トニー・アイオミ、リック・ルービンから学んだこと
トニー・アイオミが、ブラック・サバスの現時点におけるラスト・アルバム『13』(2013年)をプロデュースしたリック・ルービンとの制作過程を振り返った。ルービンは寝転がったまま作業することで知られているが、アイオミは彼から学んだのはそこだと冗談を言った。
『SPIN』のインタビューで、ルービンから学んだことは何かあるかと問われたアイオミは、「ああ。ソファに寝ころびながら、マイクを手にし“はい、次”って言う方法を学んだよ(笑)」と答え、続けて、ルービンが『13』で何を目指していたかについて語った。
「彼のやり方は本当に違ってた。彼は、サバスのオリジナル・サウンドを求めていた。“オリジナルのアンプはあるか?”って訊かれたよ。僕は、“リック、それは50年前だ。君は50年前のアンプを持っているのか? 僕は持ってないよ。ずい分前、とっくに壊れた。いま、自分のアンプ持ってるけど”って言ったら、“いや、昔のが必要だ”って。それで、スタジオに行ったら、20くらい違うタイプのアンプがあって、彼から“ヴィンテージのアンプだ”って言われた。“だからっていいサウンドとは限らない。古いだけだろ”って反発したんだけど、“まあ、やってみよう”って言うんだ。僕は試してみたよ。でも、どれも好きじゃなかった」
「ああ、彼が僕に慣れるまで、僕が彼に慣れるまで、ちょっと行ったり来たりがあった。でも、僕らはやり遂げた。あのアルバムはすごくベーシックだ。僕は、あのアルバムに収録された曲の多くを自分の家にあるスタジオで作ってた。正直言って、サウンドはそっちの方がいいと思ってた。でも、もっと楽器を加えていたんだ。リックはシンプルでベーシックなものにしたがってた。それは、君もわかっているだろうけど、良かったんだよ」
ブラック・サバスはセカンド・アルバム『Paranoid』(1970年)で全英1位を獲得していたが、19枚目のスタジオ・アルバム『13』で初めてアメリカで1位に輝き、有終の美を飾った。
Ako Suzuki