【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第16回ゲスト:GRANRODEO

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ASH DA HEROをホスト役に、毎回ゲストを迎えてトークセッションを繰り広げる連載が“TALKING BLUES”だ。あるときは同じミュージシャン目線で、またあるときは異ジャンルに斬り込む対談企画にはこれまで、L'Arc-en-CielのHYDEやKenといった大先輩や、目標であるThe BONEZやROTTENGRAFFTY、海外からSimple Planを迎えるなど、会話で深く熱くセッションしてきた。

◆ASH DA HERO × GRANRODEO 画像

第16回目のゲストはGRANRODEOだ。両バンドは同じレーベル所属の先輩後輩という間柄ではあるが、「うちらとGRANRODEOさんという組み合わせは意外かもしれないんですけど、実はこれまでいろんな接点があった」というASHの言葉どおり、バンド同士の面識は7年以上、ギタリストのふたりは師弟と言っていい関係性を築いている。

9月にメジャー2ndフルアルバム『HUMAN』をリリースしたASH DA HEROは現在、同アルバムを携えて全国ツアー<ASH DA HERO LIVE TOUR 2023-2024>を開催中。一方のGRANRODEOも8月にTVアニメ『文豪ストレイドッグス』第5シーズンオープニング主題歌「鉄の檻」をリリースし、現在<GRANRODEO LIVE TOUR 2023 “Escape from the Iron cage”>を開催中だ。さらに同ツアーは12月10日、KT Zepp Yokohamaにて<GRANRODEO LIVE TOUR 2023 “Escape from the Iron cage” meets ASH DA HERO>と題し、両バンドによる初のツーマン開催が決定している。ASH(Vo)とNarukaze(G)にとっては夢の実現と言える対バン直前に行なった対談は、ボーカリストのKISHOW × ASH、ギタリストのe-ZUKA × Narukazeによるライバルとも兄弟とも言える熱く温かなトークが繰り広げられた。


   ◆   ◆   ◆

■“良かったね”という気持ちがある
■Naru君とはご縁を感じるからね


──まずはASHとGRANRODEOの馴れ初めからお願いします。

ASH:まだ僕がソロで活動していたとき、地元・愛知県の<NAGASHIMA COUNTDOWN & NEW YEAR'S PARTY 2016>というイベントに出演したんです。そのイベントにはNaru(Narukaze)君にサポートでギターを弾いてもらって。GRANRODEOさんとは「初めまして!」って感じだったんですけど、イベントだったので、あんまりゆっくりお話ができなかったんですよね。

KISHOW:大晦日だよね? すごく寒かったのを覚えてる。

e-ZUKA:僕はASH君のことよく覚えているよ。喫煙所でも一緒だったから。会ったときは、“踏み台にさせてもらっていいですか”って感じの圧がすごくてね(笑)。“ちょっともうASH君のカカトが、俺の頭にすでに当たっちゃってるんだけど”ぐらいの(笑)。それぐらい向上心がすごかった。

ASH:そんなに。マジですか(笑)?

KISHOW:ASH君との出会いをそこまで明確に覚えてるんだ?

e-ZUKA:覚えてるよ。なんていうか、清春さんに雰囲気が似ていると思って。すごく好青年で下から来る感じ…でもずっと頭を踏まれていたんですけどね(笑)。

ASH:ははは。清春さんみたいだなって話をしていただいたのは覚えています。「尖ってて、いいね」って。だから僕も、「ASHといいます。よろしくお願いします!」って挨拶を…e-ZUKAさんをグイグイ踏みつけながら(笑)。もちろんウソですけど。地元開催のイベントだったんで、ちょっと調子乗ってたかもしれないです。その節はすみませんでした。

KISHOW:グルーヴがちょっとヤンチャ系なんだね、ASH君は。いいね〜、“縦のラインはしっかりさせていただきます”みたいな。

e-ZUKA:そう。だってヤンチャな人のほうが縦社会がしっかりしてるから(笑)。


▲KISHOW(Vo)

ASH:そんな「初めまして」の出来事が2016年。そのイベントのときはKISHOWさんとあまり話せる時間がなかったので。

KISHOW:俺はもうタバコをやめていたから、喫煙所に行かなかったし。

ASH:だから本当にご挨拶ぐらいしかできなかった。ところがその1年後ぐらい、ある友人から夜中に電話が掛かってきたんです。「今からスペシャルゲストを呼ぶから」って言われて。そうしたら「どうも、KISHOWです」って電話口の再会が一度あったんです。

KISHOW:うんうん。

ASH:たぶん飲んでいらっしゃったと思うんですけど。電話越しにKISHOWさんが熱い話をしてくれたんですよ。23分ぐらい(笑)。

KISHOW:そんな細かい分数まで覚えてるんだ(笑)!?

ASH:2017年ぐらいだったんですけど、僕の曲の感想を語っていただいて。僕も「そんなに知ってくださっているんですか!? ありがとうございます!! <NAGASHIMA COUNTDOWN & NEW YEAR'S PARTY 2016>でご挨拶させていただいた以来だと思います」って。

KISHOW:正直言うと、薄ぼんやりとしか思い出せない…おそらくお酒がだいぶ入ってたときだったと思うから。そのとき失礼なこと言ってないよね?

ASH:むしろ、めちゃくちゃ嬉しいことを言ってくださって。

KISHOW:僕はね、人を褒めちゃうんですよ。クセなんですよ、褒めちゃうのが。

e-ZUKA:クセってことは本心じゃないってこと(笑)?

KISHOW:いやいや、本心だから。それを褒め言葉に広げて膨らますこともできるっていう。そういうクセ。

ASH:なんなんだろう!?ってぐらい褒めちぎっていただいて、めちゃくちゃ嬉しかったんですよ。


▲ASH(Vo)

KISHOW:俺には絶対にできないASH君のデスボイスってうらやましいんですよ。俺とKOHSHI(FLOW)は「デスボイスができる人はいいな」って、いつも言い合ってるくらい。俺とKOHSHIはできないから。

ASH:GRANRODEOさんは、FLOWさんと仲いいイメージがありますね。

e-ZUKA:FLOWもしぶといよね(笑)? インディーズ時代も入れたらキャリアはすごく長い。

KISHOW:彼らのほうがうちらより2年ぐらい長いんじゃないかな。誰も抜けることのないまま活動を続けているって本当に偉いと思う。そんなFLOWを俺は“兄さん”って思っているけど、向こうはそれ以上に、俺らを「ロデオ兄さん」ってイジってくるんだよね。まあ、うちらは声優畑と音楽畑のドッキングユニットで、音楽歴だけでいえば、e-ZUKAさんは40年間ぐらいやっているから、そりゃ「ロデオ兄さん」だよねって話だけど、GRANRODEOは2023年で結成18年だからね。話を戻すけど、ASH君の声について褒めたんじゃないかな。

ASH:そうです。だから「対バンできるように頑張ります」って話を、実はその電話のときにしたんです。

KISHOW:あっそう!…おやおや、ただ事じゃないね、これは。

ASH:そうなんです。そんな2017年の電話から6年の時を経て、2023年12月10日に本当に対バンも決まった。個人的にいろんなことが繋がった感じなんです。

──運命を感じていると。

KISHOW:いろいろな出会いや縁が繋がって、Chainしてきた感じですね。


▲e-ZUKA(G)

ASH:ちなみに今日、Naru君はめちゃくちゃ緊張してます。

KISHOW:えっ、なんで?

e-ZUKA:謝りたいことでもあるの? 貸した金、返してくれなくてもいいよ(笑)。

ASH:そういう関係性まであるんですか(笑)?

Narukaze:前に僕がやっていたFo'xTailsの解散ライブを、お二人が観に来てくださって。そのときにe-ZUKAさんからポチ袋に入った1万円をいただいたことがありました。

KISHOW:本当にお金のやり取りが(笑)。

e-ZUKA:だから今日は対談じゃなくて、それを返してくれるっていう会でしょ(笑)。

Narukaze:いやいや(笑)。いただいたお年玉はエフェクター代に消えました。いつか返せるように頑張ろうって、形に残したくて。

KISHOW:いい話だ。


▲Narukaze(G)

ASH:Naru君が以前やってたFo'xTailsは、GRANRODEOさんとレーベルメイトというか、先輩と後輩の関係性だったんですよね?

KISHOW:所属事務所も同じでね。“ついにASH DA HEROという安住の地を見つけたな”みたいな感じ。“良かったね”という気持ちが、僕は今のNaru君にある。すげーハマってるもんね、ASH DA HEROのカラーに。

Narukaze:事務所は違うけど、またこうやってGRANRODEOさんと一緒にライブをやれるのは、本当に嬉しいんです。

KISHOW:Fo'xTails時代からも含めて、Naru君とはご縁を感じるから。

e-ZUKA:でも、俺たちと一緒にやると解散するっていうジンクスがあるんだけど、大丈夫?

KISHOW:えっ!? そういうことになっちゃってるの(笑)?

ASH:ヤバいよ、連載『TALKING BLUES』の第16回目は“波乱の巻”だよ(笑)。

KISHOW:そんなジンクスはないから、大丈夫(笑)。

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