【インタビュー】ASH DA HEROが語る、バンド始動の真意「絶対、俺と一緒にバンドやったほうがいい」

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■嘘がないんですよね。どんなときも
■本音でぶつかってきてくれますから

──Dhalsimくんが、ASH DA HEROというバンドに欠かせない存在であることは分かった。新たに始まるバンドサウンドの中で、今までなかったDJという役割をDhalsim的にどう担っていきたい?

Dhalsim:ポジションとしてはDJですけど、俺はクラブとかで皿回してたわけではないので、自分なりのスタンスで担っていけたらいいなと思っているんです。例えば、バンドのお客さんはDJって何をやってるのかよく分からないと思うんですよ。でも俺としては、ギターやベースやドラムを演奏するように、“DJという楽器を演奏する"ととらえていて。バンドの中にメンバーとしてDJがいるバンドは、ほかにもありますけど、今までの概念を覆したい。この先、バンドに憧れて楽器を始める子たちが「俺、DJやる!」って言えるくらい、バンドにおいてDJという楽器を必要不可欠なパートのひとつにしていきたいなと。バンドスコアに、ギター、ベース、ドラムと一緒にDJのパートが載るっていうのが、俺の夢なんです。それは発信の仕方にも関わってくるんですけど、今後楽しみにしてもらえたら。

──素晴らしい。

ASH:彼の実力はすごいんですよ。実際にライヴで観たら、Dhalsimのプレイに度肝抜かれると思いますよ。その存在と実力とギャップを生で観て欲しい。本当にスター性の塊なんで。

──バンドASH DA HERO の始まりと、Dhalsimくんの初お披露目は、11月18日から20日の3日間、TSUTAYA O-WESTで行われる<ASH DA HERO THREE DAYS LIVE 2021 "NEW STARTING OVER">ということになるよね?

ASH:そこからバンドASH DA HEROが始動します。


▲Sato (B)

──ますます待ち遠しくなった。じゃあ、Satoくん。ASH DA HEROと出逢ったキッカケと、バンドメンバーとして始動することへの心境を訊いてもいい?

Sato:共通のミュージシャン友だちとの食事の場があって、そこで初めてASHと会いました。5〜6年前くらいかな。それから、ライヴを観にいかせてもらったり。で、あるとき、別のバンドのサポートでASH DA HEROと対バンすることになったんですよ。そのライヴで改めて、“あー、ヤベえ奴だな、悔しいな”って思ったんですね。それくらい強烈だったんです。その後、サポートとしてASH DA HEROで弾かせてもらう機会をもらって。

ASH:もう4年くらい一緒にやってるよね。初めてのライヴは2017年だもん。

Sato:これまで、いろんなバンドやアーティストのサポートで弾かせてもらってきたんですけど、弾いてて無意識に“あ、ヤバい。目から汗が…"って感情が沸いてしまうようなヴォーカルはASHだけでした。だから、サポートミュージシャンとしてですけど、限りなくバンドマンとして一員に近い気持ちで、ソロASH DA HEROプロジェクトに関わらせてもらってきたというか。

──それが正式にメンバーの一員になったわけだけど。

Sato:自分のベース人生はサポート活動が9割で。バンドへの憧れはありながらも、“このままバンド活動は隠居かな”って思っていたんです。ところが、忘れもしない7月8日。ASHから突然電話をもらって、「元気? 一緒にバンドやんない?」って。まさか、今から再びバンドができるなんて思ってなかったし、ずっと蓋をしてきた気持ちでもあったので、嬉しくて嬉しくて。今のところまだ、このメンバーでライヴをやってないじゃないですか。だから、こうしてバンドASH DA HEROのメンバーとして、BARKSのインタビューを受けていることが、ちょっとくすぐったい感じだったりするんです。“あー、バンドのインタビューってこんな感じだったよな”って。忘れかけてたものが蘇ってきた感じですね。

──サポートメンバーとして、ずっとステージ上でベースを弾いているのにね。正式メンバーじゃないと、やっぱり気持ち的に違うんだろうね。

Sato:違いますね。それがさらに、ずっと一緒にやってきたサポートメンバーとバンドを、っていうのが本当に…すみません、ちょっと照れてヤバイです(笑)。ベースを始めたのもバンドに憧れたからだし、バンドが僕の原点でもあるので。

──Satoくんの憧れのバンドって誰だったの?

Sato:地元の先輩バンドでもあるんですけど、GLAYです。JIROさんはバリバリのロックベーシストっていうだけではなくて、いろいろな見せ方をされるじゃないですか。中学生の僕はそこに影響を受けて、“自分もベースやってみたい!”って憧れたし、ベースを初めて買ったキッカケでしたから。そこからバンドを経験しつつ、いろいろと形態が変わりながらも、ベースを弾き続けてきての今だから。ここからまた、この仲間とバンドがやれるっていうことに対して、どうしても熱くなっちゃうんです。


▲WANI (Dr)

──それだけバンドへの憧れが強いし、それがASH DA HEROだからこそ一層なんだろうね。WANIくんは?

WANI:レコーディングが最初でしたね。

ASH:2017年か2018年のレコーディングだったよね。

WANI:「YELLOW FEVER DANCE」「HERO」「ALIVE」「STAY FREE」のレコーディングにヘルプで入ったのが、「はじめまして」だったかな。レフティ(宮田“レフティ"リョウ)がプロデュースした作品で、もともとレフティと俺は付き合いが長いんですよ。で、当時、ASHのサポートドラムだったICCHANのこともよく知ってて、彼から「この曲、速くて叩けないんで、WANIさんお願いしていいですか?」って紹介されたんです。実際に会ってみたら、ASHとは愛知出身の同郷。俺が昔やってたバンドをお客さんとして観にきてくれたこともあるみたいで。

ASH:俺、高校生の頃に、WANIさんが昔やってたバンドをチケット買って観にいったことがあるんです。だから、地元のパイセンです。

WANI:その後、ASH DA HEROが<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018>に出演したとき、トラ(レギュラーメンバーの欠場を補充)でサポート参加したんだけど、そのときがDhalsim以外のこの4人での初ライヴだったんじゃないかな。

ASH:そうかもしれない。

WANI:そこから少し空いて、<ASH DA HERO LIVE TOUR 2021 “NEW ERA">で再びサポートしたんですけど、その直後に「バンドにしたいから」って声をかけてもらったんです。でも俺、最初にASHから電話をもらったとき、一回断ったんですよ。

ASH:そう。でも、“絶対に諦めねぇ!”って、数日後、WANIさんのマンション近くの公園までマネージャーと一緒に行って、「今、近くの公園にいるんですけど、出てこられますか?」って、再び電話でパイセンを呼び出したんですよ(笑)。WANIさん、「俺、殴られんのかなぁ?」って言いながら来てくれて(笑)。

WANI:明らかにガラの悪い輩ふたりが公園にいるんですから、そりゃ殴られるかと思うでしょ(笑)。でも、そこでめちゃくちゃ熱く、必死に誘ってくれて。すごく嬉しかったんですよね。俺も最初はバンドから始めて、サポートに転身して。でも、やっぱり自分の年齢とか、生活とか、このご時世もあったりで、いろいろと悩んでいたんで、最初の電話のときは断ったんです。守りに入っちゃってたというかね。だけど、どこかで“バンドで売れたい"っていう気持ちを持ち続けていたから。

──ASH はどうしてそれほどまでにWANIさんが必要だったの?

ASH:いろいろなドラマーにサポートしていただいて、どなたも本当に最高だったんです。だけど、WANIさんとスタジオに入ったとき、自分の歌と一番フィットした感じがあって。もともと学生の頃から好きなドラマーだったというのも理由のひとつだし。失礼と誤解を恐れずに言わせてもらうと、WANIさんって過小評価されてるドラマーだと思うんですよ。本当はもっと評価されたり、世の中に知られるべき実力者だと思っているんで、“絶対にこの人とバンドをやりたい! この人のドラムが欲しい!!”と。だから、一回電話でフラれたけど、直接会って絶対に口説こうと思って。

WANI:今でも忘れられないASHの一言があるんですよ。「WANIさんは僕とバンドをやるべきです」ってハッキリ言ってくれて。その言葉を聞いたとき、一緒にやってみようって思ったんです。“この人はなんて強いんだろう。あぁ、やっぱりこの人は、ヴォーカリストとして間違いないな”ってすごく魅力を感じたから。今どきこんな熱いやつ、なかなかいないですよね(笑)? それが純粋に嬉しかったんです。

──すごく分かります。“この人にかけてみよう"って思えることって、すごく大事なことだと思いますからね。ASHは絶対に裏切れないね。

ASH:裏切れないし、裏切らないですけどね。

──ASHの書く歌詞に、そのまま出てるよね。信念の強さが言葉になってるというか。

WANI:嘘がないんですよね。本音でぶつかってきてくれますから、どんなときも。

──ASHは逃げたりごまかしたりしないからね。そして、WANIくん自身、信じる人を決めたということだよね。ASHの才能と言葉を信じて、自分の人生をかけてみようって思えたってことだもんね。

WANI:本当にそうですね。ヴォーカリストとしても、人間としても、この人となら、一緒にやっていきたいって思えたんです。

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