【速レポ】<京都大作戦2022>打首獄門同好会、<京都大作戦>トップバッター「音楽シーンが大豊作となるように」
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて開催を断念、そして2週にわたって開催予定だった2021年は1週目のみの開催になってしまうなど、この2年間はコロナ禍でミッション完了とはならなかった<京都大作戦>。
◆打首獄門同好会 ライブ写真
15周年を迎えた今年は<京都大作戦2022〜今年こそ全フェス開祭!〜>と題して、この数年の思いをタイトルにも刻んだ。早々に梅雨が明けて、連日体温越えの気温が続く7月2日(土)、いよいよ<京都大作戦>が幕を明けた。
2週にわたる開催の1週目、源氏ノ舞台の1番手を担うのは、今回で京都大作戦2回目の出演となる、打首獄門同好会だ。2021年秋にバセドウ病のためドラムを休養し、ステージ上の静養ブースでボーカルを務めていた河本あす香(Dr)が4月にドラム復帰。大澤敦史(G,Vo)、junko(B)、河本あす香(Dr)が揃い、本来の形での打首獄門同好会での出演となる。
走ってステージに登場し、後方のオーディエンスにも見えるような大きな“獄”が描かれた布を掲げる大澤。そこに河本、junko、VJ風乃海が登場、「それでははじめましょう」という大澤の声でスタートしたのは「新型コロナウイルスが憎い」。
コロナ禍真っ只中で発表され、“夏フェスも祭りも全部中止 こんなはずじゃなかった2020”“しかし、この音は止めてなるものか”と歌うそのまっすぐな思いに多くの人が大きく頷き、支持されてきた1曲だ。このステージでは、歌詞に“京都大作戦”を盛り込んでその開催を祝福するとともに、一番手の大役を果たすように高らかに<京都大作戦>をスタートした。
まだ午前11時にもかかわらず、照りつける太陽が強烈な上にグラウンドからも熱気が昇ってくる、源氏ノ舞台がある太陽が丘。のぼせそうな暑さだが、音楽がはじまれば元気に“新型コロナウイルスが憎い”に合わせてコブシをあげるオーディエンス。
続いて「それでは京都にまつわる曲を」と演奏したのは、レキシとのコラボ曲で新撰組をテーマとした「鬼の副長HIZIKATA feat.ぼく、獄門くん」。大澤の隣には、陽気なポーズのレキシの等身大パネルが並ぶ。そんなシュールなステージ上から放たれる、さらにシュールな“ひじ ひじ ひじ ひじ”“かた かた かた かた”“肘 肩 腰 膝”というシンガロングに、オーディエンスは歌に合わせて肘を上げ、肩を揺らす。
体がほぐれたところでさらに、「暑いですね。ライブを元気よく過ごすためにスクワットをやらないかー!」「筋肉は友だちだから」と大澤が語りかけて、「筋肉マイフレンド」へ突入する。華麗なギターのタッピングから、ドラム&ベースのヘヴィなビート、メタリックなギターリフで攻撃的なバンドアンサンブルを轟かせ、またストイックに鍛え上げるようにさらに重厚なブレイクダウンを繰り出す。「みんなもやってみよう」(大澤)の声とともにVJのスクリーンには“スクワットタイム”の文字が映し出され、筋トレにぴったりな重々しいリフや軽やかなリズムに乗せてオーディエンスが腰を落とす。一番手の、しかも序盤からカロリーを大幅に消費させるといういけずなセットリストである。
「この言葉は、1日目のトップバッターがいうのがいちばん説得力がある──京都大作戦へようこそ、皆さん」と大澤がいう。そして改めて、思うようにいかない2年間があったが、こうして呼んでくれた感謝を10-FEETや京都大作戦を作り上げているスタッフたちへと伝えた。打首獄門同好会としては、2017年に牛若ノ舞台に初出演し、開催できなかった2020年、そして2021年にも2週目に出演予定だったがあえなく中止となってしまった。「奇しくも、この言葉を言える立場になってしまいましたので一言だけ言わせてください。あの丘を越えるのに、5年かかりました」(大澤)。その言葉に大きな拍手が起こる。
そして中盤は、コロナ禍で何もできない、どこにも行けない憂いを込め、またそれを痛快に吹き飛ばすようなミクスチャーサウンドで、「地味な生活」を披露。そしてまさにこの暑さにぴったりな「なつのうた」を続ける。清涼感のあるブリージーなボサノバ風のギターフレーズから、一転して“あつい”“やばい”とデスボイスを繰り広げるギャップチューン、今最もリアルなあるあるチューンに、オーディエンスの腕もいちだんと高く掲げられた。
そしてここからは、灼熱をもろともせず、それどころか気温を何度も上げるようなアグレッシヴでな定番曲を連投する。河本が力強い2ビートを腹に響かせ、junkoはステージ前方でダイナミックにロングヘアを揺らしプレイする「きのこたけのこ戦争」。
「シンガロングできない分は手拍子で三三七拍子を」(大澤)というと、「島国DNA」では“魚 魚 魚(ウオ)”に合わせ大きく盛り上がっていく。そしてラストには8月からツアーがはじまり、新曲がリリースされることを告げ、徐々にではあるが戻りつつあるライブシーンへの思いを語り、「この京都大作戦に続き、どこのフェスも無事に開催されてほしい。音楽シーンが大豊作となるように」(大澤)と願いを込めて、「日本の米は世界一」を演奏。いつにもましてアンセミックに、そして一番手として京都大作戦開催の祝砲をあげるパワフルなステージを展開した。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN
セットリスト
2.鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん
3.筋肉マイフレンド
4.地味な生活
5.なつのうた
6.きのこたけのこ戦争
7.島国DNA
8.日本の米は世界一
■10-FEET主催<京都大作戦2022 〜今年こそ全フェス開祭!〜>MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2022 ~Hope for whole day festivals this year!~
2022年7月03日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月09日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月10日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30/start11:00
■出演アーティスト ※50音順■
▼7月02日(土)
【源氏ノ舞台】打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
▼7月03日(日)
【源氏ノ舞台】Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 四星球 / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】Age Factory / THE冠 / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN
▼7月09日(土)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN / The BONEZ / サンボマスター / 10-FEET / Dragon Ash / Vaundy / My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】上江洌.清作&The BK Sounds!! / go!go!vanillas / SHE'll SLEEP / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Dizzy Sunfist / NOISEMAKER
▼7月10日(日)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ / Ken Yokoyama / 湘南乃風 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】KOTORI / Saucy Dog / SHIMA / TETORA / Paledusk / HOTSQUALL
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。
▼チケット料金
1日券 8,778円(税込) /前2日券 17,556円(税込) /後2日券 17,556円(税込)
▼チケットに関するお問い合わせ
(問)インフォメーションセンター(平日のみ)
https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact
▼公演に関するお問い合わせ
(問)サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp/contact/
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)
【京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策について】
「京都大作戦2022」では、新型コロナウイルス感染症の予防と感染拡大防止及び、お客様・出演者・スタッフの安全を確保するべく、感染症対策ガイドラインを定め、対応に最善を尽くして参ります。チケットのご購入ならびにご来場に際しましては、必ずご確認いただき、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。(オフィシャルサイト掲載文言抜粋)
京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン:https://kyoto-daisakusen.kyoto/22/guideline/
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