ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『ライヴ・アット・ザ・LAフォーラム』、“完全な形”で11月18日公式発売

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1969年4月26日、ロサンゼルス・フォーラムでのザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス公演を収めたアルバム『ライヴ・アット・ザ・LAフォーラム』が、生誕80周年を目前に控えた2022年11月18日にリリースされる。

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「紫のけむり」、「ヴードゥー・チャイルド(スライト・リターン)」とクリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」の17分に及ぶ圧倒的なメドレーを含む1969年の伝説的ライヴ・パフォーマンスが遂に公式発売となる。

11月18日、ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのアルバム『ライヴ・アット・ザ・LAフォーラム』を、CD、デジタル・プラットフォーム、ヴァイナル2枚組(輸入盤のみ)の3フォーマットでのリリースが決まった。1969 年、超満員の熱狂的な観客を前に、オリジナル・ラインナップ(シンガー/ギタリスト:ジミ・ヘンドリックス、ドラマー:ミッチ・ミッチェル、ベーシスト:ノエル・レディング)が聞かせた素晴らしいパフォーマンスをとらえたもので、この音源が完全な形で発表されるのは、はじめてのことだ。またこのアルバムは、ジミ・ヘンドリックスの生誕80周年(11月27日)にタイミングをあわせてリリースされるものでもある。

1967年から68年にかけて発表された3枚の傑出したアルバム(『アー・ユー・エクスペリエンスト』、『アクシス : ボールド・アズ・ラヴ』、『エレクトリック・レディランド』)の驚異的な成功もあり、ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスは、ロックの世界を代表するライヴ・アクトとしての地位を確かなものとしている。バンドへの関心や興味が急速な勢いで高まっていったわけだが、ちょうどそのころ、アメリカ各地で、スポーツ・イベントのためのアリーナ建設が進められていた。そのなかの一つが、カリフォルニア州イングルウッドのロサンゼルス・フォーラム。設計を担当したのは、著名な建設家チャールズ・ラックマン(ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンの建て替え工事にも関わった)だ。

1967年、ロサンゼルス・キングス(ホッケー・チーム)、ロサンゼルス・レイカーズ(バスケットボール・チーム)の本拠地としてオープンしたLAフォーラムは、多目的施設であり、すぐにコンサート会場としても使われるようになる。アレサ・フランクリンは、もっとも早い時期にLAフォーラムでコンサートを行なったアーティストの一人で、彼女がステージに立ったのは、1968年1月。同年10月には、フェアウェル・ツアー中のクリームがLAフォーラムでコンサートを行なっていて、このときのオープニング・アクトはディープ・パープルだった。そしてザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスがLAフォーラムにやって来たのは、1969年4月26日。オープニング・アクトはシカゴ・トランジット・オーソリティ(このあとすぐ、シカゴと名を改める)と、ヘンドリックスと同じマネージメント事務所に所属していたキャット・マザー&ジ・オール・ナイト・ニューズボーイズ。フロア・シートの料金は6ドル50セント(現在の貨幣価値では51ドル20セント)だった。

ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスがロサンゼルス・フォーラムで強烈なライヴを聞かせたその日までに、コンサート会場での音響は、ビートルズが野球場を回っていた時期と比べると、劇的に進化していた。ところが、観客のコントロールに関してはまだ問題山積だった。実際ジミは、曲間で、ステージに駆け寄らないようオーディエンスに訴えかけているのだ。警察官の数も半端ではなかったようで、ジミは「紫のけむり」の歌詞を“Scuse me while I kiss the policeman !”と変えて歌ったりしている。また「スパニッシュ・キャッスル・マジック」は“そのあたりにいる私服警官と間抜けども”に捧げられたものだった。彼はそれぞれの曲を、意味のあるイベントにまで高めていたのだ。また彼は、ヒットした曲だけでセットをまとめるようなことはしなかった。LAフォーラムでのアプローチはそういった姿勢の典型的な例で、「フォクシー・レディ」などのよく知られた曲と、『アー・ユー・エクスペリエンスト』収録の「今日を生きられない」や、この時点ではアメリカでは未発表だったオリジナル・ブルース「レッド・ハウス」をブレンドさせたりしている。そのブルースに関して彼はこう語っていた。「なにがアメリカのソウルなのかと、みんな知りたがっている。モータウンと答える人も多いだろう。でも、アメリカのソウルは、こういうものなんじゃないかな」。

それだけではなく、彼らは、「タックス・フリー」という、まったく知られていない曲のカヴァーでコンサートをスタートさせているのだ。スウェーデンのデュオ、ハンソン&カールソン(ボ・ハンソンとヤン・カールソン)が1967年に発表したインストゥルメンタル曲で、エクスペリエンスはLAフォーラムの前年、ストックホルムでのコンサートで彼らと知りあっていた。このLAフォーラムでの、ヘンドリックスらしさを強く感じさせるもう一つのハイライトが、独自の解釈によるアメリカ国家「星条旗」。4ヶ月後のウッドストックでロックの正典となるあの曲の、初期のヴァージョンをここで演奏していたのだ。「我々をずっと洗脳してきた曲だ」。アメリカが政治的混乱状態にあったあの時期に、ジミは痛烈なメッセージを投げかけていたのである。LAフォーラムでのパフォーマンスを締めくくるのは、「ヴードゥー・チャイルド(スライト・リターン)」と「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」の圧倒的なメドレー。クリームの「サンシャイン〜」はエクスペリエンスが気にいっていた曲で、彼らの卓越したインプロヴィゼーション能力をライヴで示す、完璧な素材ともなっている。

ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのLAフォーラム公演は、ウォーリー・ハイダーとビル・ハルヴァーソンによってライヴ録音され、長くヘンドリックス作品のプロデュースとエンジニアリングを手がけてきたエディ・クレイマーが、今、最高の音質でリミックスを完成させた。プロデューサーは、エクスペリエンス・ヘンドリックスL.L.C.のCEOで、ジミの妹でもあるジェイニー・ヘンドリックス、クレイマー、そして、エクスペリエンス・ヘンドリックスの依頼を受けてヘドリックス作品に管理に携わってきたジョン・マクダーモット。ライナーノーツを執筆したのは、LAタイムズの元スタッフ・ライターで評論家としても活躍するランディ・ルイス。序文は、ZZトップの前身バンド、ムーヴィング・サイドウォークスの時代にエクスペリエンスのツアーに参加した経験があり、実際にLAフォーラムのライヴも観ていたビリー・ギボンズが書いている。

アルバムと同じくジミ・ヘンドリックス生誕80周年の月に発売されるものとして、『JIMI』がある。クロニクル・ブックス傘下のクローマが11月15日に出版する『JIMI』は、ジェイニー・ヘンドリックスとジョン・マクダーモットの共同作業から生まれたもので、ヴィジュアル面も重視しながらジミの生涯と音楽を包括的にまとめた作品となっている。マクダーモットは、『アン・イラストレイテッド・エクスペリンス』などこれまでの著書に加筆。ジェイニーは新たにイントロダクションを執筆。豊富な資料を生かした決定版のバイログラフィーに加え、完全未発表のものも含む貴重な写真類、個人的な記念アイテム、歌詞なども収められている。さらに『JIMI』では、ポール・マッカートニー、ロン・ウッド、ジェフ・ベック、レニー・クラヴィッツ、エリック・クラプトン、ドレイク、デイヴ・グロールといった大物ミュージシャンたちが、ヘンドリックスの功績、時代を超えた影響力の強さについて語る言葉も紹介されている。

『ライヴ・アット・ザ・LAフォーラム』

2022年11月18日世界同時発売
SICP6490 ¥2、640(税込)
英文解説の完全翻訳・歌詞・対訳付

1.イントロダクション
2.タックス・フリー
3.フォクシー・レディ
4.レッド・ハウス
5.スパニッシュ・キャッスル・マジック
6.星条旗
7.紫のけむり
8.今日を生きられない
9.ヴードゥー・チャイルド(スライト・リターン)
10.サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ
11.ヴードゥー・チャイルド(スライト・リターン)

◆ジミ・ヘンドリックス オフィシャルサイト
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