<葉加瀬太郎サマーフェス>東京初日、藤井フミヤ、KICK、YAMA-KANら4時間超の熱い競演
<葉加瀬太郎サマーフェス>東京公演が、8月4日(土)、5日(日)の2日間、葛西臨海公園 汐風の広場にて開催された。
◆<葉加瀬太郎サマーフェス>8月4日 東京公演 画像
2002年から毎年行なわれてきた<情熱大陸ライブ>に代わって、彼が50歳を迎えたのを機に、2018年より装いも新たにスタートした音楽イベント<葉加瀬太郎サマーフェス>。8月4日の東京初日公演では、10,000人のファンが見守る中、11組のアーティストが4時間以上にわたって熱いライブ・パフォーマンスを繰り広げた。以下、そのオフィシャルレポートをお届けしたい。
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14時30分、葉加瀬太郎の開会宣言のもと、和楽器バンドがステージに上がり、<葉加瀬太郎サマーフェス>東京公演がスタート。続いてステージ下手のDJブースにKREVAが現れる。DJプレイが行われるのかと思いきや、架空のFM局「FM908」のディスク・ジョッキーとしておしゃべりが始まった。KREVAは開催会場のある葛西出身ということもあり、葉加瀬太郎との思い出から地元の葛西愛に満ちたトークで会場を沸かせた。
ハワイの爽やかな風を感じさせる平井 大、盤石な演奏でオトナのポップかつロックなサウンドを響かせるSING LIKE TALKINGと続き、ステージには、先ほど「FM908」のDJとして出演したKREVAを擁するKICK THE CAN CREWが登場。場内は総立ちとなり、暑さをふっ飛ばすパフォーマンスで会場を圧倒する。
ヒップホップの後はフラメンコギター奏者の沖仁。このボーダーレスなキャスティングは、まさにあらゆるジャンルを飲み込んでしまう葉加瀬太郎の面目躍如と言えよう。なかでも葉加瀬のヴァイオリン、沖仁のフラメンコギター、押尾コータローのアコースティック・ギターのコラボレーションは圧巻だ。アストル・ピアソラのタンゴの名曲を3人の巧者が技と技をぶつけ合いながら聴かせるスリリングな演奏に、オーディエンスも息を呑みながらじっと見守る。名演とはまさにこのこと。3人の演奏が終わると会場からは万雷の拍手が湧いた。
KANと山崎まさよしのユニット、YAMA-KANがステージに現れ、まず驚かされたのはKANの衣装。なんと真っ赤なアメフトのユニフォーム姿である。この驚愕の衣装に対して全く説明のないまま、「愛は勝つ」(KAN/1990年)でライブはスタート。「3月に結成して4月に涙の解散ライブやってしまったので、今日は再結成です!」とKANが話し、場内からの笑いを誘う。YAMA-KANのオリジナル曲3曲を続けた後は、KANから「オリジナル曲3曲やり切ったので、もう曲ありません!」と、山崎まさよしの「One more time, One more chance」(1997年)で締めた。
<葉加瀬太郎サマーフェス>でのコラボレーション楽曲は、殆どが主宰者である葉加瀬からのリクエスト。ゴスペラーズが歌った「Love Me Tonight/恋の終わり」は、トム・ジョーンズのカバーで知られた曲で、葉加瀬が小学生の頃から好きだったそう。ゴスペラーズも、村上てつやが「トム・ジョーンズのこの曲を情熱的に奏でたいと思います!」と宣言し、葉加瀬のたってのリクエストに応えるべく、トム・ジョーンズばりにセクシーに歌い切った。
藤井フミヤのステージは豪華なコラボ2本立て。「次の曲はオヤジふたりでハモリますが、気持ちは少年のつもりでやります(笑)!」と呼び込んだのは佐藤竹善だ。猿岩石に提供した「白い雲のように」を、時に見つめ合いながら美しいハーモニーで聴かせ、会場を魅了する。続いて登場したゴスペラーズの5人はチェッカーズ風の赤いチェック柄のジャケット姿。これを見てフミヤは「気を遣ってくれて、ありがとうね」と苦笑いするも、メンバーは「僕たちの愛です!」と気合い充分。「僕にもそれないの?」と問えば、メンバー5人分しか作ってないと残念がるゴスペラーズに対し「俺のチェックの衣装は、全部メルカリで売っちゃったからなぁ(笑)」と語り、会場の爆笑を誘った。「チェッカーズの曲をフミヤさんと一緒に歌えるなんて最高です!」と始まったのは「ミセス マーメイド」(1991年)。自らをチェッカーズ世代というゴスペラーズのコーラスは最高にクールに決め、さすがの貫禄を見せつけると、場内もうっとりと聴き入る。メンバーがステージを降りた後、フミヤも「なんか楽しかったなぁ」と満足気な表情を見せた。
そしてラストはフェスの主宰者、葉加瀬太郎の登場だ。「ひまわり」をじっくりと聴かせた後、「僕にとっても懐かしいナンバー。たいへん難しい歌ですが、今日はこの1曲を歌うために駆けつけてくださいました!」と小柳ゆきを呼び込む。曲は葉加瀬がセリーヌ・ディオンと共演した「To Love You More」(1995年)。小柳ゆきの声は広い会場に響き渡り、そこに葉加瀬のヴァイオリンが絡んで極上の空間を作り出す。場内は水を打ったように静かに聴き入り、葉加瀬も「凄かったな!」と思わず呟いたほど。そして<葉加瀬太郎サマーフェス>のオーラス曲はご存知「情熱大陸」。この日出演したミュージシャンが次々とステージに上がり、まさにお祭り騒ぎだ。間奏では各々のメンバーがソロ演奏を聴かせる。葉加瀬に至っては、オペラ歌手ばりの美声を披露して大喝采を浴び、ステージと会場が一体となって盛り上がる中、4時間超にわたるイベントの初日公演は終了した。
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■<葉加瀬太郎サマーフェス'18 ~50thanks evolution~>8月4日(土)東京公演 出演者、セットリスト
01.In Our Life Steps
02.Got It Goin’ On
03.There For You
■和楽器バンド
01.細雪
02.オキノタユウ
03.千本桜
■FM908/パーソナリティ:KREVA
■平井 大
01.Slow & Easy
02.はじまりの歌 with 葉加瀬太郎
■SING LIKE TALKING
01.RISE
02.Vox Humana
03.Seasons Of Change with 葉加瀬太郎
04.Spirit Of Love
■KICK THE CAN CREW
01.千% with 葉加瀬太郎
02.マルシェ with 葉加瀬太郎
03.イツナロウバ
04.sayonara sayonara
05.アンバランス
■沖仁
01.禁じられた遊び
02.スペイン with 葉加瀬太郎、佐藤竹善
03.Tierra [ティエラ] ~大地行進曲~ with 葉加瀬太郎
■沖仁&押尾コータロー
01.リベルタンゴ with 葉加瀬太郎
■押尾コータロー
01.Birthday
02.Together!!!
03.あの夏の白い雲
■YAMA-KAN
01.愛は勝つ (KAN/1990)
02.手をつなぎたいんだ
03.記憶にございません
04.Take me Follow me with 葉加瀬太郎
05.One more time, One more chance (山崎まさよし/1997)
■ゴスペラーズ
01.永遠に
02.ひとり
03.Love Me Tonight with 葉加瀬太郎
04.In This Room
05.1, 2, 3 for 5 with 葉加瀬太郎
■藤井フミヤ
01.TRUE LOVE
02.白い雲のように with 葉加瀬太郎、佐藤竹善
03.ミセス マーメイド with 葉加瀬太郎、ゴスペラーズ
04.夜明けのブレス with 葉加瀬太郎
■葉加瀬太郎
01.ひまわり
02.To Love You More with 小柳ゆき
03.情熱大陸
■<葉加瀬太郎 サマーフェス'18 ~50thanks evolution~>
2018年7月28日(土) 大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場
■東京公演(2日公演)
2018年8月4日(土)、5日(日) 東京・葛西臨海公園 汐風の広場
この記事の関連情報
葉加瀬太郎
Neighbors Complain
和楽器バンド
平井 大
SING LIKE TALKING
KICK THE CAN CREW
沖仁
押尾コータロー
KAN
山崎まさよし
ゴスペラーズ
藤井フミヤ
小柳ゆき
邦楽
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