【ライブレポート】0.1gの誤算、「“一番狂ってた”って言わせようよ」

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0.1gの誤算が5月3日に日本青年館でライブを行なった。

◆ライブ画像(11枚)

2月末の新宿BLAZE、3月中旬のZepp DiverCityと、今年に入ってから早くも2本の大箱ワンマンを行なった0.1gの誤算。彼等が“5月3日=誤算の日”の舞台に選んだのは、ここ日本青年館だった。奥行きのあるステージ、指定席が並ぶフロア…普段のライヴとは違う環境に、0.1gの誤算はどう対応するのか。

場内が暗転しSEが流れ始めると、一斉に座席から立ち上がるオーディエンス。メンバーがステージ上に出揃ったところで、「ホールだろうが関係なく暴れることを誓います!」と、緑川裕宇(Vo)が選手宣誓の如く右手を真っ直ぐ挙げる。ライヴ開始の合図だ。最新曲「獣猛戦争~轟け!超誤算狩猟!~」が始まると、椅子に座った状態でヘドバンや折り畳みが繰り広げられる。開演前、席に腰かけ静かに待っている観客の様子を見た時には、0.1gの誤算のライヴをホールで観るという事に違和感を覚えた。しかし、会場後方から見る今の眺めは、ライヴハウスの光景と変わらない。そう感じる程、場内は気合十分だ。この曲を初めてライヴで披露した時より、演奏力も格段にパワーアップしている。


その後、「ホールに慣れていないだろうから。」と織り込まれた準備体操タイムでは、ジャンプ、モッシュ、ヘドバン、折り畳みと、彼等のライヴでの主要な動きをチェック。どんな場所でも瞬時に対応してみせるファンが、なんとも頼もしい。しっかりと暴れられる事を確認したところで、2曲目「敵刺す、テキサス」。立ったり座ったりと忙しい様子のファンだが、メンバーのキメポイントとも息がぴったりで、心地良い空間が創り出されている。また、こうして普段と変わらぬ調子を保ちつつも、4曲目「グリッターレイ」では、ステージを右往左往しながら、会場の広さを実感している姿を見せた。

<俺達がホールの常識をぶっ壊す>という公演タイトル通り、“ホールでライヴ”ということは0.1gの誤算にとってはさほど大した問題ではなかったことが、次々と証明されていく。更に今日のライヴについて特筆しておきたいのは、ライヴそのものの表情がいつもとは大きく異なっていたことだ。演奏も暴れ方もいつも通り激熱なのだが、“熱い”だけでなく、“温かい”空気に包まれている様な感覚。これが何なのか最初は分からなかったのだが、緑川裕宇がMCで語った次の言葉で、その理由が分かった。


「今日はなんか気が楽なんだよね。ZeppやBLITZでのライヴは勝負の日だけど、今日は誤算の日ってことで、お祭りみたいな。」後述するが、MCでメンバー全員がマイクをとり自己紹介をしたり、スペシャル企画としてドラムの聞き比べが行われたりと、確かに今日のライブには、この言葉通りの趣向が詰め込まれていた。

このように誤算の日ならではの特別なライブが繰り広げられる中、フロア二列目に居た小学生にも注目。緑川曰く、誤算の振りも完璧というこの小学生は、地方からの参戦者とのこと。他にも沢山の人が遠征をしてきている事に対し、「次は俺達が会いに行くから。今度はそれぞれの地元で会おう!」と、間もなくスタートする47都道府県ツアーへの意気込みを示した。

そして本編終了後のスクリーンでは、ツアー初日から発売開始の会場限定シングル、新アーティスト写真も公開された。更に、9枚目となるシングル「絶望メンブレガール」のリリースも発表。嬉しいお知らせの後はアンコールでメンバーが再びステージへ現れ、自己紹介を始める。身長、体重、出身地、母親の名前など、普段は聞けない内容が盛り込まれたトークに、会場は爆笑。


また、ゲストドラマー3人を迎えて、ドラムの聞き比べ大会も実施された。これはインタビューなどで「神崎のドラムじゃなきゃ嫌だ。」というメンバーに対する挑戦状でもある。目隠しをしたメンバーが、8ビートと2バスの音を聴いて、どれが神崎流空(Dr)のプレイかを当てるゲームだ。8ビートでは緑川が見事に正解したが、2バスの音聞き比べでは全員不正解という結果に。但し、不正解だったのは、実は神崎がドラムを叩かず、罰ゲームの執行人役になっていたからという、なんとも誤算らしい内容だった。

アンコールでは「必殺!からくり七変化!」、「【K】0626【渇望】」、「サイレントメモリー」といった多様な楽曲が繰り出される中、「月詠センチメンタル」の演奏中に突如幕が閉まった。これより前、本編中のMCでメンバーから「時間がきたら幕が閉まります」との忠告があったのだが、まさかライブが盛り上がっているタイミングに幕が閉まるとは誰も予想していなかった。


当然、会場からは演奏再開を促すコールが沸き起こるのだが、「ありがとうございました。……だって俺、延長料払いたくないもん。」と言う緑川。だが会場の熱気に押され、神崎が延長料を払ってくれるという事で話がまとまったらしい。神崎に「ありがとう~!」という声が場内に響くと同時に幕が開いて、「月詠センチメンタル」の後半から演奏が再開された。

「日本青年館でライヴをしたバンドの中で、“一番狂ってた”って言わせようよ。」と言い、ファンを中央へギュッと寄せ集める。そして座席の間をぬって、フロア中央を陣取った緑川の周りで、座ったまま頭を振り乱したり両手を大きく広げたりするファン。それは、緑川の言葉通り、とてつもなく異様な光景だった。ラスト「有害メンヘラドール」では、明る過ぎる客電の中で最高の情熱を放った。

メンバーの珍しい一面を披露した事、ホールの常識を覆し楽しみ尽くした事、0.1gの誤算はこれらを実行した。この後5月11日からはいよいよ全国ツアーが始まり、ファイナルはZepp DiverCityで予定されている。0.1gの誤算は前回のZepp DiverCity公演を超えるため、再び勝負に出る。

文◎藤代冬馬
編集◎BARKS
写真◎堅田ひとみ

セットリスト

01. 獣猛戦争~轟け!超誤算狩猟!~
02. 敵刺す、テキサス
03. オオカミ男と月兎
04. グリッターレイ
05. 21gの感傷
06. プラチナ
07. 2008年高田馬場AREA
08. 残飯パセリーナ
09. しいたけ人生論
10. ZOMBIE's LOVE LETTER
11. 天地開闢
12. 男闘魂戦争卍燃えよ!誤算光殺砲卍
13. 溺愛ヤンデレボーイ
-encore-
14. 必殺!からくり七変化!
15. 【K】0626【渇望】
16. サイレントメモリー
17. 月詠センチメンタル
18. 混沌的極悪暴曲-ヴィジュアロックパロディウス-
19. 【L】1126【悲劇】
20. 有害メンヘラドール

<-改・鬼畜企画-『三度目を制する者は、総てを制す』Zepp Diver City攻略への軌跡>

5月11 日(土) 札幌Crazy Monkey
5月12 日(日) 札幌Crazy Monkey
5月18 日(土) 新潟Golden Pigs BLACK STAGE
5月19 日(日) 新潟Golden Pigs BLACK STAGE
5月25 日(土) 名古屋HOLIDAY
5月26 日(日) 名古屋HOLIDAY
6月01 日(土) 仙台HOOK
6月02 日(日) 仙台HOOK
6月07 日(金) 心斎橋VARON
6月08 日(土) 心斎橋VARON
6月09 日(日) 心斎橋VARON
6月15 日(土) 福岡Drum son
6月16 日(日) 福岡Drum son
6月17 日(月) 福岡Drum son
6月22 日(土) 岡山CrazyMama 2nd
6月23 日(日) 岡山CrazyMama 2nd
6月26 日(水) 池袋Black Hole
7月06 日(土) 池袋CYBER
7月07 日(日) 池袋CYBER
7月09 日(火) 池袋CYBER
7月10 日(水) 池袋CYBER
7月12 日(金) 池袋CYBER
7月13 日(土) 池袋CYBER
7月14 日(日) 池袋CYBER

<-改・鬼畜企画- 夏のラストスパート!【Zepp DC】牙を持つ太陽【攻略祈願】>

7月20 日(土) 名古屋ReNY
7月25 日(木) 札幌KRAPS HALL
7月27 日(土) 仙台MACANA
8月04 日(日) 渋谷Duo日(河村友雪バースデー)
8月10 日(土) 福岡Drum Be-1
8月12 日(月) 江坂MUSE

<改・鬼畜企画- Tour Final『俺達の前に道はない、俺達の後ろに道はできる』〜緑川裕宇Birthday〜>

8月22日(木)Zepp DiverCity

リリース情報

■8thシングル「獣猛者戦争~轟け!超誤算狩猟!~」が読売テレビ(日本テレビ系)「ワケあり!レッドゾーン」4月度エンディングテーマに決定
大阪 土曜日 深夜1時28分~
東京 木曜日 深夜1時59分~

■9thシングル「絶望メンブレガール」発売決定

■会場限定シングル第三弾リリース決定
5/11 北海道公演より販売開始

◆0.1gの誤算 オフィシャルサイト
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