【ライブレポート】リッチー・ブラックモアズ・レインボー、上昇し続けるパフォーマンス
2016年に19年ぶりの復活を遂げて以降、欧州のみではあるものの毎年コンスタントにツアーを敢行しているリッチー・ブラックモアズ・レインボーだが、2019年はドイツのミュンヘン公演で単独コンサートを開催し、フィンランド/スウェーデン/スペインではフェスへ出演を果たしている。
スウェーデンの<Sweden Rock Festival 2019>は1992年から毎年開催されているロックフェスで、新進気鋭の若手バンドからレジェンドまでラインナップの幅広さには定評があるものの、本格的な世界的フェスティバルにおいてレインボーは受け入れられるものなのか、予想がつかなかった。
結論から言えば、それは全くの杞憂でありヘッドライナーに相応しい盛り上がりを見せ、何よりもリッチー自身のご機嫌も麗しい。ブラックモアズ・ナイトでもよく訪れており、アバのファンであるリッチーにとって、スウェーデンは好きな場所なのかもしれない。
毎回「Land of Hope and Glory」が流れると一気に鳥肌が立ち、ウェルカムのオーディエンスたちへ披露される名曲の数々は何度でも何にも代え難い体験として心に刻まれて行く。復活してからのリッチーはよくMCをするようになっており、生声が聴ける事など当時では考えられなかったが、「次は何を演ろうか?」というロニー・ロメロ(Vo)のMCに、「Ace of Spade(モーターヘッド)なんてどう?」と冗談も混ぜてみたりする。
2019年は特に何度もイエンス・ヨハンソン(Key)とアイコンタクトを取り、その表情も豊かでステージアクションも活発になっている事も印象的だ。セットリストやステージスクリーンの演出はもはや定番になっているが、バンドの雰囲気も含めて細かな変化が見られるのは非常に嬉しいものである。
一方、ミュンヘンは、かつてディープ・パープルやレインボーが愛用していたかの有名なミュージックランドスタジオがあった事や1977年の伝説的なコンサートが行われた事もあり、リッチーファンには所縁と憧れの土地でもある。ミュンヘンオリンピックが行われた公園の中の敷地内にあるオリンピアハレ(オリンピックホール)でのステージは、スウェーデンでのパフォーマンスにも増し、リッチーのプレイには勢いが増していた。
特に「Mistreated」のエンディングソロは狂気がかり、ロニーやイエンス、ボブ・ヌーボー(B)と何度も寄り添う姿や、観客へのアプローチも大サービスぶりを見せていた。後半「Stargazer」から「Long Live Rock'n' Roll」で最高潮に達したところで、2012年に他界したジョン・ロードへのインスト追悼曲が始まった。ミュンヘン公演は唯一の単独公演なだけに特別なステージが期待されていたが、リッチーがイントロを静かに弾き出し、スクリーンにジョン・ロードのアップが映し出されると、会場からは大きな歓声があがり、あわせて涙をぬぐう光景が広がった。若きし頃のジョンとリッチーの2ショットを何枚もセレクトされ、リッチーの想いを感じずにはいられない。
これまでのステージでは、終演後はリッチーだけは早々に袖に帰ってしまっていたが、ミュンヘンのステージだけは自らメンバーと肩を組み挨拶をする場面や、両手に抱えたTシャツやCDを客席へばら撒く様子も見せてくれた。コンサート会場限定で新曲CDが販売されるという新たな試みもあり、御大の息の吹き返しには、まだまだ楽しませて貰えそうな気がする。
文・写真:Sweeet Rock / Aki
<Rainbow ~ Sweden Rock Festival 2019 ~>
1.Land of Hope and Glory
2.Over the Rainbow
3.Spotlight Kid
4.I Surrender
5.Mistreated
6.Since You've Been Gone
7.Man on the Silver Mountain ~Woman from Tokyo ~ Man on the Silver Mountain
8.Perfect Strangers
9.Black Night
10.Difficult to Cure ~ Keyboard Solo ~Difficult to Cure
11.All Night Long
12.Stargazer
13.Long Live Rock'n' Roll
14.Burn
En.Smoke on the Water
<Rainbow ~ Rock Memories 2019 ~>
1.Land of Hope and Glory
2.Over the Rainbow
3.Spotlight Kid
4.I Surrender
5.Mistreated
6.Since You've Been Gone
7.Man on the Silver Mountain ~Woman from Tokyo ~ Man on the Silver Mountain
8.Perfect Strangers
9.Black Night
10.Difficult to Cure ~ Keyboard Solo ~Difficult to Cure
11.All Night Long
12.Stargazer
13.Long Live Rock'n' Roll
14.Carry on … Jon
15.Burn
En.Smoke on the Water
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