【対談インタビュー】声優・峯田大夢×音楽プロデューサー・小山良太が語る『マガツノート』1stアルバム「好きなことがいろんな人に伝播していく」

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近未来戦国を舞台にしたダーク楽曲メディアミックスプロジェクト『マガツノート』初のアルバム『魂響』が、1月31日に発売される。

◆試聴動画

本作にはサブスクリプションサービスで配信中の5陣営のイメージソング「DRAMA ver.」に加え、各武将の声優が歌唱する「CHARACTER ver.」を新たに収録し、2パターンの歌唱を楽しめる作品。さらに「魂響盤」と「戦盤」の2形態でそれぞれ異なる陣営のドラマトラックも収録。「戦盤」には「戦シーズン 壱st Battle 『桜華狂騒』」コラボ楽曲2曲も収録される。

ヴィジュアル系バンドを多く起用し、楽曲とストーリーがリンクしていく『マガツノート』において、『魂響』はまさにその世界観を表した作品だ。このアルバムを紐解くため、今回BARKSでは音楽プロデューサー・小山良太(株式会社メメ 代表)、そして『マガツノート』の主人公・政宗を演じる声優・峯田大夢に本作について語ってもらった。

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■最後にマスタリングで聴いたときには“バラエティに富んでいて、いいな!”と思いました

──『マガツノート』プロジェクトでは初となるフルアルバム『魂響』がリリースされますが、そもそも『マガツノート』の楽曲ってかなり特殊じゃありません?

小山:各陣営に合わせてアーティストさんが作ってくださった元の楽曲と、そこに声優さんの台詞が入ったものと、楽曲自体を声優さん歌唱バージョンという3種類がありますからね。僕の原盤制作マン人生の中でも類を見ない形態だったので、最初は“え、歌があるのに台詞が入ってくると聴こえなくなるじゃん?”っていう疑問から始まり、なかなか痺れました(笑)。でも、実際にマスタリングまで終えてみたら、すごくハマるなと感じられたので、想像以上に豊かなアルバムになったなというのが率直な感想ですね。台詞、アーティストの歌、そして声優さんの歌唱という3つ全部を“まさかこんな風になるとは!”って驚くくらい美味しく録れて、作品として成功したんじゃないかなとプロデューサー的には思っています。

峯田:曲に入る台詞のタイミングとかも、ホントに絶妙なんですよね。おかげで台詞も音楽も両方聴こえてきて、1ファンとしても純粋に“すごいな!”と思いました。

▲峯田大夢

──どの台詞を使うかは、どなたが決められていたんですか?

小山:コンテンツプロデューサーの内ヶ崎さんですね。この台詞をこのへんに入れたいっていう大体の位置感と雰囲気をうかがって、それを僕の方でタイミングの調整をかけたり、歌から逃げるように作ったり……っていうのを、大体4、5回やり取りして完成させていきました。

峯田:例えばSeason:1の楽曲だと、公開されたのはストーリーが進んでいる途中だったのに、1話からラストの12話までの台詞が結構まんべんなく入っているんですよ。だから伏線みたいな仕掛けもいっぱいあって、この先の展開がわかっているコチラとしては、なんてニクいことをしてくれるんだ!と。物語が進むにしたがって“この台詞、ここのシーンだったんだ”とかって判明するようになっているから、先を知らないリスナー側としても、いろんな考察が楽しめるんですよね。

──台詞も歌も聴かせる……しかも歌に関してはアーティストの原型と声優キャストの2種類があるということで、すべてを同時に成り立たせるためには、音楽的にも相当な苦労がおありになったでしょうね。

小山:実は2ヶ月間、一人で悩んでました。コンセプトにあるバンド感とキャラ感とダーク感っていう、この3つの要素って混ぜるのがなかなか難しいんですよ。キャラクターの台詞だったりキャラターボイスでの歌が大き過ぎてしまうと、バンド感もダーク感も消えてしまう。じゃあ、ダーク感やバンド感を上げるにはどうしたらいいのか? それぞれの具材をどのくらいのバランスで混ぜ合わせたらいいのか?っていうのを2ヶ月くらい考え、一旦の答えを出し、実験で12時間くらいエンジニアとスタジオに入って“これが正解だ!”というのを導き出していったんです。

──そこで見えた正解とは?

小山:台詞が乗っかるパターンだと、もう、その声の大きさだけの問題になるんですが、特に悩んだのは声優さんが歌唱されるキャラクターバージョンの方で。言葉にするのであれば、バンド感はギターだとかのいわゆる“上物”の激しさで、ダーク感はベースのロー感やドラムの暴れ方で出し、真ん中にキャラクターのボーカルを置くことでキャラ感を出すということですね。その調整の塩梅は曲によって変えていて、例えば疾走感ある曲だったら、ベースのローが出すぎるとスピードの無い曲になってしまうんですよ。じゃあ、激しさとキャラ感で押そうとかって曲ごとに調整していったので、最後にマスタリングで聴いたときには“バラエティに富んでいて、いいな!”と思いました。

▲小山良太

──具体的には。

小山:「リブラ」は初めにレコーディングした曲で思い出深いです。レコーディングも素晴らしく出来ている楽曲で、暁さんのボーカルで完結してる。これにセリフを乗せるなんて申し訳ない……となりました(笑)。「惡鬼紹雷」は声優の皆さんがキャラクターを意識してくださった中、特にリーダー・小笠原君が先陣切ってキャラを乗せた歌唱をしてくれたと思ってます。“開戦が上等”からアガりますよね! 「ウルトラムシケラボーイ」はメロディアスな曲でメロにばかり気を取られていたら、“ラストにウルトラムシケラ Boys,be ambitious”と歌詞に入ってるんですよ。すごいセンスじゃないですか? 「In The End」はレコーディングする声の量が膨大で声優の皆さんが頑張ってくださいました。通常の倍かかった方もいるくらいの量感に圧倒されました。色々な所に色々な掛け声含め入ってるの良く聴いてみてください。声優の皆さんの努力の結晶です。その中でも特に個人的に印象的だったのが「存在証明」のほら貝で……。もう一発でやられました(笑)!



峯田:ほら貝で始まる曲なんて、聞いたことないですもん(笑)!

小山:そう(笑)。どのアーティストさんも、ちゃんと陣営を見て曲を作ってくださったんですが、あの曲はその最たる例ですね。ほら貝のインパクトだけじゃなく「存在証明」は真ん中がしっかり見える曲で、そこに入る織田信長役の神尾(晋一郎)さんの声の位置といい、ロー感と高域のバランスがすごく良かったんですよ。なので、あの曲を手掛かりに“正解”を導き出していったところはありますね。

峯田:僕は「惡鬼招雷」も好きですね。2022年6月のイベント<解放区>のとき、ボーカルのROYさんとMAD FANGのキャストで一緒に歌いましたが、“トップバッターからROYさんのシャウトでヤバイじゃん!”ってテンションあがって裏で観てた記憶があります。僕、他人の凄いシャウトを見ると、リスペクトがあふれてテンションあがるんですよ! 最近lynch.の武道館ワンマンに行ったときも、葉月さんのシャウトがすごすぎてどうにかなりそうでした(笑)。「惡鬼招雷」もメチャクチャ盛り上がるし、凄いな!って。



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