【速レポ】<京都大作戦2022>G-FREAK FACTORY、「ここに帰ってくるまでに、10年掛かってます」
温かい拍手に出迎えられたG-FREAK FACTORY。最後に姿を現わした茂木洋晃(Vo)は、マイクを握ってまず一言。
◆G-FREAK FACTORY ライブ写真
「元気に帰ってきました。新人バンドのつもりで始めます」──茂木洋晃
そんな彼らが選んだ1曲目は、G-FREAK FACTORYの曲の中でも攻撃的な顔つきの「SOMATO」。原田季征(G)の弾く勢いあるリフ、吉橋“yossy”伸之(B)と渡部“PxOxN”寛之(Dr)が生むえげつないほどグルーヴするリズムに乗り、オーディエンスと笑顔でコンタクトしながら歌う茂木。琴の音色を合図に突入した「REAL SIGN」では、自然にハンドクラップも起こり、G-FREAK FACTORYとひとつになっていくオーディエンス。そんな光景を、レゲエカラーのグリーンとレッドに点滅する照明が鮮やかに彩っていった。
「久々の源氏に帰ってきました。日本のブラジル、群馬からやってきましたヴィジュアル系バンド、G-FREAK FACTORYです。相変わらずカッコ良くてすいません。2008年の<京都大作戦>、ここ源氏に立ったとき。あのときは世の中がウイルスもなく健康状態で。だけどビックリしたわ、あのときの倍、人がいるわ」──茂木洋晃
実際にあのとき観ていたが、確かに今日はあのときの倍どころか、もっと。それに、観たいという意欲に満ちた視線だけが、G-FREAK FACTORYのメンバーに向けられている。そんな期待も受けながら茂木が歌い始めたのは、あの曲だった。『10-feat』でG-FREAK FACTORYがカバーした10-FEETの曲「アンテナラスト」だ。茂木が一節歌うと、その続きを歌いながらステージ袖から出てきたのは10-FEETのTAKUMA。人とのつながりや愛情を描いたナンバーを本心や言葉を交わすように歌う二人。
そこで思い出されるのは、10-FEETとG-FREAK FACTORYとの結びつき。もうバンドを終わらせようと茂木がしていたとき、TAKUMAは彼らの地元の群馬まで行き、バンドを続けるように説得。そのためなら力も貸す、と。そしてG-FREAK FACTORYが再び動き始めたとき、それを喜び、それまで以上に交流するように。あるときは、TAKUMAは10-FEETのツアー先の北海道から群馬でG-FREAK FACTORYが行なっているイベントまでやってきて、メンバーを元気づけ、数十分の会話を交わして、ツアー先に戻っていったという。茂木とTAKUMAが、今、歌う「アンテナラスト」の歌詞のひとつずつには、その裏側に多くの思いがこもっているように感じられた。
「2007年から始まった<京都大作戦>。2007年は台風で流れてしまって、2008年に倍返しをするから出てくれって、実績もない俺達を源氏に呼んでくれた10-FEET。2009年、また10-FEETは俺達をこの源氏ノ舞台に誘ってくれた。しかし、俺達は2008年を超えるライブができないから、と勝手な判断をして断ってしまった。それからというもの<京都大作戦>では、ステージではなく、そちら側で遊ぶようになって。2013年、ようやく牛若にG-FREAK FACTORYを呼んでもらえて。14、15、16と牛若やって。17年には牛若のトリをやって、18年はどうなるかなと思ったら中止になって。2019年は雨で中断になって…。まあ、この季節、天候とか災害とか多くのものが邪魔してくるけど。2020年に源氏に帰ってこないか、と。そうしたらコロナで中止になって。2021年、2週目は開催できなくなって。つまりここに帰ってくるまでに、牛若から始まった第二章、10年掛かってます」──茂木洋晃
開演のとき以上に大きく温かい拍手がG-FREAK FACTORYを包んだ。「今年、源氏に立たせてもらって。もしよければ、来年、また牛若に帰ってもいいと思ってます。牛若にも場所がなかったら、宇治駅前で“弁慶ノ間”というのを作って、勝手に<京都大作戦>を応援しに来ようと思っています」──茂木洋晃
思わずこぼれる笑い声。目の前に広がるオーディエンスの姿を改めて見ながら、茂木はこうも言った。
「俺達が今喰らってるのは風評です。今日フェスに行くこと、嘘ついて来てるヤツもいるかもしれない、アリバイ作って来ているヤツもいるかもしれない。それでも来てるんだろ、ここに。バカなのか、覚悟が決まった賢いヤツなのか。今日ここで、太陽が丘で、源氏で、空気を共有しています。ありがとう」──茂木洋晃
原田の弾くドラマティックなフレーズから始まったのは「Fire」だ。願いの歌であり、願いを叶えるために一歩踏みだすための歌。さらに「Too oLD To KNoW」では、“もう、その声は出せない。ならばコブシで来いよ、大作戦”と歌詞を変え、振りかざすオーディエンスのコブシが、曲を力強く演出。心も身体も持っていかれるのがG-FREAK FACTORYのライブであり、曲だ。
「ありがとう、大作戦。ありがとう、10-FEET。ありがとう、この時代、ここを選んだ全ての大作戦バカども!」──茂木洋晃
<京都大作戦>をずっと愛する仲間たちに茂木が叫んだ。そしてラストにG-FREAK FACTORYが選んだのは代表曲のひとつ「ダディ・ダーリン」。感謝と優しさ、苦悩と葛藤、いらだちと喜び、人としての生き方、自分の在り方、全てを問う歌でもある。エンディングでは、演奏を終えて楽器陣はステージを去るが、なおも茂木は言葉を次々に重ね続ける。
「あるべきして、今日、ここにあるもの。2022年7月3日、京都大作戦、源氏ノ舞台。喰らうこと、時が経てばどうでもいいようにもなる。忘れることができるのも人間。忘れればいい。忘れればいい。またここに帰ってきて、この10年掛かった思い、思い出させてやるから。史上最強のローカルバンド、最高傑作、G-FREAK FACTORYでした。ありがとう!」──茂木洋晃
オーディエンスの拍手と涙は止まらない。絶対に忘れることはできない。全てを懸けたG-FREAK FACTORYのステージだった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN/瀧本 JON...行秀/青木カズロー
セットリスト
2. REAL SIGN
3. アンテナラスト w/ TAKUMA (10-FEET)
4. Fire
5. Too oLD To KNoW
6.ダディ・ダーリン
■10-FEET主催<京都大作戦2022 〜今年こそ全フェス開祭!〜>MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2022 ~Hope for whole day festivals this year!~
2022年7月03日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月09日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月10日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30/start11:00
■出演アーティスト ※50音順■
▼7月02日(土)
【源氏ノ舞台】打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
▼7月03日(日)
【源氏ノ舞台】Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 四星球 / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】Age Factory / THE冠 / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN
▼7月09日(土)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN / The BONEZ / サンボマスター / 10-FEET / Dragon Ash / Vaundy / My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】上江洌.清作&The BK Sounds!! / go!go!vanillas / SHE'll SLEEP / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Dizzy Sunfist / NOISEMAKER
▼7月10日(日)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ / Ken Yokoyama / 湘南乃風 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】KOTORI / Saucy Dog / SHIMA / TETORA / Paledusk / HOTSQUALL
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。
▼チケット料金
1日券 8,778円(税込) /前2日券 17,556円(税込) /後2日券 17,556円(税込)
▼チケットに関するお問い合わせ
(問)インフォメーションセンター(平日のみ)
https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact
▼公演に関するお問い合わせ
(問)サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp/contact/
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)
【京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策について】
「京都大作戦2022」では、新型コロナウイルス感染症の予防と感染拡大防止及び、お客様・出演者・スタッフの安全を確保するべく、感染症対策ガイドラインを定め、対応に最善を尽くして参ります。チケットのご購入ならびにご来場に際しましては、必ずご確認いただき、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。(オフィシャルサイト掲載文言抜粋)
京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン:https://kyoto-daisakusen.kyoto/22/guideline/
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