【コラム】ボーイズグループ群雄割拠の時代に改めてDa-iCEを知る

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昨今、日本のボーイズグループシーンがさらに盛り上がりを見せている。直近1〜2年でデビューしたボーイズグループだけ見ても、『PRODUCE 101 JAPAN』発のJO1、OWV、円神、『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』発のINI、OCTPATH、『THE FIRST』発のBE:FIRSTと多くの若い才能たちが花開いている。

いずれのグループもオリジナリティを持っており、ハイレベルなパフォーマンスで楽しませてくれたり、輝かしい記録を次々と樹立したりと、盛り上がりに貢献をしている印象だ。最近ではレーベルや事務所の垣根を超えた共演も増えてきており、ファンが喜ぶコラボレーションも少なくない。

こうした新進気鋭なボーイズグループも然ることながら、シーンの盛り上がりに約10年前から貢献し、道を切り拓いてきたグループがいる。5人組ダンス&ボーカルグループのDa-iCEだ。2021年末、『第63回日本レコード大賞』で大賞を受賞したことで彼らを知った方も多いはずだが、彼らの活躍はそれだけではない。

例えば『第63回日本レコード大賞』を受賞した彼らの代表曲「CITRUS」は、サブスク総再生回数2億回を突破。2021年4月2日にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」にアップされた「CITRUS」の動画は再生回数約2400万回再生を記録しており、「THE FIRST TAKE」の中でも再生回数上位に位置づけている。さらに7月13日、「THE FIRST TAKE」へ「Promise」の動画がアップされることも発表され、ますます注目を集めていきそうだ。





そんなDa-iCEの数ある魅力の一つとして挙げられるのは、ボーカルを務める花村想太と大野雄大の歌声だろう。花村は天賦の才能とも言える魅力的な歌声とハイトーンボイス、大野は抜群の安定感と耳に心地よい声色、それぞれのハッキリとした武器を持っており、2人とも歌唱力はトップクラスと言っても過言ではない。個性がハッキリしているにもかかわらず、相性が抜群であるのもこの2人ならではだろう。

歌唱力が高い2人がゆえ、Da-iCEの楽曲は難なく歌っているように聴こえてしまうが実は相当ハイレベルだ。「CITRUS」は言わずもがな、今回アップされる「Promise」もかなりの難易度である。キーや転調、リズムは然り、シンプルなロックバラードだからこそ“聴かせる”表現をするのがとにかく難しい。カバーするのも一筋縄ではいかないはずだ。



例えば、“暖かみ”。同曲は『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』の主題歌で、楽曲のテーマにも“家族愛”が据えられている。壮大さを感じさせるトラックに乗っている2人の声と歌詞からは、家族を彷彿させる暖かさが伝わってくる。こうした表現の面でも、天才ボーカリスト2人がどう魅せるのか注目したい楽曲である。

さらに、同曲の作詞・作曲は花村によるもの。リリース当初、花村はSNSで「最強の雄大くんを聴いてほしくて落ちサビを作った」と語っており、普段であれば細かくパート割がされる落ちサビを大野が丸々担当している。そうすることで、彼が持っている、まるで温泉に入ったかのように暖かくなれる歌声が存分に発揮されているのだ。これは長年活動を共にし、家族以上に知り尽くしているメンバーが手掛けた楽曲だから引き出せたことなのだろう。

そして、同曲に限らず花村とリーダーの工藤大輝は多くの楽曲制作を行なっており、時に他アーティストにも楽曲提供をしているほど。こうした部分でも高いアーティスト性を発揮しているのはDa-iCEの強みだ。実際「Promise」が収録されているEP『REVERSi』でも、提供曲2曲を除いたすべての楽曲制作にメンバーが携わっている。



また、ぜひDa-iCE公式YouTubeチャンネルにアップされている「『Promise』Official Dance Practice」もチェックしてみてほしい。s**t kingz・shojiが振付を担当しており、非常にエモーショナルでクオリティが高いダンスパフォーマンスが楽しめる。ハイレベルのダンスでも5人全員のダンスががバッチリ揃っているのも、Da-iCEの素晴らしさの一つだろう。影には相当な努力があると想像できるが、それを感じさせないのも見事だ。



しかも、ライブではこのキレキレのダンスを披露したまま花村と大野は被せ音源なしで歌っているから驚きだ。もちろん工藤、岩岡徹、和田颯のパフォーマー3人も流石のひと言で、世界トップレベルのダンサーたちによる振付を難なくこなしている。

単に「うまく踊る」のではなく、自分たちの世界観、楽曲に沿ったストーリー、それぞれの個性などもしっかり反映し、どんな楽曲、どんな振付でも「Da-iCEのパフォーマンス」に昇華しているのは、彼らが高いスキルを持っているからこそだろう。しかも、それだけではなく工藤や和田などが自分たちで振付をすることも。アーティストとして、隅々まで自分たちのクリエイティブを披露してきているのだ。

ちなみに、2022年2月2日からは初の冠番組『Da-iCE music Lab』(日本テレビ系)がスタート。同番組では様々なアーティストと共演し、ゲストの魅力を引き出すトーク力も発揮している。先に挙げたJO1やINI、BE:FIRSTも出演済みで、Da-iCEは多くのアーティストのハブ役的存在として交流を深めているようにも見える。そういった存在になるには、周りからのリスペクトがなければ成り立たない。ファンだけではなく、アーティストからの支持も持っている彼らだからこそできることではないだろうか。

こうして見てみると、Da-iCEは歌、ダンス、振付、クリエイティブ、華やかさ、表現力、トーク力と、多面的な才能を持ったメンバーが集まっていることがわかる。これまで以上に注目が集まって然るべきグループと言えそうだ。6月5日に行なった写真集『+REVERSi』発売記念イベントで、大野が「NHK紅白歌合戦に出たいです」と意気込みを語っていたが、出場したとしても何ら不思議ではない。

むしろ『NHK紅白歌合戦』を始めとする、大型音楽番組に出場し、より幅広い人々に彼らの実力を見せつけてほしい。まずは7月13日に公開される「THE FIRST TAKE」でさらに注目を集められるかが鍵となるだろう。そして、年末の目標へのチケットをぜひ手に入れてほしい。

文◎高橋梓

<Da-iCE ARENA TOUR 2022 -REVERSi->

2022年7月23日(土)【大阪】大阪城ホール 16:00/17:00
2022年7月24日(日)【大阪】大阪城ホール 14:00/15:00
2022年8月11日(木・祝)【愛知】日本ガイシホール 16:00/17:00
2022年8月13日(土)【福岡】福岡国際センター 16:00/17:00
2022年8月14日(日)【福岡】福岡国際センター 14:00/15:00
2022年8月20日(土)【神奈川】ぴあアリーナMM 16:00/17:00
2022年8月21日(日)【神奈川】ぴあアリーナMM 14:00/15:00

◆Da-iCE オフィシャルサイト
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