【ライブレポート】mono palette.、「君たちには返しきれないくらいの愛をもらっている」

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「僕たちが武道館っていう大きい目標に向かって歩いていく中で、君たちには今返しきれないくらいの愛をもらっているんですけど、どんな形であっても君たちには‟ありがとう”を伝えていきたいと思っています」

◆ライブ写真

3月30日、ライブホールとしては国内最大級の東京・Zepp Hanedaにて開催されたmono palette.による<mono palette.5th Anniversary One-Man Naughty Royal>の公演中、リーダー・あげいんが放った言葉だ。グループとしてのスケールアップを証明したこの一夜を彩ったのは、まぎれもなく、たくさんの愛だった。


ステージの紗幕上でカウントダウンが始まると「Zepp Haneda東京!!ずっと会いたかったよ。今日は幸せにするよ!」と紗幕を打ち破るように気迫のこもったあげいんの声がステージ奥から響いた。途端に勢いよく落ちる紗幕。ライトアップされたステージにmono palette.の4人が現れた。ステージ後方から3部を先頭にしてメインの1階フロア前方部分へと降りていった1曲目「フィキサチーフ」、ダンスパフォーマンスを取り入れたオリジナル曲「抵抗禁止令」をはじめ、広いステージを有効に使いながら、客席を沸かせるmono palette.。


今年に突入してからのmono palette.は、オリジナル曲をすでに2月から1ヶ月ごとに3曲もリリースしていて、勢いが止まりそうにない。もちろん、その先にある目標は、2021年10月10日に開催された東名阪ツアー<mono palette.summer tour 2021 -skull sign->のリベンジ公演で、あげいんが宣言した“日本武道館でライブをすること”だ。この日のステージの使い方、グループとしての規模の拡大を示すように次々と披露される新曲から、今この場を楽しみながらも、確実に彼らが目指している先は存在していることがわかった。


mono palette.のライブでは何度か耳にしてきた「KING」と、ふざけ合う4人が飛び出す「ダーリンダンス」は、日々実写動画をあげてファンを飽きさせないことを心がけているmono palette.にふさわしいキラキラ輝くボカロのナンバーだ。艶のある声色を充満させたRimの「Casino」を経て、雪見とRimは、「アイデンティティ」でアニメーションミュージックビデオの世界観を忠実に表現するように向かい合い、透明感のある声色までをも重ねて幻想的な世界観を構築した。一方、あげいんと3部が繰り出したのは、「シャンティ」。暴力的な空間へと染めあげるという、雪見とRimによるパフォーマンスとはかけ離れた印象を与えることに成功した。3部が遊び心のある「ヴィラン」を歌い上げるとこのパートは終了。


この日のライブのために作ったという5周年ソング「GOLD」から「Note.」といったポップなバラードナンバーへと進む流れでは、ただただドラマティックな光景が広がり、目標とするステージで歌う未来の4人の姿が想像できた。ラストまで一瞬で駆け上がる最初のきっかけを作った曲は、疾走感溢れる雪見のオリジナル曲「馬鹿ばっか」。そこから「僕にとって大事な曲」と投げたあげいんによる「ラブヘイトマジョリティ」。エンジン全開で煽るあげいんは客席の心の声を残すことなく搔き集めた。一体感のあるダンスパフォーマンスで届けた「反抗戦線プロローグ」、デジタルロックチューン「アンダーカレント」、心の奥底から燃え上がる炎を加速させた「アクター」。mono palette.には今を楽しむだけではなく、その先を見据えた闘志がみなぎっていた。


後半には、一人ひとりがグループとして5周年を迎えたことに対する思いを残した。冷静沈着に感謝を伝えた3部に普段通りにコミカルな演技をもって話を進めたRim、丁寧に言葉を紡いだ雪見。そして、伝えたい思いが止まらない様子を最後に見せたのは、あげいんだ。「あげいんの心が疲れていた19歳だったとき、3部が「こいつを今ひとりにしちゃいけない」と言ってくれたおかげでこの3人がずっと僕の近くにいてくれるようになって。それからは毎日のように4人で遊んでいて……「4人で何か面白いことやろうや」ってなったのがmono palette.のスタートだったんです。僕らの夢である自分たちの楽しいこともやりながら、君たちにすごいありがとうを伝えたいと思って作ったのがZepp Hanedaという大きなステージでのライブでした」


本編ラストは、“君の隣で僕はよかった”と身を寄せ合いながら歌う4人の姿が印象的な「ロングタイムトラベラー」。mono palette.とファンのみんなを空に例えた新曲「Tiny Star」、ライブでは定番かつ彼らのありのままの姿が映る「脱法ロック」「厨病激発ボーイ」がアンコールのナンバーとして舞い落ちた。


この5年間で、互いに自身に足りないものをそれぞれに補いながら成長してきたのが、mono palette.。メンバーの誰かが転んでも、そのほかのメンバーが手を差し伸べて前へと一緒に進んでいく絵が思い浮かぶほどに、温かく、安心感に満ちたグループだ。芯から固い絆で結ばれているグループという確信からの安心感が、ファンのmono palette.に対する愛を大きくしているのは、たしかだった。実際にこの日のライブの席を埋めるために友人を誘ったファンもいたという。「このライブを作ってありがとうを返したいと思っていたのに、またみんなの愛に返してもらっているっていう状況。いくらあっても君たちにありがとうを返せないのかなって思うくらいにすごい大きい愛に包まれてmono palette.は活動できていると思っています(あげいん)」──これから先も彼ららしくある限り、絶え間なく愛は彼らに注がれ続けるのだろう。

取材・文◎小町 碧音
写真◎Viola Kam (V’z Twinkle) @vizkage

セットリスト

1 フィキサチーフ
2 抵抗禁止令
3 KING
4 ダーリンダンス
5 Casino
6 アイデンティティ
7 シャンティ
8 ヴィラン
9 GOLD
10 Note.
11 午前3時のセンセーション
12 馬鹿ばっか
13 ラブヘイトマジョリティ
14 反抗戦線プロローグ
15 アンダーカレント
16 アクター
17 ロングタイムトラベラー
18 Tiny Star
19 脱法ロック
20 厨病激発ボーイ

◆mono palette. オフィシャルサイト
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