【インタビュー】10-FEET、結成25周年『10-feat』全曲解説「コラボアルバムの聴こえ方が変わった」
■音楽として楽しんで遊んでくれた
■オマージュも心憎い
──そして「VIBES BY VIBES」をカバーしたのがWANIMA。ライブでは何度もカバーしているのを観たことありますけど、今回のはグッと来ました。まだバンドがくすぶっていた頃に、彼らはお客さんとして来て、<京都大作戦>に来て10-FEETのステージを観て、“ちゃんとバンドをやろう”って誓ったそうなんですよ。そんなエピソードも知っていると、感動するアレンジです。
KOUICHI:うん、気持ちに訴えかけてくるWANIMAらしい仕上がりですよね。
TAKUMA:ライブの風景も目に浮かびますよ。それに“あの丘”という言葉も入っていて。
NAOKI:WANIMAが加えてくれた新しい歌詞から、思いも伝わってきます。
──そして「シガードッグ」を手掛けたのが山ピーですよ。
NAOKI:初めて、山ピーと呼ぶ人は(笑)。
──だったらマシータで。
KOUICHI:山下=マシータというのはいいっすね、それ完璧っす(笑)。
──山下康介楽団さん、勝手にイジってすみません。ただ、本当に素晴らしいカバーですよね。
TAKUMA:めちゃめちゃいいですよ。
──ものすごく感動したんじゃないですか?
TAKUMA:そうなんですよ。僕は山下さんのファンなんです。テレビ番組で知ったんですけど、玉置浩二さんのオーケストラバージョンを指揮したりアレンジしはった方で。玉置浩二さんのオーケストラとの共演のドキュメントをテレビ番組で観て、すごく感動して。そのときは今回のコラボアルバムの企画はまだなかったんですけど、後々、この企画があがってきたときに「ダメもとで1回だけ、山下康介さんに連絡してもらっていいですか」ってレーベルの人に頼んでみたんです。そうしたら、まさかのスケジュールがうまくハマって快諾してくれました。山下さんが、映画音楽をいっぱいやっている吉田宇宙ストリングスとタッグを組んでやってくれたんですね。僕、レコーディング現場に同席させてもらったんですよ。
──今回の作品で、唯一、現場に赴いたんですか?
TAKUMA:うまいことスケジュールが合ったんで行かせていただきました。めちゃすごかったですよ。山下さんが指揮をしはって。生で観るのは初めてだったんで、けっこう興奮してしまって。ヤバかった(笑)。指揮に合わせてストリングスの人たちが弾くんですよ、カッコよかったですね。
──メタリカ好きとしては、たまらないでしょう。
TAKUMA:メタリカはオーケストラとやってますからね。めっちゃ感動した。
──近い将来、山ピーと吉田宇宙ストリングスを呼んで、ライブでも実現させるというのは?
TAKUMA:山ピーと呼んだたら、多分、もうやってくれない(笑)。
NAOKI:呼び方はマシータのほうで(笑)。
──山下さん、改めてすいませんでした。そして先ほど話にも出たのが「Fin」をカバーしたクリープハイプ。
KOUICHI:動画を送ってくれたのが4年前ぐらいかな。
NAOKI:カバーしてくれた仕上がりは、めちゃくちゃクリープハイプでしたね。
──「RIVER」もフィーチャーしてますよ。
NAOKI:そういうオマージュも心憎いんですよね。生真面目にやるだけじゃなくて、音楽として楽しんで遊んでくれて。
KOUICHI:生のライブでこのカバーを観たいですよ。
──そして<京都大作戦>でいつも素晴らしいステージをするDragon Ash。今回は「ハローフィクサー」を選曲しています。
NAOKI:<京都大作戦>ではけっこういろんな曲をカバーしてくれていて、逆に「ハローフィクサー」は今までやったことがないんです。
KOUICHI:そうやな。
TAKUMA:Dragon Ashに頼んだら、こんな感じにカッコ良くしてくれるんちゃうかなと思って、こっちから「ハローフィクサー」のカバーをお願いしたんです。想像していた遙か上でしたね。リクエストに応えてくれつつ、内容は上回ったものにしてくる。さすがやな。
NAOKI:僕らは結成25周年やけど、Dragon Ashは今年でデビュー25周年なんですよね。Kjはよく言ってますもん。「年下だけど、芸歴は先輩だからね」って(笑)。
──そして地元が同じ京都のHakubi。これもいいですね。片桐さんの歌が素晴らしい。
TAKUMA:相当ビックリしましたから。ラジオで聴いたときから。
NAOKI:歌にしっかり感情が乗っている。聴いて感動しましたね。
KOUICHI:力強いけど、繊細な部分もあって。Hakubiのライブを観に行ったこともありますよ。
NAOKI:対バンはまだしていないんですけど、本来なら2020年の<京都大作戦>に出る予定やったんです。
TAKUMA:2019年、<京都大作戦>の前夜祭=宵山から出てくれていて。
NAOKI:地元・京都にはいいバンドがいるんですよ。
▲『10-feat』完全生産限定盤 ジャケット
──いいバンドをちゃんとフックアップするのも<京都大作戦>の良さです。そしてマネージメント事務所の後輩でもあるヤバイTシャツ屋さん。
NAOKI:ヤバTは「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」を<京都大作戦>でも、ライブハウスでも、ちょこちょこやってくれているんですよ。
KOUICHI:ヤバTらしさ全開のカバーで。
NAOKI:よりハッピーな曲になりましたよね。ありぼぼの声が入るといいっすね。
KOUICHI:あれを聴くだけで、ヤバTやなっていう。
NAOKI:そう、キャラが立ってるよな(笑)。
TAKUMA:極悪リフなんですけど、ありぼぼの声でパッと明るくなる。すごいと思った、そこも。
──それから10-FEETのことを一方的に「ライバル」と言い張る綾小路 翔さん率いる氣志團ですよ。
KOUICHI:ハッハッハ! 氣志團もやってくれたやんな。
NAOKI:<京都大作戦>でこの「goes on」をやってくれてましたよね。
KOUICHI:翔やんの歌う英語詞ってレアなんちゃうかな。
NAOKI:確かに英詞の曲って氣志團にはない。
KOUICHI:だから新鮮やったし、でもちゃんと氣志團になってる。
TAKUMA:愛があるよな。これも氣志團やもんな。
NAOKI:うん、ストレートなカバーな感じやねんけど、むちゃくちゃ氣志團カラー全開というか。
TAKUMA:それにバカうまです。プレイがめちゃくちゃうまい。
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