【ライブレポート】サンダー、30年以上のキャリアで今が絶頂期

ポスト

2021年にリリースされた『All the Right Noises』で再び脚光を浴びていた彼らの最新ツアーのリスケジュールである。ようやくのツアーだが、コロナ禍によるツアー延期中にバンドは更なる新作『Dopamine』を2022年4月に発表。それもバンド史上初となる2枚組であり、内容もとにかく素晴らしい。という事は、『Dopamine』もこのツアーで聴けるのだろうか?期待は高まるばかりだ。


本国でのライブは2バンドがオープニングアクトを務め、ドアオープンから2時間ほど経過した頃、AC/DCの「Thunderstruck」と共にバックドロップにTHUNDERが写し出される。

女性コーラス2名とキーボードも参加したステージは、何ともゆるりとした雰囲気で始まるが、オープニングから重低音がクールな「Last One Out Turn Off the Lights」「The Western Sky」と最新2枚のアルバムのトップから!やはり『Dopamine』もセットに加えた内容のようだ。





映像の演出はあれど基本的にはシンプルなステージと飾らないメンバーたち。久しぶりに観た印象は、良い感じに円熟した英国紳士。

渋めのベン・マシューズ(G)と反して、レフティのルーク・モーリー(G)は、パフォーマンスも派手に決めていく。ベースのクリス・チャイルズとコーラスワークもきっちりこなすし、新しめのギターも登場していた。レスポールだけは当時のものに見えたのだけれど、実際のところをいつか聞いてみたいものだ。

ダニー・ボウズ(Vo)の哀愁の歌唱はエモーショナルで余裕さえも感じられる。「昨夜のホワイトスネイクを観た人はいるかい?(前日、同会場にてホワイトスネイクがフェアウェルツアーを行っていた)アメージングだったよね。実は9年前の今日、僕らはこの会場で一緒にプレイしたんだよ、ジャーニーもね」「あの時はノイジーだったよ、今日はどうだい?」の問いにノイジーに答える観客たち(笑)。









フロアはだいぶアルコールで出来上がっている状態でタチの悪い酔っ払いたちも居たのだが、「Low Life in High Places」や「Love Walked In」では酔っ払いまでもしっとりと声を合わせるから見事。

30年以上のキャリアで、これまでも優れた楽曲と個々の演奏力の高さは明白であるが、今が絶頂期ではないかと思う。その理由として、アンコールまで含め最新の2作から10曲も披露した事だ。ツアーがリスケジュールされたからこそ、この内容が観られた事は非常にラッキーであったし、日本のファンにも観せてくれる日を願う。

文・写真◎Sweeet Rock / Aki

<THUNDER Tour 2022 >

2022.5.26 Motor Point Arena Cardiff, England
1.Last One Out Turn Off the Lights
2.The Western Sky
3.Higher Ground
4.One Day We'll Be Free Again
5.Resurrection Day
6.Unraveling
7.The Devil Made Me Do It
8.Destruction
9.Low Life in High Places
10.Young Man
11.Black
12.Love Walked In
13.Across the Nation
14.Backstreet Symphony
Encore
15.Last Orders
16.Dancing in the Sunshine
17.Dirty Love






この記事をポスト

この記事の関連情報