【速レポ】<京都大作戦2019>SiM、「当たり前のことなんてひとつもないからさ」

今回の<京都大作戦>で、他のバンドのステージやサークルモッシュなど、なにかと活躍してきたMAHだが、開催4日目にして、ようやく自分のバンドで登場だ。
◆SiM 画像
いつものSEであるサイレンが鳴り響くと戦闘開始。まず出てきたSHOW-HATE、SIN、GODRiがバンドサウンドを決め、MAHが「飛べ!」と叫びながら現れた。オーディエンスのテンションを一気に高めて突入した「DiAMOND」。力強いリズムやグルーヴを叩きつけるのはGODRi。SINはベースを、SHOW-HATEはギターを派手に回し、聴覚だけじゃなく視覚も挑発し続けた。


「WHO'S NEXT」ではつぶやくような不気味な声で「来いよ」とMAH。歌いながら、なおも煽りを食らわせ続ける。溜まりに溜まったものを吐き出すように、すさまじい攻めっぷりだ。さらに、「Crystal Lakeを観に行ってて、まだこっちのステージに着いてないヤツら。ザマーミロ!!」と憎らしい言葉で笑いも。
そんな攻めから一転したのは「Here I am」だった。これはSiMの初期に作られたレゲエの空気を思いっきり吸い込んだナンバー。さっきまでの狂乱の絵図とも呼べるオーディエンスの様相も、心地いいバンドサウンドに揺れながらピースフルなムードへ。



「毎年、<京都大作戦>に出ない年も遊びに来させてもらっていて…」──豪雨で中止になった去年も、<京都大作戦>のために京都に向かったというMAH。Dragon AshのKjと10-FEETのメンバーと、ため息ばかりのドライブをしながら太陽が丘まで来たそうだ。彼やSiMの<京都大作戦>に対する気持ちは、2013年の名言となったMCで知っているファンも多いはず。そんな彼は続けた。
「2019年7月7日、今日、予定通り<京都大作戦>が開催されていること。予定通りの時間に、予定通りのメンバーと、こうしてライブができていること。どんなにありがたいことか、ここにいるみんななら分かっていることでしょ。当たり前のことなんてひとつもないからさ、予定通りすることのありがたみを噛みしめながら、今日は最後まで思いっきり遊んでいきましょう!」

レゲエサウンドが続くなか、MAHはHEY-SMITHの猪狩が来れなくなったことにも触れた。暗いムードにもなりそうなものだが、「猪狩~、見守っててくれよ」と天に向かって手を振り、さらに「来世でバンド一緒にやろうな。今までありがとう」と笑いに持っていく。
そして刻まれ続けるレゲエリズムでMAHが歌い出したのは10-FEETの「RIVER」。笑いは歓喜の声に変わっていった。エンディング直前のブレイクで、「Blah Blah Blah」へ展開するという驚きのアレンジまで見せるスゴ技。勢いを加速させながら「KiLLiNG ME」へ突入したが、その中盤、MAHは話し始めた。

「先週やられたことの借りは昨日、いったん返したんだけどさ。今年のサブタイトルはなんだっけ?」──“倍返し!”とでかい声で答えるオーディエンスだ。
「ということは、まだ俺のターンだよな。おい、Kj、どこだ!? 帰った? クソが!! 来年の<京都大作戦>が楽しみになったな。やり返すしかありまへんな~!」と1年後に向けて宣戦布告まで。
次なる曲が始まる直前のこと。先週、Kjの指令でサークルの渦に一緒に行った10-FEETのKOUICHIだったが、すぐにステージに戻ったことを思い出してしまったMAH。そして、KOUICHIをモッシュの渦に向かわせ、「f.a.i.t.h」を激烈に決めた。

ライブの最初から最後まで、やりたい放題で言いたい放題だったが、それは全て<京都大作戦>に対するでっかい愛情の現れ。なにもかもが倍では収まらない返し技を決めてくれた。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎みやざきまゆみ
【SiM セットリスト】
02. WHO'S NEXT
03. TxHxC
04. Here I am
05. Blah Blah Blah
06. KiLLiNG ME
07. f.a.i.t.h
■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定
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