【速レポ】<京都大作戦2019>BRAHMAN、「天気の神様、今年の4日間、天気がもちますように」

SEと共にKOHKI、MAKOTO、RONZIの3人がステージに現れた、ゆっくりと静かに。その佇まいは、厳かな儀式の始まりを思わせる。しかしTOSHI-LOWが現われたのを合図に「BASIS」が一気に炸裂。BRAHMANサウンドが太陽が丘に轟いていく。
◆BRAHMAN 画像
バンドサウンドを全身で感じながら蹴りやパンチを繰り出すTOSHI-LOW。それはステージアクションというより、完全に格闘家のキレある動き。楽器陣の3人もそれぞれ曲に入り込み、フレーズや音に生命力を宿らせる。次から次へと曲が続くなか、BRAHMANの発するエネルギーは巨大な渦のようになって、目の前にいる全てのオーディエンスを飲み込んでいった。

MCも煽り文句もほぼ入れることなく曲を叩きつけていく今日のステージは、以前のBRAHMANを思わせるような、なにやら覚悟めいたものさえ感じる。ライブというよりは、格闘技にも近い真剣なぶつかりあい。それこそが自分らの使命とでもいうように。力のみなぎった凛々しい顔つきの4人がステージにいた。
もちろん、バンドとしてキャリアを重ねながら曲も広がりを見せているBRAHMAN。「怒涛の彼方」では東京スカパラダイスオーケストラのNARGO、北原雅彦、GAMO、谷中 敦のホーン隊がゲストで参加、曲をホーンフレーズで彩る。しかし、そこから暗黒リフが刻まれ「警醒」へ入ったとき、ついにTOSHI-LOWは客席エリアに勢いよく入った。肩車の上からパンチを繰り出し、頭突きもして、威勢のいいヤツらとナマでぶつかり合う。勝負を求めるようにクラウドサーフで殺到する野郎たち。

覚醒に次ぐ覚醒のステージだったが、そのエンディングを締めくくるように広がったのは「鼎の問」。でかいメロディを持ったこの曲では、過激さとは違った、味わいある歌を聴かせるTOSHI-LOW。人生も経験も重ねたからこその人間味溢れる歌が心を打つ。太陽が丘を埋め尽くすオーディエンスは、両腕を上げながら歌に聴き入った。
そして穏やかな表情でTOSHI-LOWが語り始めた。笑い話も入れながらだったが、2年前の<京都大作戦>の日、猪苗代湖で弾き語りライブをしていたTOSHI-LOWは「自分が行かないフェスは雨降って、悪天候で中止になっちゃえばいい」と冗談を言ったという。その直後、<京都大作戦>は雨で中断になり、各所から「何言った?」という電話がTOSHI-LOWのもとに殺到したそうだ。
「天気の神様、この冗談は拾わないでください。でも、もし拾ってもらえるんだったら、もう一回言い直すんで聞いてください。今年の4日間、天気が持ちますように」

「災害が起こったときには、俺達と10-FEETが握手しているあのTシャツを着て、全国行きますので、よろしくお願いします」とも。強い男は、やはり優しいのである。そして三線でORANGE RANGEのYOHがゲスト参加して響かせるのはラストの「満月の夕」。笑顔もこぼしながら歌うTOSHI-LOW。感動と共に幸せな気持ちで太陽が丘を包み込んでいった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN
【BRAHMAN セットリスト】
02. 雷同
03. SEE OFF
04. AFTER-SENSATION
05. BEYOND THE MOUNTAIN
06. 不倶戴天
07. 怒涛の彼方
08. 警醒
09. 鼎の問
10. 満月の夕
■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定
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