【ライブレポート】T-BOLAN、23年ぶり全国ツアー完走「再開の旅はずっと続いていく」
2019年9月からスタートした23年ぶりの全国ツアー<T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour『the Best』~励~>のファイナル公演が6月15日、東京・昭和女子大学人見記念講堂で行われた。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆T-BOLAN 画像
梅雨空のもとで行われたライブだったが、開演前の客席はステージを待ちわびるファンの熱気で包まれていた。会場が暗くなった次の瞬間、眩しい光線とともに「Only Lonely Crazy Heart」が響き渡る。白のロングジャケットを身に纏った森友嵐士(Vo)が「トウキョウ!行くぜ!」と一気に会場の熱量を上げた。続く「Bye For Now」では会場全体がその歌声に魅了され、T-BOLANの音世界に引き込まれる。このツアーのもうひとつのテーマが“再会”であることはファイナル前に公開された動画コメントでも告げられていたが、森友はMCで再会の喜びをこう語った。
「長い間、逢いたかった人達と会えて、最高の時間を過ごさせてもらっている。俺たちの再会の旅はずっと続いていく」──森友嵐士
「じれったい愛」「悪魔の魅力」「LOVE」といったナンバーがライブを加速させ、「俺が“ENJOY”と言うから、みんなは“YEAH”で応えて」という森友の発案によるコール&レスポンスが会場を序盤から一体にさせた。そして、7曲目に披露されたのが新曲「京恋唄」だ。同曲の前のMCで森友は「90年代、“歌う木になりたい”と言っていたことを思い出した」とエピソードを語り始める。
「ある町に一本の歌う木があり、その木の周りはたくさんの人の笑顔で溢れるようになった。しかしある日、歌う木は声を失ってしまう。あれから14年、また木は歌うことができるようになり、昔、歌う木の周りで歌を聞いてくれた人は再会を喜んだ。そして2019年6月15日、新しい歌を仲間と歌うことを約束した。愛する人を思う全ての人の心に届きますように、と」
ピアノソロから始まり、チェロの音が会場に響き渡る。新曲「京恋唄」はしっとりとした秋の気配を感じさせるラブバラードだ。同曲は森友のソロプロジェクトで歌われていたものだが、その曲が持つ本来の雰囲気を生かしつつ、T-BOLAN流アレンジが施されたバンドサウンドが秀逸だ。
「Hold On My Beat」は森友がハーモニカを奏でたほか、1本のマイクで五味孝氏(G)と歌い上げるといったロックスタイルに客席から歓声が上がり、アコースティックバージョンでヒット曲「マリア」が披露されるなど、緩急自在。さらに、黒のジャケットに着替えた森友が客席に表れた「あこがれていた大人になりたくて」では、ファンと握手やハイタッチ、言葉を交わしながら客席を約7分かけて練り歩くなど、どこまでも粋な演出が続く。そして11曲目の「愛のために 愛の中で」を歌い上げたところで、この夜のクライマックスが訪れた。
2015年にくも膜下出血で倒れ、奇跡の復活を果たしたベース上野博文の登場だ。森友の呼び込みと観客の大歓声に迎えられた上野が笑顔でステージに上がる。そして、ツアー中のメンバー愛溢れる秘話も披露した。
「3月に初めて上野の地元の栃木でライブがあって、上野の家族が見に来ていた。上野が本当に嬉しそうで、その姿に感動しちゃって。誰かのことでこんなに喜べることがあるんだな」
その後は、「Happiness」「刹那さを消せやしない」「SHAKE IT」「傷だらけを抱きしめて」とT-BOLANの王道サウンドが続き、「My life is My way」では青木和義の激しいドラムソロが90年代と変わらぬパワーで轟いた。同曲を本編ラストに、上野自身が“復活後にやりたいこと”として一番に上げたライブで観客を魅了した。
アンコールは、「Re:I」「離したくはない」を披露。「この旅はずっとずっと続けていきたいと思っている。今世で、音楽でつながれた。ずっと再会し続けるんだな」とファンに再び誓った森友。それと同時に、約2年ぶりのアコースティックツアー<T-BOLAN LIVE HEAVEN 2019 夏の終わりに『Love Songs』~Acoustic Live Tour~>を9月5日から開催することがサプライズ発表となった。
アンコールの最後には、今ツアー恒例となった森友自身のスマホによる動画撮影へ。さらにサポートメンバーの坪倉唯子と人時、T-BOLANメンバーの紹介が行われ、ライブツアーが大盛況のうちに終了した。……しかし、ステージを去ろうとしていたメンバー全員へ向けられるアンコールが鳴り止まない。急遽、「再結成に向けてメンバーが再会した時に最初に合わせた曲」だと森友が語った「いじけた視線を君に語るより 光をみたい」を五味のギターと共にしっとりと披露。「また逢おうぜ!」と、これからも走り続けることを約束して、<T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour『the Best』~励~>の全公演が幕を閉じた。
■<T-BOLAN 30h Anniversary LIVE Tour「the Best」~励~>セットリスト
02. Bye For Now
03. じれったい愛
04. 悪魔の魅力
05. LOVE
06. わがままに抱き合えたなら
07. 京恋唄 ※新曲
08. Hold On My Beat
09. マリア ※Acoustic ver.
10. あこがれていた大人になりたくて
11. 愛のために 愛の中で
12. Happiness
13. 刹那さを消せやしない
14. SHAKE IT
15. 傷だらけを抱きしめて
16. My life is My way
encore
en1 Re:I
en2 離したくはない
W.encore
EN3 いじけた視線を君に語るより 光を見たい
▼T-BOLAN
森友嵐士(Vo)、青木和義(Dr)、五味孝氏(G)、上野博文(B)
【ツアーサポートメンバー】
人時 (ex. 黒夢 / B)、坪倉唯子 (ex. B.B.クィーンズ / Cho)
■<T-BOLAN LIVE HEAVEN 2019 夏の終わりに「Love Songs」〜Acoustic Live Tour〜>
open18:00 / 開演19:00
(問)夢番地 TEL082-249-3571(平日11:00~19:00)
9月6日(金) 大阪・Zepp Namba
open18:00 / 開演19:00
(問)サウンドクリエーター TEL06-6357-4400
9月16日(月・祝) 東京・Zepp DiverCity
open17:00 / 開演18:00
(問)ディスクガレージ TEL050-5533-0888
▼チケット
全席指定 10,000円(税込)
※全会場シーティング・全席指定
※未就学児入場不可
※入場時ドリンク代 別途必要
※チケット発売スケジュール等の詳細は後日発表
■番組『T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour「the Best」〜励〜』
収録日:2019年6月15日
収録場所:東京・昭和女子大学 人見記念講堂
番組サイト: https://www.wowow.co.jp/t-bolan/
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