【短期連載】彩冷えるの『<辞するモラトリアム>TOUR DIARY』第5回 向日 葵 編「心の体温」

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こんにちは、向日 葵です。<TOUR「辞するモラトリアム」>札幌公演初日を無事に終え、ホテルでこのコラムを書いています。今回(9月19日、20日)の会場、“札幌Cube Garden”さんには個人的に特別な思い入れがありました。

◆彩冷える 画像

彩冷えるが活動を休止し、ソロとして活動をしていた2011年。全国ツアーを開催した時に北海道の会場は今日と同じCube Gardenでした。日にちは3月12日。


僕とマネージャーは飛行機で、サポートミュージシャンとスタッフチームはフェリーで、前乗りをするために前日に北海道へ向かっていました。2011年3月11日。東日本大震災が起きた日。僕は羽田空港へ向かう車内で揺れを感じ、状況を把握できないままとりあえずフライトの時間が1時間後と差し迫っていたのでタクシーを乗り継いでなんとか空港へ到着。しかし空港内も混乱していてフライトは全便欠航。

異例の出来事だったため、会社もイベンターもライブ中止の判断がつけられず、とりあえず翌日札幌に向かう事に。なんとか飛行機を取り札幌へは来れたものの、フェリーで北海道へ向かっていたミュージシャンやスタッフチームが苫小牧港に上がる事ができず、ライブ開始時間にはとても間に合わない状況となりました。たとえ一人でも、アカペラでもいいからなんとかライブをしたい(今思うと、とても自分勝手な意見だったと思う)とギリギリまで話し合ったのですが、北海道には特に被害がなかったにしても、本州で大規模な余震が続く中、開催はできないと判断をして中止になりました。


その時の事がとても心に残っていて。“いつか必ずCube Gardenのステージで歌いたい”と想い続けていました。それがやっと実現できました。しかも、自分が一番望んでいた彩冷えるとしてのライブ。もう絶対に最高のライブをしないと!って変に一人で意気込んじゃいました。

僕の心の体温はメンバーに繋がっている。何も話してもいないけど、今日のメンバーの温度はいつも以上に高かったし、その雰囲気は会場にも伝染する。今日のライブはいつもと同じく最高に楽しかったけど、それだけじゃなかったよ。なんか一つ上にあがれた気がするんです。演奏レベルがとか、なんかそういうのじゃなくて、メンバー5人、スタッフ、そしてファンのみんなとの心の繋がりがより濃くなったとかいうか。目には見えないし、ほんと感覚レベルなんだけど。


僕らはもう振り向かない。止まらない。ただ、前に進むだけ。メンバーやスタッフだけでなく、ファンのみんなも同じ方向に向かっている。こうなった時の彩冷えるは異常に強い。

9年間の空白の歳月は、この加速度を増すためにあったのかもしれない。蛙も高く飛ぶために一度低くしゃがむでしょ。あれと同じ。あとは高く真っ直ぐに飛ぶだけ。いけるよね。

今の僕たちは「波に乗っている」から──(ライブ本編のケンゾ氏のMCより抜粋)

彩冷える 向日 葵



■ワンマンツアー<辞するモラトリアム>

2019年9月06日 愛知・名古屋ELL
2019年9月08日 福岡・博多DRUM Be-1
2019年9月14日 岡山YEBISU YA PRO
2019年9月16日 大阪umeda TRAD
2019年9月19日 北海道・札幌cube garden
2019年9月20日 北海道・札幌cube garden
2019年9月23日 宮城・仙台JUNK BOX
2019年9月26日 東京・赤坂BLITZ

■オリジナルアルバム『辞するモラトリアム』

2019年8月24日配信スタート
※iTunes、Spotify、Google Play Music、Amazon Music、Apple Musicなどの音楽配信サービス
・各配信サービス
01. query
02. ミルク
03. さめざめ
04. アンビバレント ワールド
05. プロポーズ
06. 前戯
07. 透明ゆえに色を選べずに
08. あなたに
09. 君は、アジテーター


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