【インタビュー】ちゃんみな、新曲「TOKYO 4AM」に注いだ本質「“そこにある愛”に気付いた」

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9月2日にデジタルリリースされる「TOKYO 4AM」は、J-POPを意識して制作されたアルバム『ハレンチ』から約1年ぶりとなる最新シングルだ。アルバムリリース後に渡米し、様々な刺激を受けながらロサンゼルスで制作された作品だが、その中身はアメリカの様子を歌うものではなく、故郷の東京を思う素直な気持ちを表した作品となっていた。

◆ちゃんみな 画像 / 動画

現在は再び楽曲制作に入り、全編韓国語で歌う新たな作品作りにチャレンジしているちゃんみなだが、「TOKYO 4AM」はどのようにして生まれてきた楽曲だったのか。話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

■傷付けることで音楽を書いていたのかも
■私の愛する東京について歌った

──2022年4月に公開されたTHE FIRST TAKEの「美人」は鳥肌モノでしたが、あれはどうでした? 一発録りはちゃんみなでも緊張しますか?

ちゃんみな:いえ、ライブも基本的には一発ですし。空間的にはイレギュラーでしたけどいつものバンドメンバーだったし、すごく楽しんでやった感じでした。気持ちを込めて。

──しかもレアなライブアレンジで。

ちゃんみな:THE FIRST TAKE用に新しく作ったんですけど、いつも公演によってアレンジを変えたりするので、“THE FIRST TAKEだったらこうしようかな”みたいなのがあって。


──どういう気持ちで臨んだ一発だったのですか?

ちゃんみな:“真剣だ”ってことを伝えたかったです。真剣であることを見せたかった。

──ちゃんみなの真剣さは十分伝わっていると思うけど。

ちゃんみな:やっぱり偏見もあったので。せっかくいろんな人の目に留まるんだったら、真剣だっていうのを一番に伝えたいなと思って。あれで結構印象が変わったって言ってくれた人も多かったんです。

──名前は知っていても、ちゃんと聴いたことがない/ライブも観たことない人にとっては、刺激的だったでしょうね。

ちゃんみな:カッコいいとかオシャレとかそういうこと以前に“心が伝わればいいな”と思ってあの2曲(「美人」「ハレンチ」)を選択してアレンジもあのようにしました。

──THE FIRST TAKEに出たことで何か変化はありましたか?

ちゃんみな:真剣さはすごく伝わりました。伝わったなって感じがします。



──そして、作品作りに入っていったわけですが。

ちゃんみな:はい、この「TOKYO 4AM」もそうですし、4月末からニューヨークに行ってロサンゼルスに行って韓国に行って、合計で20曲以上をほぼ缶詰になって作ってきたんですけど、その中の1曲ですね。

──J-POPを意識したという前アルバム『ハレンチ』から、今回はどのような作品作りだったのでしょうか。

ちゃんみな:とりあえず今の感情探しをしたかったんです。とにかくいっぱいいろんなジャンルにトライしたいと思って、アメリカと韓国に行って。たくさんの人と曲を作りながら、本当にいろんなものに挑戦し続けて、日によって“今日はこういう気分だ”っていうふうに作っていったんです。前のBARKSインタビューで「スランプがあった」って言いましたけど、あのあともずっとあったんですよ。『ハレンチ』を出したけども、そのあとも何をしても何も出てこない。それが本当に最大の悩みだったんです。で、スカイダイビングしに行ったり、いろんな体験をしてみたり、とりあえず自分を奮い立たせようとしていたけど、どうしようもなくて、ニューヨークに着いても何も感じなかった。期待していたのに感じなかったことに絶望感を抱いちゃった。

──ニューヨークなんて刺激だらけなのかな?と思うけど。

ちゃんみな:ニューヨークもやっぱり大都市なわけで、私は大都市で育っているから、そんなに変化も感じられずに心が躍らなかった。ニューヨークの映画とかドラマも好きでずっと見ていたものもあったので、そういった感動はありましたけど、それほど心躍らなかったんですよね。

──それはちょっとショックですね。

ちゃんみな:でね、ブロードウェイを観に行ったんです。ひとつすごく好きなブロードウェイ作品があったので、初めて観に行ったんですけど、そこで全部の悩みがなくなった気分になれたんですよ。


──ブロードウェイ?

ちゃんみな:そう。久しぶりに観客という立場になれて、ただただ自分の好きな音楽や好きなショーを観た。すごく綺麗なセットがあって、すごくパワフルな女性たちが歌って踊って、それを見る観客たち。その声や歓声を聞いて、“私はこれが好きだったんだ、これが好きだっただけなのに…”っていう気持ちになった。“ただ音楽が好きなだけだったのに、すごく難しく考えていたな”っていうことに気付いたの。自分で自分の好きな曲調、好きな音楽…“自分で自分を止めないために、自分を傷つけていた” “傷付けることで音楽を書いていたのかもしれない”ってところに気付いた。そういえば、“失いそうな愛”や“あふれ出る愛”みたいなものを歌ってはいたけど、“そこにある愛”についてはそんなに歌っていなかったと思って、“そこにある愛”に気付いたっていうこともあって「TOKYO 4AM」という曲ができてきた。私の愛する東京について歌った歌。

──ニューヨーク~ロサンゼルスにまで来ていながら、そこで東京のことを歌うなんておもしろいですね。

ちゃんみな:そうなんですよ。それぐらい東京が好きなんだろうなって思って。それまでは、“ここから先の作曲どうしよう、何を書いたらいいんだろうとずっと悩むんだろうな”って不安だったんです。でもブロードウェイを観て、自分が音楽が好きだってことを再認識した。“好きだ”っていう、ただシンプルな気持ちを久しぶりに感じたというか、味わったというか。自分にいろんな経験をさせてきたけど、音楽が好きっていう感情は当たり前すぎて気付いていなかった。そこにある愛っていうものに改めて気付かされたんですね。

──ステージに立つ人間が陥りがちなことなのかもしれません。

ちゃんみな:自分の音楽だから、どうしても自己的な自己意識みたいなものがありますよね。それを楽しんでもらっているという幸せ感、ありがたい気持ちはありますけど、ただ観るのと演るのではけっこう違うなと思いました。ニューヨークというまったく知らない土地で、そこに私の好きな音楽の世界だけがあって、楽しそうに歌って踊って、みんな盛り上がっている環境に自分がポンと置かれたことで、改めて気付いたことだと思います。


──ニューヨークに行く価値ありましたね。

ちゃんみな:ありました。行ってよかったなって思います。あれ観なかったら、私、たぶんまだ悩み抱えていたんだろうな。まだ新曲が出ていなかったかもしれない。

──ところで“4AM”というのは?

ちゃんみな:私、4時に起きてることが多いんです。4時に活発なときが多くて、曲書いたり何かしたりしていて、時計を見ると4時。ニューヨークでも4時という時計を見ると、東京を思い浮かべちゃったりして。“今みんな何してんだろ”とか。

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