【ライブレポート】“エンターテイメントの逆襲”第一弾「これが裸のGLAYのロック」
それは、単なるリアルライブの代替物ではない。あるロックバンドが提案する、配信ライブのニュー・スタンダードだ。
◆ライブ画像
メンバーそれぞれのプロデュースによる、GLAYの4カ月連続配信ライブシリーズ。その幕開けを飾るのは、TAKUROがプロデュースする第一弾<THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK 魁☆照男達>だ。混沌の時代を切り裂いて、ライブの喜びを再びその手に取り戻す、エンターテイメントの逆襲が今始まる──。
AD2020、未知のウィルスの襲来により、エンターテイメントは消失した──。まるで近未来SF映画のような、アニメーションを使ったスリリングな映像に、いやがうえにも期待は高まる。次の瞬間、無人のステージへとカメラが切り替わり、巨大な円形ステージの中央にメンバー登場。
TAKUROの強力なギターリフが鳴り響き、1曲目「KISSIN’NOISE」が始まる、鮮やかなオープニングに胸が躍る。ステージセットに何も置かない代わりに、画面にはノイジーなデジタルエフェクトが施され、360度をカバーするハンディカメラが、至近距離までメンバーに密着して熱を伝える。なんて過激で、刺激的な映像だろう。
わき目も振らずにひたすらに激しいビートをたたき出す、曲は「WET DREAM」から「誘惑」へ。「OK、カモン、Toshi!」と、お馴染みのTERUの掛け声に応え、ドラムのToshi Nagaiが強烈なリズムを繰り出す。「カモン、HISASHI!」という声にうながされ、HISASHIが胸のすくような痛快なソロを弾く。TERUがカメラにマイクを向け、「歌ってくれ!」と言わんばかりにファンにメッセージを送る。ここからは画面のデジタルエフェクトを使わずに、ド派手なレーザービームと七色のライト、背後のスクリーンに映るアニメーションなどを使い、リアルライブの臨場感そのままのアグレッシブな演奏が続く。とにかく展開が速い。
「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」から、TAKUROのフリーフォームのギターソロをイントロに据えた「LOVE SLAVE」へ。GLAY流ミクスチャーロックと言えるこの曲、TERUのラップ風の歌いまわしや、JIROのファンキーなソロ、TAKUROのキレキレのソロなど、どこを切っても聴きどころしかない。ソロを終えたTAKUROがニヤリと笑う、ハード&ヘヴィだが、実に愉しい曲だ。
前半の5曲を一気に駆け抜けると、わずかなインターミッションを経て、突如としてステージ中央に、いくつものモニター画面を組み合わせた巨大なオブジェが登場。イマジネイティブな映像を放ちながら発光する、妖しいムードが、ドラマチックな構成の「Anjelus」とよく似合う。およそ30年前のインディーズ時代に世に出た「LOVE SLAVE」「Anjelus」、そして「KISSIN’NOISE」を含むこの日のセットリストに、ロックバンドとしての原点回帰の意味を汲み取ることは難しくない。どの曲も驚くほど瑞々しく、TAKUROとHISASHIのツインリードがフィーチャーされ、JIROとToshiが鉄壁のリズムを刻み、TERUのハイトーンがどこまでも高く伸びてゆく曲ばかりだ。着飾った服もアクセサリーもいらない、鍛えぬかれた筋肉だけで興奮させる、これが裸のGLAYのロック。
TERUが声高らかに「彼女の“Modern...”」をコールすると、ああもうライブは後半に入ったんだなと実感する。TAKUROがスリルたっぷりのソロを決め、TERUがマイクをカメラに向けて煽り、フィードバックノイズがこだまする。オブジェのモニターから極彩色の光が溢れ出し、背後のスクリーンから光の帯が3D映像のように飛び出してくる。「HIT THE WORLD CHART!」は、JIROの弾くどっしりと深いファンクビートを中心にした、実にグラマラスでかっこいい曲。画面越しでも、迫力満点だ。
「オンラインで見てくれてるみんな、楽しんでくれてますか? 盛り上がっていきましょう!」
TERUの、この日初めてのMCらしい言葉をイントロに乗せ、賑やかに始まったのは最新曲「SHINING MAN」だ。ここまで演奏されたむき身のロックチューンとは、180度異なるエレクトロニックなダンス/ポップチューンだが、しっかりと刻み込まれたハードなギターリフ、♪位置について、よーいドン!、という陽気な歌詞、ミラーボールがギラギラと回転し、3D映像をフィーチャーした演出など、これはあくまでGLAYの進化系、レトロモダンな近未来のロックチューン。そこからラストチューン「TILL KINGDOM COME」の、グラマラスな人力ダンスロックビートへと繋がってゆく、そこには一貫した流れがある。シリアスな時代だからこそ心躍るロックを奏でる、GLAYの本質は変わらない。何よりも、TAKUROとJIROが向かい合って笑い合い、TERUがステージ狭しと動き回り、HISASHIがエキセントリックなギターを弾く、その姿を見るだけで胸を打つものがある。ロックバンドには、やはりライブが必要だ。
「GLAYはまたスタートします。目標があるのは素晴らしい。生きてる実感が湧いています」
「これからも走り続けていきます!」と、MCの代わりにTERUが曲中で、高らかに宣言する。激しくも優しくメロディアスなロックチューンと共に、ミラーボールの星が降る中での、感動的なフィナーレ。からの、終演後の楽屋口までメンバーを追いかけ、笑顔いっぱいのトークを映し出すエンドロールまで、おいしい時間が最後の瞬間までいっぱいに詰まった、およそ60分のエンターテインメントショー。それはGLAYにとって、新しいステージの始まりを告げる号砲だ。次のアクション、HISASHIプロデュースによる第二弾「THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK RESONANCE vol.3」は、4月29日の配信だ。今度は一体何をやってくれるのか? エンターテイメントの逆襲はまだまだ続く──。
文◎宮本英夫
写真◎田辺佳子
セットリスト
M2. WET DREAM
M3. 誘惑
M4.千ノナイフガ胸ヲ刺ス
M5. LOVE SLAVE
M6. Angelus
M7. 彼女の“Modern…”
M8. HIT THE WORLD CHART!
M9. SHINING MAN
M10. TILL KINGDOM COME
■GLAY 4ヶ月連続配信ライブ<THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK>
メンバーそれぞれが演出を含めたライブプロデュースを担当し、各々の作曲したセットリストで構成されたオンラインライブをファンに届ける。
■『【第一弾】THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK魁☆照男(シャイニング)達(メン)』 概要
配信期間:2021年3月27日(土) 18時30分~21時 ※開演は19時を予定しております。
視聴料金:¥3,700-
販売期間:2021年3月1日(月)17時~2021年4月11日(日)21時
見逃し期間:2021年3月28日(日)17時〜2021年4月11日(日)23時59分
キャスト:GLAY, TOSHI NAGAI(Dr.)
■『【第二弾】THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK RESONANCE vol.3』 概要
配信期間:2021年4月29日(木) 18時30分~21時 ※開演は19時を予定しております。
視聴料金:¥3,700-
販売期間:2021年3月1日(月)17時~2021年5月14日(金)21時
見逃し期間:2021年4月30日(金)17時~2021年5月14日(金)23時59分
キャスト:GLAY, DJ Mass MAD Izm*, REO(Key.)
■『【第三弾】THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK LIFETIME MUSIC』 概要
配信期間:2021年5月29日(土) 18時30分~21時 ※開演は19時を予定しております。
視聴料金:¥3,700-
販売期間:2021年3月1日(月)17時~2021年6月13日(日)21時
見逃し期間:2021年5月30日(日)17時〜2021年6月13日(日)23時59分
キャスト:GLAY, TOSHI NAGAI(Dr.), ハジメタル(Key.), ストリングス
■『【第四弾】THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK LIVE at HOME vol.6』 概要
配信期間:2021年6月26日(土) 18時30分~21時 ※開演は19時を予定しております。
視聴料金:¥3,700-
販売期間:2021年3月1日(月)17時~2021年7月11日(日)21時
見逃し期間:2021年6月27日(日)17時〜2021年7月11日(日)23時59分
キャスト:GLAY, TOSHI NAGAI(Dr.), 村山☆潤(Key.), ストリングス
チケットは各プラットフォームよりご購入ください。
また、本公演では全4公演の通し券も販売しており、チケット価格12,500円にて視聴することができます。(LINE LIVEでの4公演の通し券の販売は行ってません。)
・U-NEXT:https://t.unext.jp/r/glay_tesb
・PIA LIVE STREAMING:https://w.pia.jp/t/glay-online/
・LINE LIVE:https://ticket.line.me/sp/glay
・ローソンチケット:https://l-tike.com/concert/glaytesb/
・ZAIKO:https://lsg-jp.zaiko.io/e/glaytheesb
・ABEMA
【第一弾】GLAY 4ヶ月連続配信ライブ
https://abema.tv/channels/payperview-1/slots/D4qt1JM122yBUB
【第二弾】GLAY 4ヶ月連続配信ライブ
https://abema.tv/channels/payperview-1/slots/D4qt2DAaTpNq5Z
【第三弾】GLAY 4ヶ月連続配信ライブ
https://abema.tv/channels/payperview-1/slots/D4qsynXr6WKRf5
【第四弾】GLAY 4ヶ月連続配信ライブ
https://abema.tv/channels/payperview-1/slots/BDdUr1KDNmhFDq
『ONE LOVE Anthology』
2CD+Blu-ray:LSGC-0007 / PCCN-90007【8,281円+税】
先着予約購入特典
Amazon:「ONE LOVE Anthology」ジャケットステッカー
G-DIRECT&その他CDショップ:オリジナルカレンダーカード(はがきサイズ/2021.4~2022.3)
※特典は数に限りがございますので、発売前でも特典は終了する可能性がございます。
※一部お取扱いのない店舗等もございますので、詳しくは対象店舗およびネットショッピングサイトへお問い合わせ下さい。
Disc 1『ONE LOVE』Remix & Remastering 2021
1. ALL STANDARD IS YOU
2. WET DREAM
3. 嫉妬
4. HIGHWAY No.5
5. Fighting Spirit
6. ひとひらの自由
7. THINK ABOUT MY DAUGHTER
8. VIVA VIVA VIVA
9. Prize
10. MERMAID
11. mister popcorn
12. 電気イルカ奇妙ナ嗜好
13. STAY TUNED
14. 君が見つめた海
15. 夢遊病
16. Christmas Ring
17. GLOBAL COMMUNICATION
18. ONE LOVE ~ALL STANDARD IS YOU reprise 2021~
Disc 2『ONE LOVE Anthology』Demo
1. ALL STANDARD IS YOU Demo
2. WET DREAM Demo
3. 嫉妬 Demo
4. HIGHWAY No.5 Demo
5. Fighting Spirit Demo
6. ひとひらの自由 Demo
7. THINK ABOUT MY DAUGHTER Demo
8. VIVA VIVA VIVA Demo
9. Prize Demo
10. MERMAID Demo
11. mister popcorn Demo
12. 電気イルカ奇妙ナ嗜好 Demo
13. STAY TUNED Demo
14. 君が見つめた海 Demo
15. 夢遊病 Demo
16. Christmas Ring Demo
17. GLOBAL COMMUNICATION Demo
18. ONE LOVE ~ALL STANDARD IS YOU reprise 2021 ver.2~
19. SPECIAL THANKS Demo
20. BACK-UP Demo
Disc 3
■Member Meeting for GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION” Document
■Pre-production for GLOBAL COMMUNICATION Document
■ONE LOVE in 北京 Rehearsal & 赤坂BLITZ Live Digest
■GLAY EXPO 2001 Rehearsal Digest
■TOWER RECORDS SHIBUYA Presents GLAY FILM EVENT ONE LOVE
(※JIRO CM(NO MUSIC, NO LIFE.)・嫉妬/Fighting Spirit・ MUSIC VIDEO & Making ・etc.)
■ひとひらの自由 Multi Angle
・TERU
・TAKURO
・HISASHI
・JIRO
■Music Video
・MERMAID
・とまどい
・SPECIAL THANKS
・ひとひらの自由
■Making of Music Video
・MERMAID
・とまどい
・SPECIAL THANKS
■TV SPOT
・GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION" performance by TAKURO
・SPECIAL THANKS
・MERMAID
・STAY TUNED
・ONE LOVE ver.1/ver.2
・ひとひらの自由
・GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION”LIVE IN HOKKAIDO
BOOKLET
『ONE LOVE』リリース当時の撮り下ろし写真やアーティスト写真&ジャケット写真のアウトテイク、その他ライブ写真や雑誌記事などから厳選して編纂したブックレット。(全64ページ)
■ONE LOVE Anthology特設ページ
https://www.glay.co.jp/onelove/
LIVE Blu-ray & DVD『GLAY DEMOCRACY 25TH “HOTEL GLAY GRAND FINALE” in SAITAMA SUPER ARENA』
■通常盤 [Blu-ray]
LSGB-0011 / PCXE-53349
6,380円(tax in)
■通常盤 [DVD]
LSGD-0010 / PCBE-54850
5,500円(tax in)
■G-DIRECT限定盤 SPECIAL BOX ※豪華BOX仕様 [Blu-ray]
LSGB-0010
11,880円(tax in)
【収録内容】
通常盤・G-DIRECT限定盤共通
GLAY DEMOCRACY 25TH “HOTEL GLAY GRAND FINALE” in SAITAMA SUPER ARENA
2020年12月20日(日)
01. ROCK ACADEMIA
02. ALL STANDARD IS YOU
03. MIRROR
04. HIGHCOMMUNICATIONS
05. 天使のわけまえ
06. 流星のHowl
07. May Fair
08. 春を愛する人
09. カーテンコール
10. Into the Wild
11. 月に祈る
12. SHINING MAN
13. everKrack
14. VIVA VIVA VIVA
15. Friend of mine
16. lifetime
17. SOUL LOVE
18. ピーク果てしなく ソウル限りなく
19. DOPE
20. XYZ
Encore
21. 彼女の“Modern・・・”
22. Bible
23. HEROES
【特典映像】※通常盤・G-DIRECT限定盤共通
■“HOTEL GLAY GRAND FINALE” in SAITAMA SUPER ARENA dialog case of GLAY
<TERU × 高橋辰雄 (ウドー音楽事務所)><TAKURO × 塙宣之 (ナイツ)><HISASHI × 大宮エリー><JIRO × 永井利光>
※G-DIRECT限定盤のみ収録
■“HOTEL GLAY GRAND FINALE” in SAITAMA SUPER ARENA Rehearsal of ‘SOUL LOVE’
■Multi Angle
・everKrack
・DOPE
■Live Screen Movie
・カーテンコール
・月に祈る
■GLAY Special Live 2020 DEMOCRACY 25TH INTO THE WILD
1. Tiny soldier
2. a Boy ~ずっと忘れない~
3. SOUL LOVE
4. HOWEVER
5. I'm in Love
6. ALL STANDARD IS YOU
7. 氷の翼
8. I'm loving you
9. 流星のHowl
10. Into the Wild
■GLAY野外無観客ライブ in 函館・恵山
1. ROCK ACADEMIA
2. とまどい
3. カナリヤ
4. Into the Wild ~密~
5. 流星のHowl
6. DOPE
【封入特典】※G-DIRECT限定盤のみ封入
ポートレートセット(6つ切りサイズ・12枚入り)
A4サイズブックレット
【先着予約購入特典】※Blu-ray / DVD共通
G-DIRECT:オリジナル不織布マスク(2枚セット)
HMV:「HOTEL GLAY GRAND FINALE」オリジナル缶バッチ
Amazon.co.jp:オリジナルコットン巾着
楽天ブックス:オリジナル不織布エコバック
セブンネットショッピング:オリジナルスマホスタンド
タワーレコード・TSUTAYA他全国CDショップ:「May the GLAY be with you」ステッカー
※特典は数に限りがございますので、発売前でも特典は終了する可能性がございます。
※一部お取扱いのない店舗等もございますので、詳しくは対象店舗およびネットショッピングサイトへお問い合わせ下さい。
■リリーススケジュール
16枚目となるオリジナルアルバムをリリース予定
59枚目となるシングルをリリース予定
◆GLAY オフィシャルサイト
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