【インタビュー】Elle Teresa、「普通じゃ駄目」

全11曲が収録されている、Elle Teresaのメジャー1stアルバム『Sweet My Life』。多彩なサウンドを鳴り響かせながら独自の世界を作り上げている作品だ。

◆撮り下ろし写真

印象的なワードが散りばめられた各曲は、キュート、セクシー、ポジティブと、まさにElle Teresaそのものを表しているようで、様々なストーリーを体感させてくれる。トラップが大好きなリスナーが痺れるに違いない曲も異彩を放つ。このアルバムは、Elle Teresaの活躍の場を一層広げるための絶好の起爆剤となるだろう。今作について彼女にじっくり語ってもらった。

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■派手でキラキラしてた昔の感じに戻していきたい

──良いアルバムですね。

Elle Teresa：いえーい！　ありがとうございます。嬉しいです。

──どういう作品にしたいと思っていました？

Elle Teresa：自然に曲が束になったっていう感じですね。

──配信でリリースした「bby girlll」「on my Side」「baD bitch」とかはキラキラしたガーリーな面を結構感じる曲でしたが、ダークなサウンドの曲も収録されていますね。トラップの曲もありますし。

Elle Teresa：そういう部分も自分の中にあるので。「いろんな曲が入ってる方が面白いな」みたいな。みんなまだエルのことを10分の1も知らない状態なんだと思う。取材とかでも「実際に会ったらこんな人なんですね」みたいに言われることが多くて。だから、ちょっとずつでもいろんな面を出していきたいんですよね。

──会ったことがない人からは、怖がられる傾向がありますよね？

Elle Teresa：そうなんです。実際に会うと「いいやつ」ってよく言われます（笑）。見た目がネクストレベルに行っちゃってるから怖がられるんでしょうね。自分でも「見た目が一般人じゃないもん」って思うから。

──そう思います。

Elle Teresa：日本ってプレイヤーとして表に出れるレベルが低い気がする。普通な感じの人でもアーティストとして表に出れるじゃないですか。でもエルは普通じゃ駄目だと思うから、「こうしよう」って自分を持って行ってます。ヘアメイクもスタリングも「これは他の人は絶対できないだろうな」っていう感じにしてます。これくらいは最低限やらないといけないと思うのに、日本で周りを見てるとそうなってない気がするんですよね。


──エルさんは、キラキラした存在でありたいという姿勢を貫いている印象がします。

Elle Teresa：そうかも。自分もこうしてエルでいる時と普段は全然違うから。多分、普段は全然違い過ぎてみんなびっくりすると思う。まじで違っててやばい（笑）。でも、そうやって自分をアーティストのスタイルに持って行くのが好きなんですよ。

──つまり、自分をプロデュースするのが好きなんですよね？

Elle Teresa：そう！　簡単に言ったらそういうことです。

──「こういう人が存在したら面白いよね？　ときめくよね？」っていうのを、自分自身をプロデュースしながら世の中に示しているのかなと思うんですが。

Elle Teresa：そうなんです。音楽もそういうことだし。でも、なりたい自分になるっていうのはアーティストだけじゃなくて、どんな人もそうであっていいはずなんですよ。

──ほんとその通りですね。

Elle Teresa：うん。中学の頃とか、男の子とデートする時にピンヒール履いて気合い入れたりしてたんです。でも、今ってそうやって頑張ってる人を見ると「変だ」みたいな感じになってる風潮がある気がして。街でもそういう人見かけないし。派手な服とか着ると「気合い入り過ぎじゃない？」みたいに言われちゃうのが、そもそも変なんですよ。だって、気合い入れるのってポジティブなことなはずなのに。コロナの影響もあってなのか、そういう風潮がますます強くなってる気がする。まっすぐなワンピースに、ぺたんこのスニーカーってスタイルは楽だし周りと馴染むんだろうけど、世界がそればっかりになるのはおかしい。

──TPOに合わせるのが必要な場面はありますけど、普段はどんな服装でも良いはずですからね。

Elle Teresa：そう。「気合入ってるね」ってエルにはネガティブなニュアンスの言葉に聞こえる。キメキメであるって良いことのはずなのに、それをネガティブなこととするなら、「いつキメキメにするの？」って思う。派手でキラキラしてた、昔の感じに戻していきたいですね。

──このアルバムの曲たち、すごく活き活きとしながら個々のカラーを放っている印象です。僕の殺風景な部屋すらキラキラする感じがありましたから。

Elle Teresa：エルの部屋もグチャグチャですよ、みんなに見せられない（笑）。片付けが超苦手。人間は良いところも悪いところもあるんです。でも、悪いところは自分の良いところでもあるから。だって、エルが片付けがしっかりできるタイプだったら、ガッチガチの隙がないめんどくさい感じの人っぽくないですか（笑）？　片付けができないからいい感じの緩さを持ててる気がする。だから短所って長所でもあるんだと思います。

──そういうエルさんから生まれたのが、このアルバムに収録された11曲ですね。5月に配信された「maybe love u」は、ミュージックビデオも良かったです。アメリカの学園ものの映画みたいで。

Elle Teresa：エルはああいうのもハマるし、何でもハマるんですよ。すっぴんの顔が薄めなんで、服やメイクが結構何でも似合うんですよね。だから、この曲のミュージックビデオみたいな学園ものもスッとハマったと思います。



──「on my Side」のミュージックビデオはエルさんが編集も手掛けましたし、音楽以外の表現に対しても積極的ですよね？

Elle Teresa：はい。そうやって何かが出来上がった時が、めっちゃ嬉しいんです。いろいろやりたいんですよ。ネイルも好きだし、昔から図工の授業とかが好きだったから。そういえば、小学校の頃に新聞を作る授業があったんです。地元の静岡はミカン畑があるから、社会科見学に行って知った情報をまとめて新聞を作ったんですよね。そういうのが好きだったって、最近になって思い出しました（笑）。何かをまとめて、パッケージングするのが好きというか。そのシーズンの自分のキャラクターを作って表に出すのが好きなんですよ。



──音楽を作る時も、「曲」という形でパッケージングするのを楽しんでいるということですね？

Elle Teresa：はい。そうなんだと思います。

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