メガデスのデイヴィッド・エレフソン、ピック弾きは生き残り戦術
メガデスのデイヴィッド・エレフソンが指ではなくピックでベースを演奏するようになったのは、誰かを模倣したり突出したかったわけではなく、そうせざるを得ない切実な理由があったからだという。
エレフソンは『Guitar Summit』のインタビューで、こう説明した。「僕は演奏の仕方を指で学んだんだよ。それが、バンドでプレイするという現実の世界へ足を踏み込むと……、僕は小さなアンプを持ってたんだけど、ギタリスト達は50とか100ワットのマーシャルをビッグでラウドで激しいドラムのとこに積み上げてプレイしていて、僕は自分の音が聞こえなかったんだ。だから、ピックを掴んだんだよ。そうしたら突然、打楽器のような攻撃が可能となり、自分の音を聞くことができるようになった。それがピックを使うようになった理由だ。誰かになろうとしたわけじゃない。文字通り、生き残り戦術だったんだ」
以来、それが彼のサウンドとなり、レコーディングの際、指でプレイすると「どうした?」と言われるようになったそうだ。「(スタジオに入り)ピックで音を出すと、“素晴らしいサウンドだ”って言われる。で、指を動かすと、振り返られ、“なにしてるの? どうした? トーンが違う”って言われるんだ。“指に替えてみたんだ”って答えると、“ああ、それはやめて。ピックでやって。そっちのほうがいい音だ”って言われる」
エレフソンは以前、メガデスの音楽がより複雑になり、ピックでプレイするほうが好ましいとも話していた。
Ako Suzuki