【ライブレポート】<イナズマロック フェス>2日目、計95,000人が熱狂「この雨、最高の俺への演出だろ」

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<イナズマロック フェス 2019>が9月21日(土)および22日(日)の2日間、滋賀県草津市烏丸半島芝生広場にて開催された。滋賀ふるさと観光大使を務める西川貴教主催による同フェスは今年で11回目、2日間計95,000人を動員した。先ごろ公開した初日に続いて、2日目のレポートをお届けしたい。

◆<イナズマロック フェス>2日目 画像

滋賀県出身の西川は、2008年に同県の観光大使に就任。「音楽を通じて地元にお返しがしたい」と、滋賀県の全面バックアップのもと2009年にこのイベントをスタートさせた。昨年10回目を迎え、単なる音楽イベントという枠を超えた滋賀県の風物詩にまで発展している。


<イナズマロック>の大きな特徴は、ライブが行われる有料エリアのメインステージ「雷神ステージ」だけでなく、誰でも無料で入場できるフリーエリアが充実していること。メジャーアーティストやアイドルのライブが行われる「風神ステージ」、ご当地キャラクターが出演する「龍神ステージ」、飲食ブースや滋賀県観光PRコーナー、授乳室やベビーカー置き場などが設けられており、地元の人も気軽に楽しめる”地域のイベント”として定着したのが、10年を超えて愛される秘訣といえる。

2019年の「雷神ステージ」には、西川貴教をはじめ、日向坂46、UVERworld、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE、ゲスの極み乙女。、ももいろクローバーZ など2日間で全15アーティストが出演。また、ハマカーン、ひょっこりはん、トレンディエンジェル、尼神インター、三四郎、藤崎マーケットなど、12組の人気芸人も客席を盛り上げた。

   ◆   ◆   ◆

▼BOYS AND MEN (RISING ACT)



2日目は、石田三成の甲冑姿で登場した三日月大造滋賀県知事が開会宣言。続くRISING ACTは東海エリア出身・在住、10人のメンバーで結成されたユニットBOYS AND MENが務めた。

2016年のオープニングアクト以来2度目の出演となる彼らは、トレードマークである学ランをまとって元気いっぱいのパワフルなステージで「進化理論」「炎・天下奪取」などを披露。今回の出演は「西川の兄貴に直接お願いして、出演権を掴んだ」という。最後はT.M.Revolutionの「HOT LIMIT」のイントロに乗って学ランを脱ぎ、黒ガムテープであつらえた「HOT LIMIT」スーツ姿に変身。「YMCA」をT.M.Revolutionにちなんで「TMCA」に変えて歌い、会場を盛り上げた。

▼abingdon boys school







2日目のトップバッターは2年連続通算6回目の出演となるabingdon boys school。西川貴教がヴォーカルを務めるバンドだ。「a.b.s.が1年ぶりに、この地に、何かを残しに帰ってきたぞ」とライブをスタートさせた。「キミノウタ」「PINEAPPLE ARMY」に続いて「DOWN TO YOU」では、<イナズマ>出演11年皆勤賞のMICRO(HOME MADE 家族)もステージに登場、西川と阿吽の呼吸を見せた。

ラストナンバー「JAP」まで全5曲、分厚いサウンドとパフォーマンスでバンドの実力を知らしめるステージとなった。そして最後に、西川が「来年ツアーやります」と発表すると、客席から大きな歓声が上がった。

▼打首獄門同好会



続いては、<イナズマ>初登場となる打首獄門同好会。2004年に結成されたスリーピースバンドだ。うまい棒を歌った「デリシャスティック」、おなじみの菓子をテーマにした「きのこたけのこ戦争」など、ゴリゴリのメタルサウンドに奇想天外な歌詞、そしてステージ両脇のモニターに映し出されるユニークなPVで、観客をあっという間に虜にする。

「夏の曲と冬の曲、どっちがいいですか?」と客席に意見を求めてプレイを決めた「なつのうた」、いろんな海の魚と魚料理を連呼した「島国DNA」、カバー曲「おどるポンポコリン」など全7曲を披露。幅広い年齢から愛されるバンドの魅力が全開のステージだった。9月25日には、結成15周年ベストアルバム『獄至十五』がリリースされる予定だ。

▼キュウソネコカミ



2009年結成、2014年にメジャーデビューを果たした5人組ロックバンドのキュウソネコカミは、2015年以来2度目の出演となる。15時40分の出番になると激しい雨が降りはじめたが、「メンヘラちゃん」「推しのいる生活」をはじめ、今年5月に配信リリースした「ギリ昭和 ~完全版~」など全7曲を雨に負けない高いテンションでプレイした。

ラストナンバー「TOSHI-LOWさん」では、ヤマサキ セイヤ(Vo&G)が上半身裸になり、黒ガムテープで作った「HOT LIMIT」スーツ姿を披露。観客に足を支えられながら客席の上を歩く、彼らのライブではおなじみのパフォーマンスを繰り広げ、強い存在感を残した。

▼ゲスの極み乙女。



前週にデビュー5周年ライブを行ったゲスの極み乙女。は、2016年以来2度目の出演だ。オリジナリティの高いポップセンスを持つ楽曲に、ちゃんMARI(Key)が奏でる鍵盤が独特の奥行きを出す。川谷絵音(Vo)は「T.M.Revolutionは姉のカセットテープに入っていたアーティスト。音楽を好きになったきっかけだった。呼んでいただいて感謝しています。西川さんのファンの前でプレイできること、姉が一番驚いています」と話した。

実は2016年の<イナズマ>は、ゲスの極み乙女。の出演直後に会場付近に雷雲が発生し、ここでイベントが中断/中止となった。「(あの時)僕らで終わっちゃったのがすごく気まずくて。今日は最後まで楽しんで」と、「猟奇的なキスを私にして」「ロマンスがありあまる」をはじめとする6曲をプレイ。最後は「キラーボール」で客席を揺らし、無事に次のバンドにバトンを繋いだ。

▼西川貴教





この2日目に出演予定だったGRANRODEOだが、メンバーのKISHOW(Vo / 谷山紀章)の怪我でキャンセルとなった。急遽、代わりに出演することが決定したのが、西川貴教である。1日目と同じ衣装、同じ曲順ではあるものの、パフォーマンスはさらに進化、ますます攻めたプレイで聴かせる。

西川は、途中でパラパラと降ってきた雨をものともせず、雨雲を動かすほどの力強い歌声で「この雨、最高の俺への演出だろ」とニヤリと笑ってみせた。そして「来るはずだったGRANRODEOの分まで暴れさせてもらいます。GRANRODEOがいてくれないのが本当に寂しいですが、治して戻ってきて」とエールを送った。

▼Dragon Ash



2011年以来、2度目の出演となったミクスチャーロックバンドのDragon Ash。暗くなった空のもと、楽器と声が奏でる音楽に、ダンサーメンバーのDRI-VとATSUSHIが感情を体現していく。「AMBITIOUS」から始まり、「Mix it Up」、hideのカバー曲「ROCKET DIVE」のほか、7月配信の最新曲「FLY OVER」など全7曲を披露、客席もパフォーマンスを受けて思い思いに体を揺らした。

本番前、Kj(Vo&G)が西川に「ご迷惑をおかけしました」と伝えたところ、「いいんだよ、待ってた。迷惑かけたと思うなら、いいライブで返して」と言われたエピソードも披露。「誠心誠意、身を削ってやらせてもらう」とパワフルなステージを届けた。

▼ももいろクローバーZ


2日間の大トリを飾るももいろクローバーZ は、3年ぶり4回目の出演。客席に無数のメンバーカラーのペンライトが輝く中、太い歓声に迎えられて登場した。

キュートな声に力強いダンスの「労働賛歌」や「サラバ、愛しき悲しみたちよ」、ロックなパフォーマンスを見せる「あんた飛ばしすぎ」、しっとりした歌とクールなダンス「天国のデタラメ」、代表曲のひとつ「走れ!」など全7曲をノンストップでプレイ。会場を熱く盛り上げてひとつにした。




アンコールでは「笑ー笑」をプレイ。そして高城れにが「今日のビッグイベント、私たちが大トリってキツくない? 神様…あの人の夢を見させて…」と天に祈ると、T.M.Revolutionのバラードナンバー「Meteor -ミーティア-」のイントロが始まり、西川貴教が登場。歌い上げる西川の周りでももクロのメンバーがしっとりと踊るコラボレーションが実現。客席からも大きな歓声が上がった。

西川が「(大トリを)この4人に頼んで本当によかったです。せっかくなんで、もう1曲やらせてもらっていいですか」と、会場に残っていたMICRO、BOYS AND MEN、打首獄門同好会、キュウソネコカミもステージに呼び込み、毎年<イナズマ>のラストを飾っているナンバー「Lakers」を全員でプレイ。最後には西川がBOYS AND MENのメンバーに胴上げされるというハプニングもあり、西川本人もびっくりしたようだ。





時おり雨の降る曇り空の2日間ではあったが、出演者が退場した後の空には大きな花火が打ち上がり、無事に2019年のイナズマは幕を閉じた。西川はイベント終了後に「決意と覚悟のDay1、宿命と試練のDay2、それぞれにそれぞれしかないドラマがありました! 出演いただいたアーティスト、芸人、パフォーマーのすべての皆様、 関係者、スタッフの皆様、そしてお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。」とツイートした。

9月30日から始まる2019年度後期のNHKの連続テレビ小説『スカーレット』に出演する西川。滋賀県が舞台となるドラマで、役者としても地元を盛り上げていく。


取材・文◎フジタアヤコ

◆【ライブレポート】<イナズマロック フェス>初日へ

■<イナズマロック フェス 2019>

9月21日(土) 滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場
9月22日(日) 滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場
※滋賀県立琵琶湖博物館西隣 多目的広場
開場12:00/開演14:00/終演20:00 (各日とも予定)
※雨天決行(荒天の場合は中止)

▼9月21日(土)
【LIVE AREA・雷神STAGE】※50音順
・ARTIST:UVERworld / KEYTALK / THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / Da-iCE / 超特急 / 西川貴教 / 日向坂46 / BRADIO (RISING ACT)
・PERFORMER:ギャロップ / 金属バット / トム・ブラウン / ハマカーン / ひょっこりはん / ミサイルマン
【FREE AREA・風神STAGE】※50音順
・ARTIST:I.M(愛笑む) / COLOR CREATION / ザ・ヒーナキャット / Tigh-Z / たこやきレインボー / 東京力車 / THE BEAT GARDEN / Re:Complex / revenge my LOST / ...and more
【FREE AREA・龍神ステージ Supported by SHIGA UNITED inc.】※50音順
・MC:大岩Larry正志 / ギャロップ
・PERFORMER:ギャンブルフード / スーパーニュウニュウ / ディスコザムーン / デルピエロ / ユースフルデイズ

▼9月22日(日)
【LIVE AREA・雷神STAGE】※50音順
・ARTIST:abingdon boys school / 打首獄門同好会 / キュウソネコカミ / ゲスの極み乙女。 / Dragon Ash / 西川貴教 / ももいろクローバーZ / BOYS AND MEN (RISING ACT)
・PERFORMER:尼神インター / 三四郎 / セルライトスパ / 東京ホテイソン / トレンディエンジェル / 藤崎マーケット
【FREE AREA・風神STAGE】※50音順
・ARTIST:アイビーカラー / CASPA / ザ・モアイズユー / バックドロップシンデレラ / パノラマパナマタウン / 原田珠々華 / BURNOUT SYNDROMES / 眉村ちあき / LAID BACK OCEAN / ...and more
【FREE AREA・龍神ステージ Supported by SHIGA UNITED inc.】※50音順
・MC:大岩Larry正志 / 藤崎マーケット
・PERFORMER:JP / 師走 / 新作のハーモニカ / 台風クラブ / 花唄ファンファーレ


■3rdシングル「Crescent Cutlass」

2019年10月23日(水)発売
【初回生産限定盤 [CD+DVD]】ESCL-5293-4 ¥1,850(税込)
1. Crescent Cutlass
2. Claymore
<DVD>
1.「Crescent Cutlass」Music Video
2. Making of「Crescent Cutlass」Music Video
【通常盤 [CD]】ESCL-5295 ¥1,350(税込)
1. Crescent Cutlass
2. Claymore
3. Crescent Cutlass (Instrumental)
4. Claymore (Instrumental)
【期間生産限定盤 [CD+DVD]】ESCL-5296-7 ¥1,850(税込)
※スペシャルジャケット仕様
1. Crescent Cutlass
2. Claymore
<DVD>
1.「Crescent Cutlass」×「Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌」Collaboration Music Video

▼映画『Thunderbolt Fantasy ⻄幽玹歌』情報
2019年10⽉25⽇(⾦)公開
キャスト:⻄川貴教 / ⼩⻄克幸 / 東⼭奈央 / 釘宮理恵 / 新垣樽助/ 井上喜久⼦/ ほか
主題歌:⻄川貴教「Crescent Cutlass」

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