【インタビュー】SUSHIBOYS、超個性派ラッパー軍団の最新ポジティブチューンが炸裂「なんでもできる」
SUSHIBOYSは、高スキルのラップとユニークな視点のリリックのマッチングを活かした独自の世界観を備えたトリオのラップ・グループ。YouTubeにアップした彼らのMVはヒップホップの枠を超えて多くのリスナーを魅了し、2017年10月に発売された1stアルバム『NIGIRI』はヒップホップ・チャート初登場1位という快挙を成し遂げた。『NIGIRI』に続けて1月13日に配信音源「なんでもできる」をリリースしたSUSHIBOYSのメンバーに集まってもらい、彼らの本質や素顔に迫るインタビューを行った。
■自分が描いている目標に向かって試行錯誤を繰り返しながら作っていった
■だからトラックに関しても100%満足できるものは作れていないんです
――まずは、SUSHIBOYSを結成するに至った流れを話していただけますか。
サンテナ:どのパターンでいく?
ファームハウス:“パターンB”だな。
――えっ、どういうことでしょう?
ファームハウス:いや、SUSHIBOYSに至るまでの道筋にいくつか節目があって、どこから話すかというのがあるんです(笑)。
――なるほど(笑)。では、パターンBでお願います。
サンタナ:そうさせてもらいます(笑)。元々は、僕らはYouTubeに動画を投稿していたんです。自分達でコメディー動画みたいなものを撮って、不特定多数の人に向けて発信していくということをしていたんです。そういう中で、パロディーの一つとして農家とヒップホップを組み合わせたらどうなるかという話が出て、理科の実験みたいに化学反応を起こしてみようといってやってみたのが、最初にラップをやるきっかけになりました。それがすごく楽しかったので、ヒップホップをやりたいと思うようになったんです。最初は録音環境とかも悪かったけど、ヒップホップはバック・トラックを作って、声を録音すれば音楽として完成するから入りやすくて。それで、自分達を表現する方法がコメディー動画から音楽に変わっていったという感じです。
▲ファームハウス
――“農家+ヒップホップ”という発想がターニングポイントになったんですね。皆さん元々音楽も好きだったのでしょうか?
エビデンス:好きでした。ただ、ヒップホップはあまり聴いていなくて、J-POPとかを聴いていたんですよ。そうしたら、友達がDragon Ashさんの「Grateful Days」という曲が良いよと教えてくれて、聴いてみたら本当に良くて。そこから入って、いろんなヒップホップを知って、ヒップホップしか聴かなくなりました。しばらくそういう状態だったけど、最近はJ-POPや洋楽、EDM、テクノ、ファンク…という風に、いろんな音楽を聴きたいと思うようになっていて。ヒップホップに捉われずに、良いなと思った音楽をどんどん聴くようにしています。
――良い傾向ですね。ラップをするはメロディーを歌う以上に難しい部分があると思いますが、その辺りはいかがでしたか?
エビデンス:大丈夫でした。ずっとヒップホップを聴いていたし、ファームハウスとエビデンスがネタとしてネットにヒップホップを投稿してくれていたお陰というのもあって、どういうラップをすれば良いのかイメージしやすかったんですよ。だから、ラップをすることに違和感とかは全くなかったです。
ファームハウス:俺も最初はロックバンドを聴いていました。高校生の頃はニルヴァーナとかを聴いていて、元々はロックバンドをやりたかったんです。それで、サンテナと、あと同級生を何人かを集めてバンドをやろうという話になったんですよ。俺はギターをやることにして、ギターの練習を進めていたんですけど、周りのヤツらの環境が悪くて。家で音楽を鳴らせないとか、楽器を買う金がないといって、楽器を買って準備をしていたのは俺だけだったんです(笑)。それで、バンドはやれないとなった時に、マイク1本でやれる音楽があるぞと言われて、それがヒップホップだった。そこからヒップホップを聴くようになったらすっかりハマって、音楽で自分を表現するようになりました。ラップを始めた時は難しさは感じなくて、俺の中ではすごく自然なことでしたね。ただ、俺のラップは成長途中というか、自分の中でカッコいいと思うゾーンがあるけど、まだ全然追えていないんですよ。だから、もっと突き詰めていこうと思っています。
サンテナ:僕も昔から音楽は好きで、中学生くらいの時にアメリカのヒップホップと出会ったことがきっかけになって、ヒップホップを聴くようになりました。邦楽だとSOUL'd OUTさんとかも好きでしたね。SOUL'd OUTさんは、日本にもこういうことをやっている人達がいるんだなと思って、惹かれていたんです。そんな風にずっとヒップホップを聴いていたし、自分が音楽をやるとしたらヒップホップしかできないなと思っていたんですよ。自分は、歌がヘタクソなので。
エビデンス:それでいったら、俺のほうがヘタだけどね(笑)。
サンテナ:いやいや(笑)。ヒップホップはあまり歌唱力がなくてもラップを使って表現できる音楽なので、これなら自分もやれるかなと思って。だから、ラップをするというのは僕にとっては自然なことでした。この三人で、ラップじゃなくて歌を歌おうという話になっていたら、かなり困ったと思います(笑)。
▲サンテナ
――皆さん、ごく自然とラップをされるようになったんですね。ただ、ラップをするとなるとバック・トラックを作らないといけないじゃないですか。そういうノウハウは、どうやって身につけていったのでしょう?
エビデンス:独学です。
ファームハウス:今はインターネットがありますからね。自分らの世代は、インターネットの恩恵をフルに受けているんですよ。インターネットで調べたり、YouTubeを見たりして、ラップのやり方とか、トラックの作り方、レコーディングの仕方といったことを覚えていったんです。誰かに教わったりせずに、自分達だけでカッコ良いと思える音楽が作れるということもヒップホップに本腰を入れることの後押しになりましたね。
――前作の『NIGIRI』(2017.10.15リリース)を聴かせてもらいましたが、ラップはもちろん洗練感を湛えたバック・トラックもすごく良いなと思いました。
ファームハウス:ありがとうございます。トラックも最初は思ったようなものは作れなくて。それは、ラップと同じですよね。自分が描いている目標みたいなものがあって、そこに向かって試行錯誤を繰り返しながら、とにかく作っていった。だから、トラックに関しても、まだ100%満足できるものは作れていないんですよ。もっと良いものを提示できるようになりたいなと思っています。
▲エビデンス
――トラック作りも誰かに任せたりせず、自分達で作りたいんですね。リリックについても話していただけますか。
エビデンス:リリックは、最初にテーマが決まれば、それに沿って、それぞれが好きなように書いているだけで、あまり深く考えてはいないです。
ファームハウス:こういう風に書こうというのを自分達の中で統一しているわけでもなくて。エビデンスが言ったようにトピックだけ決まっていて、あとは自分なりにフィールして書いているだけです。
エビデンス:ただ、リアルであるということにはこだわるというか、そうあるべきだと思っています。『NIGIRI』に入っている「ダンボルギーニ」とかは面白さを狙って書いたリリックだと思う人がいるかもしれないけど、あれは俺らにとっての身近なリアルなんですよ。それに、「思ったよりも」という曲がそうだけど、日常生活を切り取った時に自分が見出だした想いやメッセージを歌うよりも、自分の周りにあって、自分を救ってくれているものとかを歌ったほうが響くんじゃないかなと思って。だから、自分の内側にある熱いメッセージだったり、やりきれない怒りだったりを、それこそ身を削ってでも伝えたい…というようなスタンスではないですね。
――それが、良い意味での軽やかさに繋がっています。もう少し皆さんの人柄も知りたいのでお聞きしますが、趣味や最近ハマっていることなども教えて欲しいです。
ファームハウス:どうだろう? やっぱり一番ハマっているのは音楽ですけど、洋服とかは昔から好きですね。オシャレだねと言われると嬉しいです。
サンテナ:僕は、ビリヤードが好きです。
ファームハウス:ええっ? そうでもないでしょ(笑)。
サンテナ:いや、好きだよ(笑)。1年前くらいからたまにやるようになって、面白いなと思っています。趣味を改めて考えてみると、曲を作ったり、音楽を聴いたりする以外は、あまり没頭することはなくて。それで、いろいろ考えてみたら、“ビリヤードがあった!”というくらいの感じですけど。
エビデンス:なにかあるかな……最近はやっぱり音楽が中心だけど、わりとゲームとかは好きかもしれない。でも、それくらいかな。
ファームハウス:三人とも映画とか、アニメとか、ドラマとかはわりと好きですね。映像作品が好きなところは共通しているよね?
サンテナ&エビデンス:うん。
――映像作品が好きなことは、SUSHIBOYSのMVを見ると感じます。面白いものが揃っていますよね。
一同:ありがとうございます。
ファームハウス:俺らはMVにもこだわっているんですよ。冒頭に話が出たように元々YouTubeに動画をアップしていたし、自分達の音楽と同じようにMVも楽しんでもらえるものにしたいという想いがある。だから、SUSHIBOYSに興味を持ってくれた人には、ぜひMVも見て欲しいです。
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