【インタビュー】10-FEET、20thシングル「アオ」完成「まずはみんなが暴れ出したくなるような感動のライブを」

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10-FEETが3月10日(水)、ニューシングル「アオ」をリリースする。前シングル「シエラのように」から約5ヵ月ぶり、20枚目のシングルとなる同作は、テレビ東京系ドラマ『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』のオープニングテーマ「アオ」をはじめ、「朝霧を抜けて」「タンバリン」の全3曲を収録した。

◆10-FEET 画像 / 動画

ピアノによるシリアスなサウンドで幕を開ける表題曲「アオ」は、これまでとはひと味異なる新鮮なアプローチ。カップリングに収録された「朝霧を抜けて」「タンバリン」は、このシングルのために書き下ろされた最新楽曲という意味では10-FEETの現在進行形が凝縮されたシングルと言い換えることができるだろう。キーワードは“何も考えずに” “気持ちが新鮮であるかどうか”だ。シングル「アオ」のサウンド&ヴィジョンについて3人が語り尽くした10000字のロングインタビューをお届けしたい。

なお、特典DVDには、<京都大作戦2019〜倍返しです!喰らいな祭〜>のDAY3およびDAY4の模様がダイジェストで収録される。先ごろ、7月3日から二週にわたって計4日間開催が発表された<京都大作戦2021>についても話を訊いた。

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■1カットで撮影していく映画
■みたいな作り方をしている曲が増えました

──前シングル「シエラのように」の取材時、印象に残っているのが「バンドらしさ、10-FEETらしさをあまり考えずに曲を作った」というTAKUMAさんの言葉だったんです。それに続くシングルが「アオ」ですが、楽曲の質やメロディが新しい息吹きを感じるんです。曲作りの取り組み方は、「シエラのように」と同じモードだったんですか?

TAKUMA:そうですね。しかも「アオ」という曲は、「シエラのように」と同じ時ぐらいに完成しているんで。

──TVドラマ『バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜』のオープニングテーマでもあるんですけど、ドラマに提供する楽曲ということで、何らか意識した事柄もあります?

TAKUMA:なんですか、取り調べみたいじゃないですか(笑)。

──よく言われる(笑)。この短髪が刑事みたいらしく、いろいろ思い出すとか、経験者から(笑)。

TAKUMA:アッハッハ……(笑)。いや、事前に曲作りに着手していた中で、オープニングテーマの話をもらったとき、「この曲の中やったらどれがええかな」みたいな話をして決めたんですよ。僕らも『バイプレイヤーズ』シリーズの作風はよく存じているつもりやったんで、「そこに合う曲はこっちかな」みたいな。「シエラのように」も合いそうやったけど、ドラマのオープニング映像はバシッとカッコよくしてきてくれはるパターンが多かったんで、そのバックに流れるなら、シリアスな楽曲が合うかなって。ドラマは、カッコいい感じなんやけど、どこかにユーモラスな雰囲気が漂ってたりするんで。シリアスな楽曲ならよりマッチして、カッコよくも見えるし、シュールにも見えて、おもしろいんじゃないかなとは思いましたね。

▲TAKUMA (Vo, G)

──「アオ」をオープニングテーマに決めたとき、BRAHMANのTOSHI-LOWには連絡してなかったらしいですね。この前のYouTube番組『ドラ3チャンネル』(桜井誠[Dragon Ash)]×三部卓真×KOUICHI[10-FEET]による生配信)で発覚して、文句言われてたし(笑)。

KOUICHI:ちゃんと観てくれてるじゃないっすか(笑)。

TAKUMA:ドラマ『バイプレイヤーズ』に奥さんのりょうさんが出演しているので、TOSHI-LOWさんは「研音(所属事務所)との付き合いもあるんだから」と言うてましたね(笑)。

──そうそう。「シエラのように」と同タイミングで作っていた曲は、実はかなり曲数もあったんですか?

TAKUMA:いろんな曲を作ってましたね。ほんまに、何も考えんと作っていたし。作り始めから、“これは10-FEETでもソロでも弾き語りでも一生使うことないやろうな”と思いながら作っていた曲もありました(笑)。ある意味、伸び伸びと作っている時期で、たぶん5曲ぐらいはできたんじゃないかな。でも、今回のカップリングはそこからじゃなくて、新たにレコーディング直前に作ったもので。

──ということは、あの時期に作っていた3曲はまだ世に出てないわけですか。どんな曲なんですか、それらは。

TAKUMA:こんな取り調べやったら、全部、ゲロしちゃいそうやな(笑)。質問のリズム感も良すぎて。

KOUICHI:あの時期のデモで、手を付けてたのは何曲かあったな。

TAKUMA:ダンサブルなやつだったり、いろんなのやってましたよ。

KOUICHI:意外性のある曲もあったし。

▲20thシングル「アオ」完全生産限定盤

──“俺らがこの曲やるの!?”ぐらいの意外性ですか?

NAOKI:いや、そういう驚きというより、“ここからどうアレンジしたらおもしろくなるか?”とか、そういう考えが働く曲。

TAKUMA:まだ世に出てないあのときの3曲は、これから形になるかもしれないし、一生お蔵入りかもしれないし。意外性ある曲を作ったときって、ジャンルはそこまでかけ離れてないけど、ギターも歌もベースもドラムも、あと入ってる鍵盤も、“あんまり、これやらへんな”という要素がすごく多かったです。

──敢えて違う方向を狙いながら作ってもいたんですか?

TAKUMA:というよりも、何も考えずに。わりと“NAOKIやったらこうイケるかな”とか、“KOUICHIやったらこれできそうやな”とか、自分も含めて、それぞれのプレイスタイルとか考えて曲を作るのが普通やったんで。それを考えないだけでも、新鮮な気持ちで作れるなと思ったんです。気持ちが新鮮であるかどうかが、すごく大きくて。“こういう曲は今まで何回も作ってきたよな”と思いながら作ると、一度、躊躇が入るし、自分の中でボツにした曲もいっぱいあったんで。捉え方も気持ちひとつで、そこがすごくフリーになったと思いますね。

──要するに、TAKUMAが所有する極悪カスタムしてあるドラッグスター(バイク)を運転するときに近い。走り出したらブレーキ掛けないってやつ。

TAKUMA:……そう…かな、……うん(笑)。

──YouTubeでTAKUMAのバイクが紹介されてたのはチェック済みだから。うるさい音のバイクなんで周りが逃げるから、ブレーキ掛けずに済むってやつでしょ。あれは悪そうなバイクだわ。

TAKUMA:そうですよね(棒読み)。アッハッハ(笑)。

NAOKI:これは全部、記事になるんすか(笑)? あの〜、バイク雑誌ですか(笑)。


──例えが悪かった(笑)。つまりブレーキを掛けないから、躊躇なく音楽的に何でもやれて、それがさらに自分自身の気持ちにも拍車を掛ける感じになりそうだし。

TAKUMA:馴染みのないものを作ろうとしても、あんまり作れないんですよ。そうじゃなくて、何も考えずに作ると、珍しいものができる。両者の取り組み方はささいな違いでしかないんですけど、僕はやってみて後者やったんです。逆に考えるとしたら、例えば“ベーシストがいかりや長介やったら”とか、“ドラマーがスレイヤーのデイブ・ロンバードやったら”とか、そういう感じでやったほうが、わりと思考も柔らかくなって、珍しいものを作れるなって。自分に関しては、アコースティックだけ弾くライブもやるようになったから、アコースティックアプローチでロックを作ってみるのもおもしろかったし。

──いろいろな取り組み方をしていても、常に軸にあるのはメロディですか?

TAKUMA:そうですね。モチーフになるものがあれば、弾きながら歌ってできていく曲もいっぱいありました。パーツごとに作っていくというよりは、頭から1カットで撮影していく映画みたいな作り方している曲が、けっこう増えましたね。流れで、“Aメロはこう歌ったら、Bメロはこんな感じやな、サビはここ行ったらええんちゃうかな”とか。

──そういう生まれ方だと、メロディの流れや展開の仕方もスムーズになりますよね。「アオ」の原曲はどういう形だったんですか?

KOUICHI:デモは完成形に近かったですよ。

TAKUMA:演奏のポイントというか、“ここのドラムのキックはこうじゃないと”とか、“ベースはだいたいこのへんの音使いで”とか、“ギターはこう”とか、箇所箇所にはあったんですよ。そこをしっかり残すように作ったデモやったんです。そこを大事にアレンジも進めていくと、パッと見たときのディテールはデモと一緒ですね。細かい部分はアレンジでさらに良くなりましたよ。

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