【連載】中島卓偉の勝手に城マニア 第118回「逆井城 (茨城県) 卓偉が行ったことある回数 1回」
2022年4月に地味に関白宣言ならぬ独立宣言をした中島卓偉です。もう何年このコラムを書かせていただいているのでしょうか? 100以上の城を紹介させていただきました。流石にそろそろ紹介出来る城も減ってきたなと思う中、tvkさんの城番組も連動して、今までは番組でロケした城を紹介出来たのですが、その番組も3月で終了。tvkのない卓偉はヴィンス・ニールを解雇しジョン・コラビが加入する前の骨抜きのモトリークルーのようでした (ジョン・コラビが参加した『MOTLEY CRUE』は名盤です)。3月のコラムを最後にちょっとお休みしますなんて言いましたし、4月は独立の準備で忙しかったのですが、もう復活! 引き続きこのコラムを継続させてくれたBARKSスタッフの皆様、JMN統括編集長の烏丸さん、本当にありがとうございます!
「卓偉くんが書ける時に書いてくれるで構わないし、この先に城を見学してコラムで紹介出来そうだと思った時に書いてくれるで全然良いからね」と言ってくれたBARKSサイド。え? 何? BARKSの皆さんはバファリンなの?と思うほどの優しさを感じました。よって不定期になるかもしれませんが、ひとつこれからもよろしくお願い致します!
ガキの頃、行ったきりの九州地方の城も紹介したいんですけどねえ。ただ今は整備や復元も進み、'80年代初頭のテクノカットが流行る前の時代の、僕が見た当時の城とは変わっていて当然。安土城も僕が初めて行った時は平成の発掘調査前で大手道も真っ直ぐじゃありませんでした。大洲城の天守も木造復元されておりませんでした。名古屋城の本丸御殿もございませんでした。僕も身体中の毛が生え揃っておりませんでした。ガキの頃一回だけ見た城を43歳の枯れたおっさんのイマジンで書くのもどうかと思いまして、それは今後にご期待ください。ツアーなどで行けたら是非観光してコラムに落とし込みたいと思います。
◆ ◆ ◆
さて、今回紹介するのは茨城県の逆井城、さかさいと読みます。確実な歴史はわかっておりませんが、おそらく逆井氏によって1500年代初頭に築城、1500年代半ばに北条氏によって改修されており、おかげで城の作りがお洒落。さすが北条氏。その後に豊臣秀吉に北条が滅ぼされ廃城。昭和10年代まで外堀まで残っていたそうですが、埋め立てられて今の大きさに。逆井城の魅力はなんと言っても初心者向けなところです。平地に建てられた平城で、見学するにアップダウンがない。城の大きさもコンパクトなので見やすい。戦国時代当時のデザインで塀、櫓、木橋などが模擬ではありますが建てられていること。ビギナーに当時をイマジンしてもらうことはなかなか難しいのですが、この城はすんなりタイムスリップが可能。たまりません。
城の構造としては、北側の西仁連川を外堀に、周りは蓮沼で、いわゆる湿地帯、茨城県は土地的に湿地帯が多いってのがありまして、それを堀扱いにして防御するってのがあるあるです。大手側には曲輪が連なり、大軍も収容出来るスペースがあり、北条氏の東関東の防御、駐屯地としても機能。西仁連川の水を大手まで引っ張り船着き場にしていたところなど実にお洒落。空堀と水堀と土塁の城ではありますが、見所は満載。先程もお伝えした戦国当時の櫓などを発掘調査に基づいて模擬建設しております。物見櫓などはまさにこの当時はこういうデザインだったわけです。関宿城の薬医門を移築してあったり、古河城の書院を建ててあったりと、まとめて戦国時代の城の在り様を見ることが出来ます。
ここで、久しぶりに城の豆知識行きましょうか。春ですし。今までも何度か説明させていただきましたが、やっぱりこういうことは定期的に説明を入れた方がわかりやすいと思うんですよね。春ですし。
まず城の構造の種類です。
「山城」。これはわかりやすく山に築かれた城を言います。
「平山城」。これは山や丘に城を築き、麓にも城の面積が広がっている城を言います。
「平城」。平地に築かれた城を言います。
簡単に掻い摘んで言うと基本はこれ。中には海に面した海城や、川の水を引いて「水城」という括りもあります。
城の最初はほとんどが山城でした。山に立て籠もり敵を見張る。それがだんだんと平地に築かれるようになったのは単純に暮らしやすさの為とも言われております。徳川幕府が天下統一をして、戦のない江戸時代になり、よっぽど平城が増えました。関東平野に建てられた城は平城が多いですが、日本は山国だけに山城の数が圧倒的に多いです。これを踏まえて今は何の城を見ているのか理解しながら、卓偉のことも思い浮かべながら見学すると良いでしょう。
それから歴史建造物の種類についても説明致します。
歴史マニア、城マニアの中で一番最高なのが、「現存」。です。現存は当時から残っているものを指します。当然ながら修復はされてはいますが、現存というだけで価値が高い。マニアからするとこれだけあれば十分なのですが、現在は外観復元、木造復元、復興天守、模擬天守などなどたくさんの歴史建造物があります。これの価値と種類についても豆知識をお伝えします。まず何度も言いますが、現存。これに勝る物はありません。
次は「木造復元」。これは当時の設計データが細かく残されいて、または幕末から終戦の1945年までの古写真が残っており、空襲や落雷などで焼失したけれども、完全な当時のままの木造復元が可能と判断した上で建て直された物を指します。これはセーフ。むしろ良くやってくれたと拍手を送りたいです。
基本は歴史マニアの納得はここまで。さて、ここからは愛を持って真実を指摘させていただきます(笑)。いや、でもね、現代は歴史が見直されて来ているので、むしろちゃんとお伝えすべきだと思っています。今までも何度も書いて来たことですが、日本の歴史をちゃんと継承していく為にも、世界の観光客に疑問を持たせない為にも必要なことだと思います。
「外観復元天守」。これは見た目は当時のままですが、基本は木ではなくセメントで作ってあり、中は職員室みたいなパターン。古写真は残っているが、室内の設計データが残っていないのにも関わらず、外観だけ復元しちゃいました系。わかるよ、町のシンボルが必要ですし、高度急成長の時の町の発展に観光客を増やす為には絶対に城の天守は必要だったことはわかります。セメントの方が壊れないしメンテナンスも少なくて済む。でもなあ。。。旧車に現代のエンジンを積んで“壊れません”って言ってる車と同じなんですよね。それは旧車ファンは絶対に買わないし乗らないわけでして。
次は「復興天守」。これは言い伝えだけが書物で残っているだけで、設計データも、古写真もないけど、デザイナーにお願いして天守建てちゃいました!系。安土城もずっとこれに賛否がありますね。言い伝えの書物はリアルに残っていますが、天守の絵を描いた屏風が見つからない限り、復元天守はあり得ないという話。でも安土城の天守をもう一度という声は大きいのも確か。でもやっぱりイマジンだけで建てちゃさ。。。
最後は「模擬天守」。これはね、本当に町興しの為に、それこそ昭和の高度急成長の時代に建てられた物で、天守がそこにあったかもわからないのに、設計データも古写真も残ってないのに勝手に利権で建てちゃった!系。これ世界中の観光客が、WHY????を繰り返しています。でも現実このパターンが多いのよ。これも、もちろん観光地にする為には必要なことだったとわかります。でも歴史を継承していく為には、残念ながら世界に胸を張れるものではないんだよね。天守に限らず模擬の櫓、模擬の門、模擬の塀も多いです。一度あなたの街の城の建造物がこれのどれか調べてみてください。僕は全部知ってます。
このことを日本の歴史研究家、歴史マニア、海外の歴史研究家までが長らく指摘。僕の親父もずっとそれを言っていましたね。だからこそ現存の素晴らしさと偉大さにも気付けた部分もあります。近年、名古屋城も外観復元だった天守を壊し、ちゃんと木造復元するとニュースになりました。素晴らしいことだと思います。名古屋城天守はアメリカの空襲で燃えなければ、とっくに世界遺産でした。空襲前に国宝になっていましたしね。
話は戻って、逆井城の模擬は敢えてセーフと言わせてください。何故ならば、発掘調査によりわかった中世の城の建物の大きさや幅などを忠実に再現し、戦国当時の大体のデザインを施し、これ見よがしにはしていないこと。これはでかい。戦国時代の城をより良く知る為のテーマパークとして、大きさも考慮して建てられていることが素晴らしいのです。これは勉強になります。歴史の模範と言うか城の知識を得るための教科書と言える雰囲気を持っているのです。これだったらむしろわかりやすい。逆井城を見学してからあなたの地元の城を見学すると見方が変わること請け合いです。
最後に僕個人の想い、歴史マニア、城マニアとしての想いを書きます。
それこそ復元もいらないのです。そこに昔、お城があったという事実だけで十分なのです。今わかっていることだけを掲示板やサイトに掲載してくれるだけで良いのです。その場所に行き、目を閉じ、想像する。石垣、土塁、堀、土橋、これらを機械がない時代に何年もの月日をかけ、人力で建てたという事実にただただ感動するのです。それが今もここに残っている、そこに涙が出るのです。先祖、家族、家来、女性や子供、縄張りを守る為に男達は戦をし、攻められてはならぬと趣向をこらし築城した城に男らしさを感じずにはいられないのです。僕が生きている間にせめて、真実が掲示板に、そしてサイトに書かれ、世界に笑われない建造物だけが存在し、それを未来の歴史好きの子供達が学び、継承していってくれることを望みます。全てとは言いません。逆井城のように例外もあるでしょう。むしろ逆井城は夢を継承する為にはありだと僕は思うのですから。日本人は世界で最古の歴史を持つ人種です。歴史上、一度も奴隷制度を作らなかった人種です。義務教育で真実の日本史を学ばせるべきです (世界史もです)。我々の先祖が残してくれた日本の歴史の素晴らしさを、城の素晴らしさを伝える一人として今後もこのコラムを使わせていただきたいと思っております。なんだよ、真面目だな。
あぁ 逆井城 また訪れたい…。
■配信情報
2022年7月7日(木)配信開始
https://linkco.re/gYqGM5f0?lang=ja
■Digital Single「風に飛び乗れ」
2022年5月14日(土)配信開始
各音楽サイトにて
■<中島卓偉 TOUR 2022「DESTRUCTION chapter 1」>
【東京】
8月13日(土) Veats Shibuya
・1公演目:open13:00 / start13:30
・2公演目:open16:00 / start16:30
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
【大阪】
8月14日(日) OSAKA MUSE
・1公演目:open15:00 / start15:30
・2公演目:open18:00 / start18:30
(問)OSAKA MUSE 06-6245-5389
【愛知】
8月17日(水) Electric LadyLand
・1公演目:open15:00 / start15:30
・2公演目:open18:00 / start18:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
▼Support Musician ※全公演共通
G:you (Nicori Light Tours / ex.Janne Da Arc)
B:Ju-ken
Dr:SHINGO (THE TERROR’S 666 / ex.JURASSIC)
▼チケット ※全公演共通
前売り ¥6,500-(税込) ※ドリンク代別
一般発売:7月9日(土) 10:00~
■<VOCAL SUMMIT 2022>
open15:00 / start15:30
▼出演
森友嵐士(T-BOLAN)
来夢(キズ)
田澤孝介(Rayflower / fuzzy knot)
中島卓偉
椎名慶治 (SURFACE)
TAKUMA(wyse)
RYO (KING)
▼SPECIAL BACKBAND
三代堅(G)、Kenji(G)、Ju-ken(B)、kiyo(Key)、小柳“cherry”昌法(Dr)
▼司会
DAISHI (Psycho le Cemu)
▼チケット
全席椅子席 前売8,000円
https://twitter.com/VSummit2022
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