気持ち良さを味わいながらASHがこう宣言。
「明けましておめでとうございます。令和最強のロックバンド、ASH DA HEROです。今日はツアーファイナル、それでいて2024年のライブ始め。集まってくれた一人ひとりと全員で、最高のロックンロールショーを作っていきたいと思います」
こうして「Avengers」、続けて「モラルハザード」など、新旧のナンバーを織り交ぜながら突き進む。「WARAWARA」の間奏では、お立ち台の上でNarukazeがギターソロを弾くかと思えば、台に上がってきたASHにピックを手渡した。すると、Narukazeがフィンガリングして、ASHがピッキングをするという、二人三脚によるギターソロを披露。また「Merry Go Round」ではキメに合わせてSatoがアクロバティックなベース回しも。そして大胆なアクションも加えながらドラムをブッ叩くWANI。手つきや身振りでベイビーズを常に煽りながらDJテクも炸裂させるDhalsim。
もともと様々なレコーディングやライブのサポート経験も豊富なメンバーがほとんどのため、演奏技術的には何ら不安要素がないのがASH DA HEROである。そんな彼らは今、強力なライブのエンターテイナーっぷりも発揮。ライブ中盤の「デカダンス」では、ASHが客席フロアに降りて歌っていたと思えば、ベイビーズの上に勢いよくクラウドサーフまで。聴かせるばかりでなく、派手に魅せる5人を前にして、ベイビーズの興奮はひたすら上昇していった。
アルバム『HUMAN』のリリースに合わせたツアーゆえ、当然、そこからの曲がライブの主軸にもなっていた。1stアルバム『Genesis』では、生まれたてのバンド特有の初々しさと勢いも重視していたように思うが、ASH DA HEROの引き出しや可能性はそんなものじゃ収まらなかった。ロックもパンクもポップスも、そしてブラックミュージックやヒップホップなども、ルーツに持っていたり吸収しているのがASH DA HEROの5人だ。2ndアルバム『HUMAN』では、それぞれのメンバーが自由に呼吸し、音楽的な面でも自分を解放。それが各曲の幅広さや奥深さを作り出している。攻めやアクの強いナンバーは、今回のツアー経験によって、鼓動をさらに速めるライブ仕様の顔つきに進化。聴かせる曲は、繊細な表現も形にしながら心地よく酔わせてもくれる。
また歌詞も、アルバム『HUMAN』は関わり合う相手がいてこそ生まれる想いやストーリーが多い。ツアーを通して多くの人との出会いや全国のベイビーズとの再会も果たしたことで、ASHの歌声にはリアルな感情が重なっていく。心を救い出してくれたり、幸せな気持ちでいっぱいにしてくれたりと、その歌声はベイビーズに常に寄り添う。
ライブ後半に差し掛かり、メンバーそれぞれがMCする場面でNarukazeはこんなことも語った。
「ツアー中、俺なりに“HUMAN”とは、と考えていて見つけました。思いやりです。今まで自分のために音楽をやるという気持ちが強かった。でもいろいろ経験して、人のためにやる音楽を志そうと思いました」
その力強い言葉に、テンションは高まり続け、ポジティブなエネルギーだけが渦巻くライブに。そして後半ではASHもこんなことを語った。
「2024年、みんなでブチ上げていこうぜってなっていってるなと思います。心の底から今日は集まってくれたみなさん、ありがとうございます。ライブではハッピーな話をしたい。でも今年の初めに信じられない出来事が起きて、本当に心が痛いです。なぜならツアーで石川県に行ってきたから。すごくいいライブを金沢でやらせてもらったから。とても心配で、とても心苦しいです。悔しいよね。一人ひとりの力だけじゃ、なかなか適わなかったりする。Naru君が、“HUMAN”って思いやりって言ってたけど、まさにそれだと思う。みんなが思いを配り合って、思いやっていけば、困っている人や辛い人の力や光になっていくと思います。一生懸命に前を向いて共に歩いていきましょう。その先に、困っている人や辛い人の光になるという思いに繋がると思います。ASH DA HEROも、さらにいい曲を作って、みんなが元気になるライブを繰り返して、石川県に恩返しに行きたいなと思っています」
何度も感謝しながら会場に広がったのは「最強のエンドロール」。これまでは腕をつかんで引っ張り上げるような力強さが全面に出ていた曲だが、ASHの歌声には優しさも帯びている。そしてASHの視線がとらえるのは、会場に集まったベイビーズの一人ひとり。サビでは、ASH DA HEROのメンバーとベイビーズの大合唱が会場に響き渡り、絶対的な信頼感で強く結びついていった。
陽気なロックンロールナンバー「Happy」でラストを決めたが、この夜は新曲も用意していたASH DA HERO。
「みなさんのおかげで<HUMAN>ツアーが完成しました。ありがとうございます。でも、もう1ピース必要だなと。今日のために新曲を作りました。2024年、ASH DA HEROの決意表明と共に、悲しい思いや辛い思いをしている方々へのメッセージ。そして親愛なるベイビーズに贈ります」
「Light my fire」は力強さと想いの溢れたバラードであり、愛情でも包み込んでくれる。ライブバンドとしてはもちろん、人間的にもタフになった優しき5人がこの夜、ステージにいた。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎堅田ひとみ
セットリスト
1「One Two Three」
2「ペルソナ」
3「自分革命」
4「Avengers」
5「モラルハザード」
6「WARAWARA」
7「Merry Go Round」
8「Stigma」
9「新世界」
10「デカダンス」
11「Super Sonic(DJ & Drum Session)」
12「エントロピー」
13「Rain on the roof」
14「白昼夢」
15「金木犀」
16「Calling you」
17「Judgement」
18「エゴイスト」
19「GIANT KILLING」
20「世界をぶん殴れ」
21「最強のエンドロール」
22「Happy」
-Curtain call-
23「Light my fire」(新曲)
<ASH DA HERO presents "GACHINKO" TOUR 2024>
4月16日(火) Spotify O-EAST <東京>
開場 17:15 / 開演 18:00
お問い合わせ)DISK GARAGE問合せフォーム
https://www.diskgarage.com/form/info
【ASH DA HERO vs ユアネス】
4月28日(日) DRUM Be-1 <福岡>
開場 17:15 / 開演 18:00
お問い合わせ)キョードー西日本 0570-09-2424(平日、土曜 11:00〜15:00)
【ASH DA HERO vs SPARK!!SOUND!!SHOW!!】
5月11日(土) Rensa <宮城>
開場 17:15 / 開演 18:00
お問い合わせ)GIP 問合せフォーム
https://www.gip-web.co.jp/t/info/
【ASH DA HERO vs Coming Soon!!】
5月26日(日) PENNY LANE24 <北海道>
開場 17:15 / 開演 18:00
お問い合わせ)WESS info@wess.co.jp
【ASH DA HERO vs 仲村宗悟】
6月1日(土) GORILLA HALL OSAKA <大阪>
開場 17:15 / 開演 18:00
お問い合わせ)サウンドクリエーター 06-6357-4400(平日 12:00〜15:00)
【ASH DA HERO vs FLOW】
6月9日(日) ダイアモンドホール <愛知>
開場 17:15 / 開演 18:00
お問い合わせ)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(毎日 12:00〜18:00)
【 ASH DA HERO vs SPYAIR】
6月16日(日) Zepp Shinjuku(TOKYO) <東京>
開場 17:00 / 開演 18:00
お問い合わせ)DISK GARAGE問合せフォーム
https://www.diskgarage.com/form/info
・チケット
¥5,000 (税込/整理番号有/D代別)
※お一人様4枚まで
※未就学児童入場不可
[ FC「Circle A」先行受付 ]
受付期間:1月13日(土) 18:00〜1月23日(火) 23:59
当選発表:1月27日(土) 15:00
詳細はこちら
https://ashdahero.com/contents/11801
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