【インタビュー】10-FEET、TAKUMAが語る「限りのある時間の中で生きているっていうこと」
10-FEETが自粛期間中、<#おうちモッシュ#おうちダイブ#おうちシンガロング>と題した無料配信シリーズをオフィシャルYouTubeチャンネルに期間限定公開した。これは新型コロナウイルス感染拡大が続く中で“おうち時間”を楽しんでもらいたい”との想いから実施されたものだ。約14年間計13時間以上のライブ映像を約2ヵ月間にわたり一時的に開放。これと併行してメンバー個々は、自身のSNSアカウントやYouTubeチャンネルから演奏やトークなどの発信を現在も続けている。
◆10-FEET 画像 / 動画
ライブ映像作品『OF THE KIDS, BY THE KIDS, FOR THE KIDS!』シリーズ6作品の初Blu-ray化に加え、全7枚のBlu-ray Discと豪華ブックレット封入の特殊パッケージ『OF THE KIDS, BY THE KIDS, FOR THE KIDS! I~VI -Complete Edition-』が8月26日にリリースされることが発表となった。前述の無料配信の反響に応える形で行われるものであり、これら映像作品が伝えてくれるのは、ライブバンド10-FEETの歩みでありリアルだ。
10-FEETパーソナルインタビュー3日間連続公開企画のラストは、TAKUMA(Vo, G)。日々刻々と変化している新型コロナウイルス感染症をめぐる状況の中で、音楽に対して、ファンに対して、常に最大限の誠意を尽くすTAKUMAの行動力には心揺さぶられるものがある。コロナ禍、<京都大作戦>、ライブ映像作品シリーズ、そして新曲について訊いたインタビューでは、そのピュアな原動力の源が浮き彫りになったようだ。この取材が行われたのは7月10日。TAKUMAの現在の言葉をお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■オマエなんか、どうせゴミなんだから
■人の80万倍努力しろ!みたいな気持ち
──お話するのは今年2月の<MONSTER ROCK 2020>名古屋公演以来、約4ヵ月半ぶりになります。2月下旬に政府からライブ活動の自粛要請が出されました。それ以降、ほとんどの公演が延期や中止を余儀なくされることになりましたが。そうした事態をどう受け止め、その後の活動に関してどう考えていましたか?
TAKUMA:あのときはワケが分からなかったですけどね。新型コロナウイルスがどういうものなのかも、今よりもっと分かってなかったですから。感染したら即座に死んじゃうのかな?ぐらいの勢いで、ニュースで報道されていましたし。そこまで酷いのなら自粛も致し方ないなって感じでしたけど。
──ライブ活動もできなくなって時間もできてしまったわけですが、どんな日々を過ごしていました?
TAKUMA:自宅に防音室があるんで、そこにこもってずっと音楽を作ってましたね。それは10-FEETの曲作りというわけでもなく、ただただ無心に音楽を作るという感じですかね。
▲10-FEET |
TAKUMA:そういう音楽遊びとか趣味っぽくやってみるっていうことは、すごく少なかったかもしれないです。10-FEETで曲を作っているぐらい熱中や集中している状態の自分がほしいなと思いながら、音楽に向かっていたというのはありますね。
──YouTubeチャンネル『タクマが見た村』で観ることができる防音室ですよね。そこはホームレコーディングできるぐらいのシステムになっているんですか?
TAKUMA:そうですね。現在もメキメキとパワーアップしていってます(笑)。
──普段の曲作りも、その防音室で常にやってきたんですか?
TAKUMA:そうです。曲のネタを作るというのは、その防音室でやることが多くなってきましたね。
──この時期、アイデアやネタなどが湧き上がりやすかったですか? 自分自身を分析してみていかがでしょう?
TAKUMA:どうでしょうね。防音室という環境ができたときは、まだ新型コロナウイルスがどうこうという状況になっていなかったんです。純粋にさらに集中して音楽ができる環境になったということで、気持ちが高ぶってモチベーションも上がった、というほうが大きかったですね。新型コロナウイルス騒動になってからは、それそのものをなんとかしたいって気持ちのほうが大きかったかもしれないです。そのために音楽がなにかできないかって、考え方も変わっていったと思います。
──Zoomなどを通して、メンバーやバンド仲間とも連絡を取り合ったりしていました?
TAKUMA:たまにしますよ、Zoomとかでも。ただバンド仲間と音楽のことはあんまり話さないですね。それは普段からかもしれないですけど。たまにですかね、音楽の話するのは。
──自粛期間中、YouTubeで過去の映像作品『OF THE KIDS, BY THE KIDS, FOR THE KIDS!』シリーズを配信していました。ご自身も観ていたんですか?
TAKUMA:ちょこちょこですね。全部をガッチリとは観てないですけど。ちょこちょこ観ていても、けっこう驚きありましたけど(笑)。“ちゃんとやってんなー”みたいな(笑)。
▲<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->@京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ |
TAKUMA:当時の自分たちは、純粋に音楽をただただ好きやったと思いますね。ただただ好きでしかなかったというか。だから音楽ばっかり聴いていたと思うし。音楽ファンであり、たとえば僕で言ったらメタリカやメガデスとかのファンで。この人たちは普段、メンバー同士でどんな話をしているんだとか、どんな車に乗ってるんだとか、曲作りのときは揉めたりするのかなとか。そして次の音源を楽しみに待つことの繰り返し。純粋な音楽ファンであり、音楽マニアだったんですよ。そんな自分がステージに立ってライブするというのは、畏れ多い気持ちばっかりでしたね、しばらく。
──というのは?
TAKUMA:身に余って畏れ多いから、“身の丈以上の努力をしろ!”みたいな気持ちでずっとやっていましたよ(笑)。“オマエなんか、どうせゴミなんだから、ゴミは人の80万倍ぐらい努力しろ!”みたいな気持ちでいました。練習もライブも。
──『I』とか『II』あたりの時期は、もがき苦しんでいた側面もあったんですか?
TAKUMA:もがき苦しんではいないと思います。“全力でやらなオマエ死ぬぞ”みたいな。そんな強迫観念に近いぐらいのテンションでやっていたと思います。しゃべることも演奏することも。“どうせゴミなんやから、普通にやってもオマエらなんかポイやぞ”ってずっと思ってたんで。それで多分、身の丈を超えるようなテンションでやっていたと思いますよ(笑)。
◆インタビュー【2】へ
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