【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>OVER ARM THROW、「ここにいる人、全員を幸せにする」

ポスト

OVER ARM THROWが2015年の出演以来、久々に<SATANIC CARNIVAL>に帰ってきた。EVIL STAGEには、“待ってた!”という観客が、サウンドチェックで曲をプレイする度に歓声をあげており、音に誘われるように人が増えて、始まる頃には後方まで埋まっていた。SEはなし、サウンドチェック時のままでするっとスタートしたライブだったが、そのメロディで、エモーショナルなサウンドで、場内のムードをドラマティックに変えるステージとなった。

◆OVER ARM THROW 画像

1曲目は、昨年、6年ぶりにリリースされた3rdアルバム『Pressure』のオープニング曲でもある「Spiral」。続く「Flying High」と共に、自然とシンガロングが起こる。ほとばしるエネルギーとスピード感に、フロアはジャンプやダイブの嵐となって、熱狂が熱狂を呼ぶ。ロックンロールなビートに、歌謡テイストのメロディが冴える「The Dancing Rain」、観客とのコーラスや呼吸もバッチリな「ZINNIA」といった定番曲と、OVER ARM THROWならではのグッド・メロディ&ハーモニーで聴かせる「TONIGHT」など、前半は新旧の曲を織り交ぜた構成で、パワフルに見せた。




「帰ってきました、OVER ARM THROWです。いやあ、こんなに人が見える。ありがたいよね、みんなこっち見てるんだもん」と菊池信也(Vo/G)。続けて、「昨日からそわそわして、ご飯食べすぎちゃって。胃腸までそわそわして、トイレ6回もいっちゃったよ」と歌で聴かせる二枚目な美声とは一転して、MCではフレンドリー(すぎる)キャラに。鈴野洋平(B/Cho)も、ステージでピカピカ光る“EVIL”の文字を見て、「EVILって、逆から読むと、LIVEになってるよね!」と自慢げに語る。ふたりとも、ひさびさのサタニック帰還でテンションは高めだ。そして、「俺たちのいるシーンを見ていてくれて、こうして呼んでもらえたのはありがたい」とPIZZA OF DEATHへの感謝を語り、2015年に出演した当時の思いを語った。



実は当時、バンドをやめようかという時期もあったという。実際、サタニック出演後から数ヶ月の間、OVER ARM THROWはライブ活動を休んでいる。今回こうして、またサタニックに帰ってこれたことは、彼ら自身とても意味のあることで、感情がほとばしるのも無理もない。「幸せになってくれって、あの時ずっと言ってたんだよ。みんな、幸せか?」と、鈴野が問いかける。止めどない熱い想いを菊池にたしなめられながらも、「ここにいる人、全員を幸せにするつもりで、一緒にやってくれますか」(鈴野)と、エモさダダ漏れのまま「Roatation」「Across the fanfare」とさらに感情をバーストさせる。



「Dear my songs」では、菊池がギターをつまびきながらメロウに歌い出すと、寺本英司(Dr/Cho)は立ち上がって、高く腕を突き上げた。観客の思いものっかって、ちょっぴり湿度高めとなった歌。最後は、会場一体の壮大な大合唱を巻き起こし、間髪入れずに、ショートチューン「All right all wrong」でド派手にフロアをかき回したOVER ARM THROW。「また会おうぜ」と爽やかにステージを去った3人は、この夏、結成15周年を迎える。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎半田安政 (Showcase)

【OVER ARM THROW セットリスト】

01.Spiral
02.Flying High
03.The dancing rain
04.ZINNIA
05.TONIGHT
06.Rotation
07.Across the fanfare
08.Dear my songs
09.All right all wrong

■<SATANIC CARNIVAL'18>

6月16日(土) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
6月17日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール

この記事をポスト

この記事の関連情報