【インタビュー】michi. (ALICE IN MENSWEAR)、ソロ始動「KOJIのことを前向きに引きずっていきたい」
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ALICE IN MENSWEARのmichi.(Vo)がソロとしての活動を始動する。1月14日に東京・羽田TIAT SKY HALLで開催される初のmichi.名義による有観客&配信アコースティックライブ<Caramel Vox REBOOT>だ。「今後は個人として活動をすることがあり得るかもしれない」と2022年夏のBARKSインタビューで語っていたが、かけがえのないパートナーKOJI(G)が他界した喪失感は埋められるものではなく、ALICE IN MENSWEARとして活動を続けながらも心が折れそうになる時期もあったという。
◆michi.(ALICE IN MENSWEAR) 画像
自分自身と戦う日々を経て、michi.が出した答えはKOJI不在を無理に乗り越えるのではなく、前向きに引きずっていくこと。ソロとしての初ライブでMASCHERA、S.Q.F、ALICE IN MENSWEARなどのセルフカバーを披露することを決めたのも過去の自分や楽曲たちを風化させたくないという想いからだ。ライブ直前、新たな一歩を踏み出そうとしているmichi.が今の心境を包み隠さず語ってくれた。
◆ ◆ ◆
■このまま気力が湧かずに
■辞めちゃうかもしれないって
──michi.さんは1月14日に東京・羽田TIAT SKY HALLで開催されるアコースティックライブ<Caramel Vox REBOOT>からソロ活動をスタートされますが、michi.名義でのソロ始動に関してはいつ頃から考えていらっしゃったのでしょうか?
michi.:2022年8月にALICE IN MENSWEARのワンマンライブ<IN MEMORY OF KOJI project「GEARS OF DESTINY code 1812」>があったんですが、それ以降、具体的に動き出さないといけないなと思うようになりましたね。
──その時のBARKSインタビューで、「今後は個人活動をしないといけない時期が来るかもしれない」と発言されていますが、当時から心境の変化はありましたか?
michi.:前回お話させていただいた時から、そんなに気持ちの変化はないんです。だけど、より具体的に進化させていかないと、というところにようやく気持ちが動き出したんですね。実のところ、KOJIを見送って、2022年8月のライブで自分の気持ちに区切りがつくかなと思っていたんですが、その後もKOJIがいない寂しさだったり、突きつけられる現実と、日々戦っていたんです。前回のインタビューでカッコいいこと言ったにも関わらず、心が折れそうな時期があったんですよね。このまま気力が湧かずに辞めちゃうかもしれないと思う時も正直あったんですが、「そんなの俺の知っているmichi.じゃないよ」ってKOJIに背中を押されている気がして、だんだんと気持ちが変わってきた感じですね。
──Twitterでも“俺がこのままじゃKOJIに怒られちゃう”ってコメントしていましたよね。
michi.:そうですね。でも、わりと早めに後ろ向きな気持ちを払拭しなくちゃいけないなと思うようになっていたんです。むしろ切り替えるためにも、先にライブの日程を組んだので。このままだと弱い自分に取り込まれちゃうんじゃないかなと思って、まずは自分を焚きつける方向に持っていったところはありますね。
──では、気持ちの区切りがついたのは?
michi.:“よし、頑張るぞ!”と思えるようになったのは本当にごく最近かもしれない。2022年11月から12月ぐらいにかけてですね。
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──最近だったんですね。辞めてしまうかもと思われたということですが、それはALICE IN MENSWEARというより音楽を辞めてしまおうと?
michi.:そうですね、引退みたいな。もちろん、そうしたくはなかったんですが、このまま萎んでいくと引退コースになるかもなって。そういう自分に危機感すら感じず麻痺していた時期があったので、これはまずいなって焦りはありました。前回のインタビューも自分のスイッチを入れる引き金になったし、そのきっかけになればいいなと思って取材していただいたところもあったんです。今、思うと自分が逃げられない状況を作ろうとしていたのかもしれないですね。
──michi.さんの音楽人生の中で、そこまで思われたのは初めてのことだったんでしょうか?
michi.:はい。僕は以前からどこかドライな考え方をしているところがあって、“辞め時なんていつでもある”って常に思っているタイプなんですよ。
──いつでも辞められるというニュアンスですか?
michi.:“辞めるタイミングなんか、いつやってくるかわからないくらいどこにでもある”ということですね。そういう風に冷静に考えているところがあったんです。だからこそ、そのことを深刻に考えたことはなくて。こういう職業だし、辞め時は自分次第かつ自己責任、なら“その時”を迎える時に後悔ないよう、常に全力でっていう考え方なんですね。
──悲観的な意味ではなく、いつだって辞めたくなったら、また他の道を探せばいいみたいな感覚ですか?
michi.:そうですね、悲観的ではないです。
──michi.さんはKOJIさんの闘病中も旅立った後も、プロジェクト『IN MEMORY OF KOJI』を発信されてきましたが、KOJIさんがいないことに向き合うのは大変なことだし、辛かったと思います。そういう活動を経たからこそ前を向ける面もありますか?
michi.:まさにその通りです。何かやることがあると、がむしゃらになってその瞬間は忘れられるというか。今、オンラインサロン『alicies』を運営しているんですが、年が明けてから、そこでファンの皆さんに正直な気持ちを吐露したんです。
──そうだったんですね。
michi.:KOJIが旅立って悲しい想いをしているのは僕だけじゃないし、ファンの皆さんはもっと悲しんでいるだろうから、僕は寄り添えるようにもっと強くあって、みんなを引っ張っていかないと、という想いで、それまで動けた部分があったんです。KOJIのことを風化させて、忘れていってしまうのは嫌なので、無理やり自分を鼓舞していた。だけど、今年のオンラインサロンで皆さんに「僕はこれから、KOJIのことを前向きに引きずっていきたい」ってはっきりと伝えたんです。そう思うことが生きるモチベーションになる。KOJIの存在が僕の中で薄まっていってしまうと、さっきお話したような“俺の知っているmichi.はそんなんじゃなかったよ”っていうKOJIの声が聞こえてこなくなっちゃいそうで…。だから、乗り越えるというより前向きに引きずっていこうと思えて。その時に扉がまた少し開いたと感じたんです。
──以前は引きずることをマイナスに捉えていたというか。
michi.:僕が引きずっていたら、皆さんを引っ張っていけないじゃないかって強がっていたところもありました。
──michi.さんの本音を伝えたオンラインサロンでは、どんな反応が返ってきたんですか?
michi.:「正直な気持ちを伝えてくださってありがとうございます」という声だったり、前向きなエールをたくさんいただきました。それで気持ちもめちゃくちゃラクになったし、ようやく本当の意味で前に踏み出せると思っています。
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