【舞台裏トーク】<SATANIC CARNIVAL>GARLICBOYS、「いろんなことをひっくるめて“大きい一日”」
2017年初頭の電撃的な活動再開以降、自主企画の開催や大型イベントへの出演などコンスタントに活動を重ねてきた大阪の重鎮バンドが、<SATANIC CARNIVAL>に再び。ギタリストのLarryにサタニックの感想はもとより、バンドの変化や在り方について語ってもらったインタビューをお届けしたい。なお、GARLICBOYS は7月31日に大阪・十三FANDANGOで2019年一発目となる自主企画ワンマン<第四十九回 平成ラリー塾 ~GARLICBOYS ”俺たちのワンマン2019・さよなら十三FANDANGO”>を開催することも決定している。
◆GARLICBOYS 画像
■活動休止して再始動してからは
■バンドの在り方が変わってる
──緩急の“か”の字もないライブでしたね。
Larry:イベントやからねえ。
──イベントとはいえ、いつもこんなにかっ飛ばしてましたっけ?
Larry:いや、以前は“短い時間でも何か……”って考えてたよ。でも、最近はガッといくことが多いかも。
──出し惜しみ一切なしでしたね。
Larry:そうやなあ。短い時間だからこそ根本の部分を見せようと。だって、尺が長ければ“実はこういう部分もありますよ”っていう、ちょっと違った曲をやったりして流れを作れるけど、今日みたいな日は自分たちの一番の軸を見せへんと。最近そう思うようになってきたかな。
──きっかけはあったんですか?
Larry:観に来てくれるお客さんに勇気づけられるというか。セットリストとしてはお決まりのものをやってるけど、それをお客さんがずっと楽しんでくれるから。それイコール、初めて観るお客さんにも楽しんでもらえるのかなと。変に変化球を放り込んで“あれ? なんか違うな”って思われるよりは、隠しごとせずに“うちらはこうです!”って最初から素っ裸でやるほうがいいかなっていう。
──そうだったんですね。
Larry:あと今回、スケジュールの関係でライブ前の練習ができへんかって。だから各自で練習して、本番前の音出しの時間に合わせるって感じやったから、それも今日は大きかったかもね。ホンマに素の状態で、作戦も何もなしにステージの上で全員でバンッとぶつかり合う感じ。
──確かに、今日はスリリングな雰囲気はありました。
Larry:すっごい楽しめた。ライブは毎回楽しんでるけど、今日は特に“キワキワでやってるなあ”みたいな。
──選曲こそオールタイムベストな感じでしたけど。
Larry:そうそう、そこには乗っからなかった。キワキワだったからこそ、いつもと違う曲に聞こえてくれたらなっていうのはあったね、こっち側の話だけど。
──若さみたいな勢いがありました。
Larry:あったかも。あの選曲やったら慣れてるし、練習をバンバンやったら余裕があるステージに見せることも可能ではあるわけやんか。でもそうならなかったからよかったかな。結果論ではあるけど、すごく楽しめた。立つまではビビってたけど。
──ステージに上がってからは切り替えて。
Larry:そう、“そんなこと考えてる場合ちゃうやん、やるだけやん”って。
──PETA (Vo)さんのテンションも違ってましたね。
Larry:最近、変わってきてるからね。自分のソロもやってるし。多分、自信がついてきたっていうのもあるんちゃうかな。前はちょっと兄弟同士で気兼ねしてた部分もあったんやろうけど。
──ライブ後にPETAさんとちょっと話をしたんですけど、「オフステージでこんなにテンション高い人だったっけ?」って思いました。
Larry:違う感じになってるやんな?
──本人にそうやって聞いたら、「せやねん!」って(笑)。極端な話ですけど、今日は<AIR JAM '98>でのライブを彷彿とさせる感じでした。
Larry:ああ、それぐらいの気分はあったかもね。活動休止して再始動してからはバンドの在り方が変わってるから、当時の感覚に戻ったって感覚はあるかも。
──へぇ~。
Larry:多分、あのまま活動休止しないで続けてたら、今日も“全然余裕ちゃう?”って感じになってたかも。そういうこともひっくるめて今日はよかった。
──ただ、ライブ後にステージ裏に行ったら、RYO(Dr)くんがぶっ倒れてましたけどね(笑)。
Larry:RYOくんは昨日もSHADOWSやってたから。しかも、昨日はトリやから尺が長かったやん。ようやってくれました。
──ガーリックにとってサタニックってどういう存在なんですか?
Larry:いやあ、昨日もメンバーとちょうどその話をしてて。各自考えはあるんやろうけど、俺とRYOくんで共通してるのは、いろんなことをひっくるめて“大きい一日”。サタニックにはお世話になってる人だけでもめちゃめちゃおるわけやんか。だから、ピザオブデスがあって、この舞台でっていうことを考えると、大きい一日ではあるよね。ええ意味でのプレッシャーがある。レーベルに所属してる人間としてはさ、ええとこ見せたいわけやん。最近のリリースはないけど、“今、こんなライブやってんねん!”っていうのをみんなに見せるのが一番説得力あるわけでさ、そこでコケたら“何やってんですか”ってちゃんと厳しく言ってもらえるし、ヒリヒリするよね。
■急遽「あんた飛ばしすぎ」を1曲目に
■やっぱり、お客さんありきやなって
──去年、「あんた飛ばしすぎ」がももいろクローバーZにカバーされたことで何か変化ってありましたか?
Larry:全然音楽でつながってない一般の知り合いから、「カバーされとるやん。あれ、自分らの曲やろ?」みたいなことを言われたりしたから、「ああ、すごい知られてるんやな」って。そこの影響の大きさはヒシヒシと感じるね。
──ライブに新規のお客さんが来たりとかは?
Larry:話に聞いたところだと、ももクロファンの人がライブを観に来てるって。それ聞いて優しいなと思った。それだけアンテナを張って、新しい音楽を受け入れるキャパがある人がおるんやって。“この曲を歌ってる人たちのライブを観てみたい”と思って来てくれたことはすごくありがたい。そういうこともあったから、今日もセットリストを変えて、急遽「あんた飛ばしすぎ」を1曲目にやって。やっぱり、お客さんありきやなって。
──なるほどね。
Larry:ちょっと前までは、セットリストも自分勝手に組んで、“わかってくれへんでもいいよ”みたいな感じやったけど。
──GARLICBOYSって節目節目で大きな変化がありますよね。
Larry:なんかあるよね。節目じゃないと気付けへん、アホやから(笑)。
──気付かせてもらってるっていう。
Larry:そうそうそう。軌道修正みたいな感じで、改めて考えるっていう。ホンマに周りに助けられてる。
──今後のGARLICBOYSについてどんなふうに考えてるんですか?
Larry:うちらはみんな別の仕事もしてるから、最初は“みんなギュッとバンドに集中してチームワークを高めるべき”みたいな昔ながらの堅苦しい考え方をしててんけど、ここ最近は“いや、こんな在り方もありじゃない?”って。“GARLICBOYS愛”みたいなことを自分でも語ってたけど、あれは言葉だけやったなって。そういういろんなことをひっくるめて、自分を変化させていこうかなっていうのはあるかな。
──実際、PETAさんも変わってますしね。
Larry:そうそう。そうやって変わっていってる人を目の当たりしてるし、“いつまでも昔の俺じゃあかんやろ”っていうのもあるし。
──いや~、今後もまた面白い展開があるかもしれないですね。
Larry:うん、それはできると思うねんな。定期的にCDをリリースしてツアーをしてっていうのが今までのバンドの在り方だったけど、仕事があるせいで自由に動かれへんバンドでも、俺らの背中を見てもらって“あ、こんなやり方もありなんや”って、音楽を演奏することとかライブハウスに行くことを身近に感じてもらえたらええなって。そういう見せ方ができたらもっといろんな人が年を取ってからでもバンドをまた始めるだろうし。“バンドはいくつになってもできるやん”って。
──Larryさんの視野も広くなっていますね。
Larry:まあね、この年齢だからね。“一緒に歩みましょう、肩貸してくださいよ”っていう。こっちもヨロヨロするわけやん(笑)。
──なんかいいですね。そうやってGARLICBOYSはこれからも変化していくわけですね。
Larry:そんなバンドですよ、うちらは。それがみんなの刺激になればいいかなと思う。
取材・文◎阿刀"DA"大志
撮影◎梶原靖夫/本田裕二 (ライブ)
■<SATANIC CARNIVAL'19>
6月16日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
・物販開始 BOOTH AREA 開場 9:00
・LIVE AREA 開場 10:30 / 開演 12:00
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